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寅次郎な日々

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ご注意) このサイトの文章には物語のネタバレが含まれます。
まだ作品をご覧になっていない方は作品を見終わってからお読みください。


                 

第34作『寅次郎真実一路』 超簡単 ダイジェスト版(2010 年2月27日))

お兄ちゃんとの再会 長山藍子さん(2010年2月15日)

ついに発見! 神田神保町『大雅堂』(2010年2月5日)

もう一人の『さくら』 長山藍子さんの感覚 前編(2010年2月1日)

なぜか江戸幕末に詳しい寅(2010年1月28日

長旅から帰って来た人には…。(2010年1月21日)

新年のご挨拶  寅次郎と雪のバス停(2010年1月2日)

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男はつらいよの中の雪景色(2009年12月18日)

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『男はつらいよ』と干し柿を作る日々(2009年11月14日)

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           お気楽コラム   寅次郎な日々  
 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…





 第34作『寅次郎真実一路』 超簡単 ダイジェスト版



2010年2月26日 寅次郎な日々 その431



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。


いやあ〜、本編の『ダイジェスト版』は超久しぶりだ。(((((^^;)ヾ

このサイトを作り始めた2004年当初は、マニアックな『本編完全版』と『コラム』だけを閉鎖的に書こうと思っていたのだが、
ここを訪問してくださる方々の中で、作品をまだ全部は知らない寅さんビギナーの方々も結構多いと聞き、
2007年から30分ほどで読める簡単作品紹介の全48作品の『ダイジェスト版(短く要約したもの)』
第1作から始めた。

で、数年前まで『本編完全版』の作業の合間にずっと次々と『ダイジェスト版』を作ってはアップしてきたのだが、
昨年あたりから生業の仕事の多忙が続き、ご存知のとおり、なんとなく『ダイジェスト版』は
第33作「夜霧にむせぶ寅次郎」まで作って、その後止まってしまっていた。

それぞれの作品の『ダイジェスト版(短く要約したもの)』はこちら



時々、何人かの方に『ダイジェスト版』は第48作まで作らないのですか?とメールで聞かれたのだが、
「そのうちまた再開します」、と言ったまま、今日の今日まで怠けていたのだが、
このままいくと、ずっと第34作以降の『ダイジェスト版』を作らなくなってしまうので、今日からまたとろとろ作っていこうと思う。

とは言っても、このサイトはもちろん『本編完全版』のアップこそがメインなので、その作業の合間に『ダイジェスト版』を作る。
そのスタンスは絶対変わらない。ということで、やはりどうしても時間が足らない。


そこでこれから作る第34作以降の『ダイジェスト版』の妥協案として、

@第33作までの『ダイジェスト版』よりも、物語のあらすじの長さもディテールもかなり短くし、要点だけを紹介しようと思う。
 マニアックな部分は『本編完全版』のみで堪能してもらうことにする。


Aそしてもう一つの妥協はすでに『本編完全版』を作り終えた作品は、あえて『ダイジェスト版』は作らず飛ばしていこうと思う。
 大は小を兼ねる…、ということだ(^^;)ヾ。
 

それゆえ第34作以降の『ダイジェスト版』は『超簡単 ダイジェスト版』というなんともベタな名前でやっていこうと思う。

残る作品は、第34作、第35作、第36作、第37作、第39作、第41作、第42作、第43作、第44作、第46作、第47作、までの11作品だ。

一週間に一度ほどの間隔でアップしていくので6月頃には終わると思うが、生来の怠け者なのでこれまた7月頃まで
かかると思う。コラムもその間に気が向いたら入れていくこともあるかもしれない。

ま、どちらにしても個人の勝手なHPなのでわがままをお許しください。




それでは本日は
第34作「寅次郎真実一路」の超簡単ダイジェスト版をどうぞお楽しみください。↓













第34作「寅次郎 真実一路」超簡単ダイジェスト版


真実一路の旅を行く寅次郎    道ならぬ恋に悩みぬく寅次郎


この作品の大原礼子さんは第22作「噂の寅次郎」よりさらに美しく色っぽい。

魔性の女性大原麗子さんが、その美しさに磨きをかけて再登場したのが第34作「寅次郎真実一路」である。
この時も第22作同様なんと彼女は人妻の役。もちろんこの作品ではさすがに離婚はしない。
しかしまあこんな美しい人妻がいたら寅でなくとも心が騒ぐのが男というもものだろう。


もっとも、離婚はしないが、なんと仕事でノイローゼになった夫が失踪してしまうのである。
ふじ子さんは、夫と縁があった寅を頼って二人で夫を鹿児島まで探しに行くのだが、
夫が失踪して滅入っている彼女を寅がずっと励まし、慰める続ける。

もちろん心の中では人妻のふじ子さんを愛してしまっている自分がいるわけだ。
そして失踪した夫が死ぬことを考えてしまう恐ろしい自分と闘う、というシリアスな物語だ。

山田監督が「馬鹿まるだし」に次いで、「無法末の一生」を強く意識した作品でもある。


              


ただし、ふじ子さんも、夫がいるというのに寅に惚れてしまって…、という
ことではなく、ひたすら寅を夫の友人、自分たちの恩人として考えているところがやはり「寅さん映画」なところ。
そういえば寅は、第6作「純情編」や第42作「ぼくの伯父さん」や第43作「寅次郎の休日」第47作「拝啓車寅次郎様」なども
人妻に密かにではあるが惚れているのである。
しかし、この第34作はそのような『人妻もの』の中では恋心が一番素面で本気になっているところが悲しい。





意味深なことを言ってしまうふじ子さん


恋心を秘めながらふじ子さんの夫を鹿児島で一緒に探す寅が
同じ宿に泊まらない寅を見てふじ子さんは「つまんない寅さん…
」と言うのである。

これはどういう意味だろうか。

愛する夫が失踪し、小学生の息子を家に残して、半泣きで寅と一緒に探し回っている最中なんだから、
ある意味、「つまんない」のは当たり前で、そんなことをわざわざ中年独身男性に言うことは
状況から考えて不可思議だと言わざるを得ない。変な誤解をされる場合もある。

物語を『ちょっと危うい感じにしたい』という演出かもしれないが、これではふじ子さんの人格が
疑われるし、彼女の切実さや悲しみとのバランスも取れない。

大原麗子さんにああいう発言をさせてみたい、という監督の内なる欲求はとても痛いほど分かるが、
ここは、ぐっ〜〜っと、その欲求を堪えて、
「どうして…?そんな遠慮しなくたっていいのに…、でもありがとう、気を使ってくださって…」
くらいのことを美しく演出したほうがよかったのではないだろうか。

とにかくふじ子さんは、それどころじゃないのであるから。


              


ここは、あくまでも寅が一人で惚れてしまって七転八倒悩めばいいわけで、ふじ子さんは
未だ悲しみの中に埋没しているのが自然だなんて思うのは、ちょっと真面目すぎるだろうか。




真実一路の旅をゆく寅次郎



  真実諦めただひとり
  
真実一路の旅をゆく
  
真実一路の旅なれど
  
真実鈴ふり思ひだす


これは富永課長とふじ子さんの家に架かっていた北原白秋の「巡礼」の詩。

作家の山本有三が書いた「真実一路
」にもこの白秋の詩は引用されているので
そちらのほうが一般的には有名かもしれない。

白秋もこの当時、道ならぬ恋で悩んでいたらしいから、この詩は寅のその後を暗示するようで、
とても興味深いものがある。人妻に恋をしてしまう寅は現代の「無法松」だ。「オレは汚ねえヤツです」は、
無法松そのもの。そしてしだいに失踪した亭主が帰ってこないことを密かに考えてしまう恐ろしい寅の心。
膨らんでしまったその闇の心を振り払うように旅に発つ寅。真実一路の旅。

不倫に陥ることなく、正に真実を貫くために熱き気持ちを奥に隠して、潔く孤独を行く寅の姿に、
見る側の私たちはどこかでほっとしたはずだ。これこそが「男はつらいよ」なのだ。
顔で笑って心で泣く車寅次郎だからこそみんなに愛されるのだ。

それにしてもしつこく書くが、この物語の大原礼子さんにはぞっとさえするような大人の色気を感じる。
第22作「噂の寅次郎」ではまだ開花しきっていなかった美しい花がこの「真実一路」では
見事に花開き、私の心をクギ付けにさせてしまった。これは作品のよさとはまた、別の問題ではある(^^;)
あの声、あの瞳、あの立ち振る舞い。ほんと寅が道を踏み外す気持ちが分かる男は巷には大勢いるはずだ。

でも、彼女はもういない。
大原麗子さんは美しい人だった。私は掛け値なしにファンだった。

寅の言葉じゃないけれど

「花にたとえりゃ薄紫のコスモスよ…」


           









それでは超簡単本編ダイジェスト版をどうぞ



          



今回の夢は『怪獣もの』


宇宙怪獣ギララが日本へ上陸。


ちなみに『宇宙大怪獣ギララ』(うちゅうだいかいじゅうギララ)は、
1967年3月25日に公開された松竹が制作した唯一の怪獣特撮映画作品、
その時の映画のフィルムがたくさん使用されている。
この映画、エンディングテーマは賠償千恵子さんが歌っている。

合成技術は適当な感あり。

         




ギララにやられていた戦闘機は航空自衛隊F104J戦闘機。
同じくギララと戦っていた戦車は陸上自衛隊61式戦車。
をモデルに作ったと思われる。形がそっくり。

この時代は東宝のゴジラ、大映のガメラ、などが一世をふうびした。
松竹はさほど流行らなかった気がする。
  

一方こちらは
       
筑波山ろくで隠居している車寅次郎博士。

今回本編のロケ地が茨城県の牛久沼やつくば市がロケ地なので夢も筑波山ろくにしてあるんだね。


         


吉田茂首相にそっくりのタコ社長と軍人あがりの官房長官源ちゃん。
いやあ〜〜〜凄いコンビ、日本もおしまいだァ…(^^;)


ジョアキーノ・ロッシーニ作曲、ウイリアムテルの序曲に乗って

偉大なる預言者車博士の隠居所にギララ退治の妙案を聞きに行くのだった。

柴又にいた頃はお互いに「タコ」「寅」と呼び合った仲だから心配するなと自信満々の首相。


         


しかし、車博士は大学から追放された恨みから助けようとしない。

車博士「そう、もうあなたと私はファーストネームで呼び合う仲とはちがいます」(^^;)

車博士、官房長官の源ちゃん見て「なにこれ?」とクスクス笑い   確かに(((^^;)


         


首相は土下座。
官房長官は『お金』はお金を用意して頼みこむ。

さくら「いつまでも昔の恨みにこだわっている時ではこざいません
博「地球の運命は今博士の肩にかかっているんです」と二人して協力を促す。

さくらの髪型と着物がなかなか素敵だ。


         


車博士「かわいそうなやつめ…」と怪獣に同情的。

しかし、家のそばまで来てしまったのでついに決断する。

車博士「聞け!怪獣。おまえが憎いわけではない。
    わしが本当に憎むのはおまえをそのようにしてしまった愚かな文明だ


しかし殺すことを決意

車博士「怪獣!覚悟

取り出したお守りから光線が!


        


光線でやられながら

怪獣「トラ〜〜〜〜、トラサァ〜〜〜〜ン」と断末魔の声を出して苦しむ(^^;)


        




パッと現実に戻って


鹿児島県の田舎

湖のほとりの「松屋食堂」で居眠りしている寅。

ゴジラのかぶりものをした子供が眠っている寅を驚かせる。


        


寅、驚いて

寅「うわああああ、…びっくりさせるなよ」とびびる。


        



そこへポンシュウがバンでやって来て、バイに連れて行く。

鹿児島にある「イケダパン」の看板。

株式会社イケダパンは、鹿児島県南さつま市に本社を置くパン・惣菜などを製造・販売する食品メーカー


        




タイトル イン


はつらいよ 寅次郎真実一路


        


寅が江戸川土手に戻ってくる。

        

口上「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。
   帝釈天で産湯をつかい、姓は車、名は寅次郎、
   人呼んでフーテンの寅と発します。



♪どおせおいらはヤクザな兄貴 わかっちゃいるんだ妹よ
   いつかお前が喜ぶような 偉い兄貴になりたくて
   奮闘努力の甲斐もなく 今日も涙の
   今日も涙の陽が落ちる 陽が落ちる♪


どぶに落ちても根のあるヤツは  いつかは蓮の花と咲く
   意地は張っても心の中じゃ
   泣いているんだ兄さんは
   目方で男が売れるなら  こんな苦労も
   こんな苦労も かけまいに かけまいに♪




今回のコントはアパッチけん。
アパッチさんがバイクでツーリング。
寅にヘルメットの中に『イガ栗』入れられてイタイイタイと
大慌て。


          




柴又 とらや 台所及び店


怒ったあけみがとらやに逃げてくる。
おいかけてくるタコ社長。
どうやらいつものように夫婦喧嘩をしたようだ。

ロールキャベツの中にマッチ棒を差し込んだあけみに
夫が怒り、料理を捨ててしまったそうだ。

     
         
         


そこへ寅が帰ってくる。

助けを求めるあけみ。
抱きとめてかばう寅。

あけみ「私たちの結婚にはね、もともと愛なんてなかったの。
    それなににね、父ちゃんたら無理やり元の鞘に納まれって言うんだよ
」と胸に顔をうずめる。
寅「世間体を気にしてか」と社長を睨む。


        


で、怒った社長はいつものように大喧嘩


        



ここから珍しく参道ロケ。


帝釈天参道

みんなでガヤガヤ喧嘩している。
なかなか見所の多いシーンだ。

社長が寅におもちゃのライフル向けると、
なぜか寅の後ろにいたおいちゃんがビビッて手をあげるのが面白い。


       



源ちゃん御前様に告げ口。
  
御前様「こら!柴又の平和を乱すのはおまえか!困ったもんだ」テレビの見すぎ(^^;)
御前様関係者を寺に引率して、たっぷり説教をすることに。
御前様「関係者はついてきなさい」と扇子を目印にバスガイドさんのようなことをする。
寅もおもちゃのライフル銃を手で上げて
寅「これを見てついてらっしゃい」おまえだろ張本人は(−−;)

みんなでぞろぞろ。

源ちゃんイヒヒ笑い。


       


薩摩琵琶がベンベン鳴る。




夜 とらや 茶の間


おいちゃんもついでに御前様に説教されてしまって機嫌がイマイチ。

そこへ上野で飲んでいる寅からSOSの電話。




上野 居酒屋

寅「そんなに怒るなよ、な、恩にきるから…、ん、もうしない二度とこういうこと、な」と弱気。

しかしさくらは
さくら「今まで何べんそういうこと言ったと思うの、もう信用しないから」と強気の姿勢。
で、寅はプッツン切れて早々とあきらめてしまう。


電話を聞いていた富永健吉は興味津々で、これからどうなるんです?と寅に聞く。

寅は平然と、

寅「ねえ、ま、ここのオヤジと相談して最寄の警察へ行きますか。
  そこのま、留置所に楽しく一泊させていただいて、
  明日の朝、早く、今ここで電話しておりました妹があたくしの身柄を引き取りに来ると
  ま、そういったような図式ですね、ええ

居直って、料理と酒を注文する寅。
富永「ハハ、羨ましいなあ〜、オレもそんなふうにやってみたいなあ〜
寅「じゃあ、やればいいじゃん、フフ。あ、九州だ
富永「わかる?
寅「わかるよ、九州のどこ?
富永「鹿児島
寅「あー、いいとこだ、あそこ」と桜島の噴煙のジェスチャー。
富永「桜島、錦江湾、開門岳


        


富永さんはこうして寅と意気投合し、寅の分も払ってやるのだった。

一枚の名刺を渡して去っていく富永さんだった。



翌朝 柴又 さくらの自宅


どうやら、寅はさくらの家に昨夜泊まったようである。
寅がさくらの家に泊まったのはこの長いシリーズの中でこの時だけである。

寅が着ているハンテンはさくらが着ていたこともあるが、
その後、奥尻島ですみれちゃんが着ていたもの(^^;)


        


さくらは、情けなくて泣きながら料理を作っている。

寅はそれに気づき気まずく思ってしまう。
雪駄が家の前に投げ出されているところをみると昨夜はかなり飲んだくれて帰ったようだ。
     




日本橋  スタンダード証券ビル


お礼にバナナを持ってスタンダード証券を訪問する寅だった。

な、なんとここの受付には朝日印刷のユカリちゃんが勤めていた。
タコ社長の目を盗んでこんなところでアルバイトしてるんだろうか((^^;)


       


証券会社の厳しいサラリーマン姿が映し出される。
のんびり訪問しに来た寅とのコントラストが奇妙。
富永課長もこんな忙しい時間帯にやってきた寅にちょっととまどっている。


コントの帝王 津嘉山正種さんは、今回は富永課長の上司役。
かなり厳しい働きぶり。


寅の土産のバナナをみんなでどんどん食べていくのがなんとも面白い。


で、ようやく夜に飲み屋にGO。



上野 飲み屋


富永「枕崎知ってるかな枕崎」枕崎は富永さんの故郷
寅「知ってる、枕探し知ってるぞ」ちゃうちゃうヾ(^^;)

これをエンドレスで繰り返される(TT)

合言葉は「チェスト!行けー」(^^;)


        




常磐線 車内

上野から常磐線に揺られて
富永さんの自宅茨城県牛久沼に一緒に行ってしまう寅だった。



        




【運命のふじ子さんとの出会い】


茨城県 牛久沼のほとり

目の前は東谷田川と呼ばれている、牛久沼の一辺である。 

森の里団地内にある富永課長の自宅前




翌朝、4時間ほどの睡眠のあと自転車で駅まで漕いで行く富永課長。

寅はそれよりずっとあとに起きてここがどこだかわからない。



        


「里の秋」を口ずさんでいるふじ子さん。

???マーク宙に浮かせながら富永課長の奥さんのふじ子さんと挨拶。


        


壁には詩が額に入ってかけられている。


  真実諦めただひとり
  
真実一路の旅をゆく
  
真実一路の旅なれど
  
真実鈴ふり思ひだす



これは富永課長とふじ子さんの家に架かっていた北原白秋の「巡礼」の詩。

作家の山本有三が書いた「真実一路」にもこの白秋の詩は引用されているので
そちらのほうが一般的には有名かもしれない。



        


寅「あの…、大変失礼ですけれども…
  そちらはどこのどなたでしょう??
バカ(^^;)

ふじ子「富永の家内のふじ子ですけど

ふじ子さんからいろいろ説明を受けてようやく事情を把握する寅。


        


どこの誰か素性のわからない寅に対して、
こまめに世話をやいてくれるふじ子さん。

        


ふじ子「コーヒーになさる?それとも紅茶?
寅「は、わたくしいつもコーヒーをだって(^^;)


田舎育ちの富永さんは水や山のあるところが好きな富永さんは、東京から離れているのを承知で
この美しい水や山のある牛久沼の一軒家に引っ越してきたそうだ。

ふじ子さんと二人っきりだと理解した寅は真っ青になりスタコラと逃げ出していくのだった。


お守りを忘れた寅を追いかけて来たふじ子さん。


        


ふじ子「寅さん
寅「


ふじ子のテーマが流れる。


ふじ子「あ…すいません、夕べ主人が寅さん寅さんと呼んでいたものですから、つい
寅「どうぞ、寅と呼んでやってください
ふじ子「そう…、じゃあ、寅さん
寅「はい
ふじ子「奥様にどうぞよろしく

寅、にっこり笑って

寅「そういう面倒なものは持ち合わせておりません

ふじ子「あ…ごめんなさい
寅「それじゃ、ごめんなすって

去っていく寅。

もう一度振り返ってお辞儀。

ふじ子「さよなら


       



夜 とらや 茶の間 お月見の夜

ずっと、美しいふじ子さんのことを考えている寅。

寅「花にたとえりゃ、薄紫のコスモスよ

寅はあんな美しい奥さんとほとんど会う時間が無い富永さんは
可哀想だとつぶやくのだった。


寅は言う

寅「仮にオレがあんなきれいな奥さんをもらったとしたらだな、
  一日中その顔をジーっと見てる


みんなあきれる。

寅「台所で洗い物をしている。そのきれいなうなじをオレは見つめている。
  針仕事をする。白魚のようなきれいな指先をオレはじーっと見惚れる。
  買い物だってついていっちゃうよ。大根をねぎっているその美しい声音(こわね)に
  思わず聞きほれる。
  夜は寝ない。スヤスヤと可愛い寝息をたてるその美しい横顔をじーっと見つめているな。
  オレは寝ない。


        


博「問題があるなあ…その考え方には
おいちゃん「
第一どうやって食っていくんだい」と反論。
寅は「
食わなくたって、腹なんかすかないんだよ」とめちゃくちゃ。


ここで社長がいつものように問題発言。

社長「でもしょうがねえよな、人妻じゃ

寅、ピクッとして

寅「え!今なんていったんだタコ

寅「オレが惚れてるっていったか!それ以外の何ものでもない(−−;)

社長「顔に書いてあるよ


寅、社長に飛びかかろうとするがみんなに止められる。

寅「フ、まあ、いいだろう、てめえみたいなな、スルメみたいなカカア持ってるやつに
  今のオレの話がわかるわけがねえんだい

社長「スルメとはなんだ!!
寅「スルメじゃねえかこのヤロ!、
  ぺっちゃんこで粉ふいて
  焼くとクルクルと丸まってちゃうの

社長「あれでもオレのことをちゃんと愛してるんだよ!
寅「みなさん聞きました。え、スルメがタコを愛してるだと、
  大笑い、ハハハ!

社長「くやしいだろうなあ、女房も持てねえやつにはなあ!

寅切れる。

寅「このヤロ!

おいちゃん「今のはおまえが悪いぞ!」と寅をかばう。


        


社長、怒りながら工場へ逃げていく。

社長「かあちゃーん、あったかいご飯食べよ〜

薩摩琵琶  ベンベン



一方富永さんは通勤途中日本橋のビルの谷間でついにノイローゼになり疾走してしまう。

あてもなくタクシーに乗ってしまう富永さん。

ふじ子のテーマが静かに流れて

枕崎に揺れる薄桃色のコスモスが頭の中に浮かんでいく。


        




とらや 店

ふじ子さんからとらやに電話があるが、寅は『筑波神社』でバイ。


        


おいちゃん曰く

おいちゃん「なんだか色っぽい声だったぞ




筑波神社 秋祭り

筑波神社で健康サンダルのバイをする寅。

このあたりは『ガマの油売り』の啖呵バイが有名。
寅のとなりでも実践していた。

そういえば第3作のオープニングでガマの油売りが出てくる。
第7作でも母親の菊にガマの油売りの口上をじゃべっている。


       





日本橋 スタンダード証券

上司の津嘉山正種さんに相談に行くふじ子さん


       





牛久沼

上にも書いたが目の前は東谷田川と呼ばれている、牛久沼の一辺である。
 

森の里団地


失意のままバスを降りて自宅に戻ってくるふじ子さん。


牛久沼のほとりでふじ子さんを待っている寅。


        


悲しみに暮れる心境を吐露するふじ子さん。


        



富永さんの自宅居間

ふじ子さんは、自宅で寅に思い切った質問をする。

ふじ子「実はね、寅さんに聞きたいことがあるの

寅「…なんでしょうか?

ふじ子「こんなこと、とても恥ずかしくてとてもほかの人にきけないんだけれども…。
    もしかして、主人に女の人が…主人はまじめ一方の人だからそんなこと無いと思うんだけど…でも…


メインテーマがクラリネットでゆっくり流れる。

寅「奥さん、オレは何聞かれてもまともに答えられるような男じゃねえ。
  でも、そのことだけはちゃんと答えられるよ。課長さんはそんな人じゃねえ。


        


  そりゃ、人は見かけによらないと言葉があるけれども、
  課長さんは大丈夫だ。
  奥さん、そのことは安心していいよ



         


ふじ子「そう…

静かに頷く寅。

ふじ子、ほっとして安心する。


でも近所の目を気にしてふじ子を励まし、すぐに家を出る寅だった。



とらや 茶の間

とらやに戻って茶の間でおいちゃんと大喧嘩。

店の売上金を富永課長さんの捜索のために使おうとする寅。

寅「オレが使おうって言うんじゃないんじゃないんだよ、オレは!
  見知らぬ町ですきっ腹抱えてうろうろしてる可哀想な課長さんのために
  使おうと言ってる、それが悪いのか!


おいちゃん「はあー!会ったこともない男のために何でオレが金を出すんだ!そらそうだ(^^;)

すったもんだで金庫のふたを無理やり開ける寅

ドロボー!!」と叫ぶおいちゃん。

ふたが開いて、お金が舞い落ちる。

防犯の音が鳴るジリリリリーン!!


        


泣いてしまうおばちゃん。

呆然と見ているみんな。

金庫の中身があまりにも少ないのでがっくり来る寅。

跡取りのお前がまともな人間だったらだらとワナワナ怒るおいちゃんだった。


小岩の拝みババア」の言うことを聞いて北海道に行こうとする寅を止める博。

博「万一の事態がおきたあとのことを冷静に考えておくのが兄さんの立場じゃありませんかえ??( ̄◇ ̄;)


        


寅「あとのこと?…なんだそれ?

博「夫を亡くした美しい奥さんの悲しみが
  どれほど深いものか、想像してごらんなさい
たぶん死んでないってヾ(^^:)

寅「そうか…

薩摩琵琶

ベンベン!

そそそと茶の間に座り


寅「まず…ムシロをとる。


        



寅「ご主人に間違いありませんか?
  そうですか…。
  まず葬式か…、これは身内だけでいい。
  初七日、四十九日、
  すぐ一年経っちゃう…
凄い想像力((((^^;)

博「兄さん、なにもそこまで考えることは…

寅「そうだな、くよくよしたってしょうがないもんね

みんな頷く。

寅「あんな広いところにいるのは無駄だからさ、
  そうだ、柴又の方へ越してきたらいいんだよ。
  なあ、さくら



さくら「そうね…


        


寅「博、オレこれから、あとーーのことについてゆっくり考えてみるよ

こうして寅は、博の失言によって、ご飯も食べないで
『あとのこと』を二階でじっくり考えると言い出し、

寅「あとのことを考えるって、難しいなあ…」と憑かれたように二階へ上がっていく寅だった。


        


博「まずい言い方しちゃったなあ〜〜〜〜…
気にしない気にしないどっちにしてもいずれ結果は同じ ゞ( ̄∇ ̄;)

みんな博を睨んでいる。

        


下を向く博。

さくら「私知らないわよ、これからどうなんのかしら


2階で寅の声「労働者諸君、田舎のご両親は元気かな?たまには手紙を書けよ


おいちゃん、気分が悪くなってきた。




鹿児島県 坊津市 丸木浜


ふじ子のテーマが静かに流れる


懐かしき海岸線を彷徨う富永課長。


       





一方寅は、悲しみにくれるふじ子さんをなんとか元気づけようと
とらやの食事に誘うことに。




帝釈天参道 とらや前


この時の参道ロケであのお千代さんが経営していたアイリスの屋根
骨だけになっていた。お千代さんは店をたたんだんだろうか…。


ちょうど七五三の日に来てしまったのでみんな店が忙しそう。

寅はせっかくふじ子さんが来ているというのに話がはずまなくてふてくされている。

いつまでもずるずるお茶漬け食ってるおばちゃんに

寅「いつまでもズルズルズルズル茶漬け食ってるんじゃないよ。

  口の中でウンコになりますよ
出た〜〜〜ヽ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄;)ノ



      


社長がやって来て明るくなると思ったら、

社長涙ぐみながら

諦めちゃいけませんよ!ご主人は生きていらっしゃると思いますΣ(|||▽||| )
と悲しませるようなことを言ってしまう。


      


寅、店がガヤガヤ忙しそうなのでずっと嫌がっている。


ふじ子「いいわね、寅さん
寅「なにが?
ふじ子「いっつもこんなふうに賑やかにごはんがたべられて…
みんな「…」
ふじ子「家族がそろって賑やかに食事するなんて、何でもないことのようだけど
    考えたら…幸せってそんなものなのかもしれないわね

みんな「…」

さくらは、自分たちだっていつもこんなふうに賑やかにご飯食べているわけではないと言うのだった。
寅は同調して、ことさら寂しい老夫婦の食事を強調する。

寅「くら〜い電球の下で二人差し向かい…、煮込みうどんかなんかこれぽっち。
 ね、鼻水といっっしょにズズズ…すすりながら、『あら入れ歯が落こちゃったよ』なんて、
 そりゃあもう惨めなもんですよ



       



さくらの家はここから近いのかとふじ子さんから聞かれて

寅「遠い遠い、何県だあそこ、村か?
さくら笑いながら
さくら「東京よ
寅「だって二時間はかかるだろ
ふじ子さん、真に受けて
ふじ子「あら、電車で?
さくら首をふる。
寅「いいえ、歩いて。
  安月給だから定期なんか買えませんよ。
  靴なんかも買えない。
  裸足でペタペタペタペタ歩いてたんだよ、この前まで。ねえ

さくら含み笑いを浮かべながら頷く。
寅「草鞋についこないだ切り替えたんだよ。
  だからこいつんとこの家族はみな
かかとが丈夫で
一生言ってろよ(-。−;)
ふじ子さん下を向いてクスクス笑っている。
寅「え?なんですか?
ふじ子「だってえ、デタラメ言ってるでしょ寅さん、フフフ本当だったら怖い(((^^;)


一方満男はタカシ君に将棋角落ちで負けてしまう(TT)

寅「お!満男、今日はな、お客様に歌を歌って聴かせろ

文化の日と、いうことで、満男とタカシ君がなにか歌を歌うことに。
タカシ君は音楽の成績が一番いいそうだ。

歌ったのは『里の秋

タカシ君は美しいボーイソプラノ。
満男途中から棄権(^^;)


1静かな静かな 里の秋
 お背戸に木の実の 落ちる夜は
 ああ 母さんとただ二人
 栗の実 煮てます いろり端

しだいに悲しみが噴き出しついには下を向いて涙を流してしまうふじ子さん。


      


この『里の秋』は1945(昭和20)年 敗戦により失った領土からの引揚者への激励のために
NHKの番組で流された歌。

本編では2番3番は歌っていないが実は↓のような内容なのである。
失踪した富永課長を家で待つふじ子さんとタカシ君の歌なのだ。

2明るい明るい 星の空
 鳴き鳴き夜鴨の 渡る夜は
 ああ 父さんのあの笑顔
 栗の実 食べては 思い出す

3 さよならさよなら 椰子の島
 お舟にゆられて 帰られる
 ああ 父さんよ 御無事でと
 今夜も 母さんと 祈ります



ふじ子のテーマも、この『里の秋』のアレンジバージョンだ。



このあたりのシーンで、
決定稿の前の『脚本第2稿』では、本編では使われなかったさくらの興味深いセリフがある。

ふじ子さんがなぜ寅が結婚しなかったのかを聞く場面があるのだ。
それに対してさくらが
さくら「結婚してもいいって人もいなかったわけじゃないわよ
と、興味深いことを言い切っている。




江戸川土手 夕方

帰りに江戸川土手から帰るふじ子さん親子。
ふじ子さんは寅にすっかり頼っている様子。


         



さくらの自宅

見送りに行った満男からふじ子さんが寅に頼っている様子を聞き、
さくらたちは寅の行動がますますエスカレートしていくことが読み取れ、
心配の淵に投げ出される気持ちになっていく。


         



そんなある日


富永さんの自宅

富永課長をなんと故郷鹿児島で目撃したという情報が入り、
ふじ子さんは実家の母親にタケシ君の面倒をみてもらい
一路飛行機で鹿児島へ。

そして寅にもその情報が…。



なんとふじ子さんの母親は、あの京都グランドホテルの従業員だったお澄(おすみ)さんだった!
彼女は確か子供はいなかったはず…、ま、いいか(^^;)


         




とらや 店


さくらが暴走する寅を止めようとして自転車でとらやにかけつけた時にはすでにもう…。


さくら「お兄ちゃんは?
おばちゃん「行っちゃったよ…
さくら「どこへ?
おばちゃん「鹿児島…
さくら「え_!!
おばちゃん「どうしても一緒に行くって

さくら、すぐ追いかけようとするが、もうとっくに走っていってしまったらしい。
さくらは、行かせてしまったおばちゃんを責めるが、

おばちゃん「あの細い目で、じーっと顔見て『オレも一緒に行っていいかな』って
       言うんだもの。『ああいいよ…』って言っちゃったんだよ。反対なんかできやしないよォ…


だそうです(^^;)

          


それもお金なんか持っていないので、社長に5万円借りて(^^;)

社長「こんなこと書かれちゃ、請求もできねえよ


         


さくら、とらやの包装紙の裏に書かれた借用書を見る。


借用書

一金 5万円也

社長様  寅 拇印

御恩は一生忘れません。






TDAで一路鹿児島へ。

機内から桜島が見える。



         



鹿児島 市内


まずは鹿児島市内で市電に乗り、いろいろ聞いて回る寅だった。

とにかく『あご』に特徴があるって聞きまくる(^^;)



        


枕崎駅

まずは実家に行くため、指宿枕崎線に乗り、枕崎駅で降りる。

飲み屋での富永さんの話では枕崎から3つ目の駅と言うことだったが
なぜか枕崎駅で降りる。


        


古い家並み


        


富永さんの義理のお姉さんはなんと津島恵子さん!
あの七人の侍でのうら若き女性だ。

そして富永さんの父親役は新国劇の重鎮である辰巳柳太郎さんだ!


ちょっとボケが入っているので父親は寅と息子の見分けがつかず長刀や刀を
振り回す。

寅「やめはんか!」今回のキーワードです(^^;)

一方薩摩琵琶もじっくり聴かせる文化人の面も。
もちろん寅は聴くふりしながら寝ていた(^^;)


        



翌朝、いろいろ目撃情報を聞きに行くふじ子さん。


枕崎から結構遠い

鹿児島県南さつま市

加世田武田上鴻巣 付近の 武家屋敷


水路にかかる橋が風情がある。


気の弱い南映タクシーの運転手がお馴染み桜井センリさん。
タクシー代を値切る寅。バカだねえ〜(^^;)


         



鹿児島県南さつま市坊津町 丸木浜

なんの手がかりもないまま、また再び南下して
夫の幼少期の思い出の土地である『丸木浜』に行き、考え込んでしまうふじ子さん。

一週間ほど前に夫がこの浜辺で同じように座っていたことを彼女は知らない。


ふじ子のテーマが流れる。


波を見て

ふじ子「きれい…。子供の頃、こういうところで泳いでたのねあの人…

涙ぐんでるふじ子さんの横顔をそっと見ている寅。


薄紫のコスモスが咲いている。


         



そのあと今度は東へずっと行き、指宿温泉のそば
富永さんが中学生の頃病気を治すために療養しに行ったことがある
「鰻温泉」に行く。

カルデラの鰻池が有名。

鹿児島県指宿市山川成川 鰻温泉

この鰻温泉の「鰻荘」に一週間前に『車寅次郎』の名前で数泊し、鰻池で釣りをしたことがわかる。


        


風力発電


旅館  かどや 室内


明日は霧島に行くことに。


        


ふじ子「あのきれいな海や、静かな温泉を見た時、私、今まで気がつかなかった
    主人の心のうんと奥のほうを覗いたような気がしたの


寅「ほんとに…課長さんはいい人ですから


ふじ子のテーマが流れ

ふじ子「そうね…、いい人だったのね、あの人

寅「

ふじ子「寅さん

寅「はい

ふじ子「私、覚悟してるわ、どんなことがおきても…


ふじ子のテーマが流れる。


寅は「そんなことはねえ、きっと生きてるよ」と励ますが、ふじ子さんは泣いてしまう。

泣き続けるふじ子さんの後姿を見つめ、

そっと肩に手を置く。

寅「奥さん…


        


その時、女中さんの声((((((^^;)

女中の声「ごめんください」

寅、パッと手をのけ

地図を見るふり。

う〜ん惜しい!v(≧∇≦)v

ギクシャクギクシャク((^^;)


        

  
なんと女中さんは谷よしのさんだった!

谷さん「お客さん、タクシーの運転手さんが呼びに来てますけど」

寅「い、今行く今行く

谷さん「悪いとこおじゃましたみたいですね、ごめんなさい」


        


寅はタクシーの運転手の家に泊めてもらうそうだ。

ふじ子さんは「もうひとつ部屋を取ればいいじゃないの」と言うが、
寅はきかない。


テーマ曲が静かに流れ


寅「好きであんなヤツのところに泊まりに行くんじゃありません。
  旅先で妙な噂が立っちゃ課長さんに申し訳ないと思いまして


ふじ子「つまんない、寅さん…

と、下を向く。


        


寅「奥さん、オレはきったねえ男です…


        


寅「ごめんなすって

と、勢いよく背中を向け襖戸を開けたら、そっちは押入れだった(^^;)


        

照れ笑いをする寅。

寅「こっちだった、いけねハハハ


        


襖を閉めたら枕がポトリ。


薩摩琵琶 ベンベン


クスクス笑っているふじ子さんの背中。


        


ふじ子さんは、どうして「つまんない」と言ったのだろうか。
「つまんない」というのは意味深にとれる。
山田監督はちょっと色っぽいセリフを言わせたかったのかもしれないが
神経をすり減らせているふじ子さんは「遠慮しすぎよ」とは言っても
「つまんない」なんていう…、そういう言い方はしない気がする。




鹿児島 名勝 仙巌園(磯庭園)

1658(万治元)年に薩摩藩主島津光久が別邸として造営。
通称磯庭園。鹿児島いちばんの名所で、庭園と桜島の展望がすばらしい。


霧島も空振りに終わり…

桜島を眺めながら

ふじ子「寅さん…
寅「はい
ふじ子「もう帰ろ
寅「そうですね


        


それにしても第25作ではあんなに飛行機怖がっていたのに
この作品では全く平気になったのかな??




数日後



柴又 題経寺 境内

さくらが御前様に寅のことを相談している。

御前様「そうですかァ…己が醜いと寅が言いましたか


       


さくら「はい、ご飯も食べないで横になったまんまそればっかり言ってるんです
御前様大きく何度も頷いて
御前様「己の煩悩に気がつくというのは、一つの進歩ですよ、さくらさん
さくら「そうでしょうか
御前様「寅の苦しみのためにお祈りをしましょう
さくら「ありがとうございます

源ちゃん、掃除さぼって手鏡で、髪の毛をいじっている。

御前様「これ!己の姿を醜いと思わんか!困ったやつだ」と去って行く。無駄無駄ゞ( ̄∇ ̄;)


       


源ちゃん、御前様を指差して、さくらにヒヒヒ笑い



とらや 台所

さくらが店に来ておばちゃんに寅の様子を聞くが

何も食べないでウンウンうなってばかりだそうだ。

あけみもりんごを持って見舞いに来るが、あけみには
人生の機微は理解できない。

あけみ「寅さんは顔は三枚目だけど心は二枚目よ」だって(^^;)


       


で、おばちゃんもおいちゃんも結局なぜそこまで悩んでいるのかがわからない。

博が説明

博「あの奥さんに恋するあまり、蒸発しているご主人が帰ってこないことを
  心のどこかで願っている自分に気づいてぞっとする…ということかなあ


おばちゃん「おそろしい…
  

       


博「だから、自分の中にその恐ろしさを感じて苦しんでいるんだと思いますよ兄さんは

おばちゃん「まあ、可哀想に…


       


おいちゃん、無感動に

おいちゃん「そんなことにいちいち同情してちゃきりがないよ、は、商売商売」と
茶の間から店に下りて行く。


おいちゃんのこの言葉に救われるのは私だけだろうか。
こういうことは、あまり難しく考えずに当事者にまかせるしかないのだから。


社長もやって来て

社長「しかし、いくら惚れても人妻だもんなあ…。
   旦那が死んで未亡人にでもなれば別だけど、そうはうまくはいかねえもんな


おばちゃん「社長!なあんて罰あたりなこと言うんだい。
        かりにも人の命に関わることだよ。ほんとにもう…



      


寅、静かに下りて来て

寅「おばちゃん、オレも罰当たりな男だよ。
  社長を責めていたその言葉はそのまんまオレを叱る言葉だ


みんなで御前様の言葉を聞かせたりして寅を慰めるが、寅は旅に出ようとする。
遠い他故郷であの奥さんの幸せを祈っていくと店を出る。
 

      



とらや 店先


寅「あばよ

店先で人と肩が当たってしまう。

寅「お!ごめんよ
よろける男。
その男の顔を見る寅。

富永「寅さん…。僕です。ほら…『チェスト』

寅「九州の…

寅、少し下を向いて


      


寅「生きてたのか…」寅の本音


      


富永「…はあ…」と下を向く。

寅「…!!」と。。。我に帰って。


寅「奥さん、知ってるんだろな、このことを

富永「なんか、顔あわせるのが具合悪くて…。
   寅さんに会ってからと思いまして


寅「バカヤロウ!何で連絡しねえんだい!


      


富永さんをぐいと掴んで電話口に引っ張っていく寅。

寅「さくら!電話しろ電話!


      


しかし、さくらが電話しても電話には誰も出ない。

じれったく思った寅は直接、牛久沼までタクシーで行くことに。

二人して参道を走っていく。





牛久沼  森の里団地内

タクシーが止まり

戸を開けて

寅息を切らし

寅「奥さん!奥さんいるかい!
奥からふじ子さんの声「はーい」
寅「オレだよ、寅だよ!
ふじ子「寅さん?」と玄関へ
ふじ子「どうしたの?
寅「旦那さん帰ってきたよ!
寅「いますぐ連れてくるからね!


           


寅、玄関を出て富永課長の背中を両手で掴み
寅「さ、行ってやれ
頷く富永さん。
寅「しっかり二人を抱いてやれ!
寅「ほら
と小さくささやいて手を離す。
歩いて行く富永さん。


          


じっと見つめている寅。


          


富永さんを見つめ、呆然と立っているふじ子さん。


          


泣きじゃくり、富永さんの胸を叩き続けるふじ子さん。

そしてしゃがんでしまう。



ふじ子のテーマ大きく流れて


          


富永「すまん…すまん

泣きじゃくるふじ子さん。

タケシ君玄関にやって来て「パパ!
タケシ君、富永さんの肩を揺らして
タケシ君「どこ行ってたんだよ!バカ!ママ泣いてたんだぞ!

ふじ子さんとタケシ君をヒシッと抱く富永さん。


富永さん自宅前 東谷田川土手

寅がゆっくり歩いている。


メインテーマが静かに流れる。


土手にしゃがんで、自分に「これでいいんだ」と言い聞かせている様子。


        




とらや  茶の間

みんな寅を待っている。
おばちゃん「遅いねえ、寅ちゃん
おいちゃん「上がりこんでごちそうになってるんじゃないか
博「いや、兄さんそんなことしないでしょ。きっと玄関で別れてますよ
おいちゃん「だったらとっくにかえって来なきゃおかしいじゃないか

さくら「帰ってこないと思うわ、お兄ちゃん


        


おばちゃん「どうして?

さくら「そのまま、旅に出るのだと思う

みんな「…」

電話が鳴る

リリリリン

さくら「もしもし、あー!お兄ちゃん。心配してたのよー。今どこ?
寅「常磐線の土浦駅だ
さくら「土浦
寅「オレ、このまま旅に出るからな、みんなによろしく言ってくれ
さくら「
寅「あ、課長さんと奥さんがくれぐれもよろしく言ってたよ
さくら「…そう」少し頷く。
寅「もう時間が無いんだ。じゃあ
さくら「もしもし!ちょっと待ってよ

寅「なんだ?

さくら「…よかったねお兄ちゃん

メインテーマがゆっくり流れる。


        


寅「あ、よかったよ」と静かに言う。

さくら「…ほっとした?

寅「…ん…ほっとした

さくら「そう…

        


茨城県 土浦駅前

電話ボックス 黄色電話

寅「それじゃお前元気でな、あばよ


        


強い風の中、襟を立てて駅へ向かう寅。

深い孤独が寅を襲う。


       




とらや 茶の間


博「どんな様子だった?

さくら「うん…晴れ晴れしたような声だしてた


         


博「そうか…

おばちゃん「なんだか可哀想だね」と涙ぐむ。

みんな心が沈んでいくのだった。


         



時は過ぎ…


とらや 台所  正月

あけみがまたもや亭主のことで別れてやるとぐずっている。

社長目の色変えてやって来て
社長「よし別れろ!もう止めないぞ!今すぐ別れちまえ!

あけみびびって
あけみ「いいよ、正月終わってからでェ!


        


ふじ子のテーマが流れる。


年賀状の中にふじ子さんからのハガキがある。

ハガキの差出人に「富永ふじ子」の記述。


        



ふじ子さんのナレーション


あけましておめでとうございます。

不思議なご縁で皆様とお知り合いになれたことを嬉しく存じております。


おかげさまで、主人は会社の特別な計らいで退職を免れ、
12月1日付けで土浦営業所勤務となりました。

仕事の忙しさは相変わらずですが、
以前と比べて主人は、私の身近にいる人のように思えるのです。

私たちは、毎晩と言っていいほど寅さんの噂話をしています。


寅さんは、今どこにいらっしゃるのでしょうか。

私は、寅さんと一緒にした旅を、きっと、一生忘れません。




        



カメラで母息子を撮る富永さん。

目が生き生きしている。

ふじ子さんも嬉しそう。


        






鹿児島



鹿児島県 吹上町 南薩線 伊作駅


        



寅とポンシュウがいつまで待っても汽車が来ない。

寅は待合室で寝転がっている。


ポンシュウはレールが取り外され、枕木だけになっている線路を見て大笑い。

ポンシュウ「なんだこりゃ!ハハハ!
寅「どうした?
ポンシュウ「ククク、ダメだ寅、こりゃいっくら待ったって汽車なんて来ねえよ、ハハハ
寅「そんなこたねえよ。線路はずっと繋がってんだから
ポンシュウ「それがねえんだよ!ハハハハ!見てみろよ


         

見てみる寅。

寅「ん?あーあーあーあー、


         


二人して大笑い。


寅「ダメだダメだこりゃ、いくら待ってもダメだ、ハハハ
寅「ようし、決めた、飛行機に切り替えよ飛行機に、な、ハハハ

ポンシュウ笑い続けている。


         



メインテーマが流れる中


レール無き枕木だけの線路を笑いながら
ヨタヨタ歩くふたりの背中が小さくなっていく。



        


伊作川の鉄橋をこわごわ渡るポンシュウ。寅は平気。

向こうには金峰山の美しい姿


いいねえ〜。


        


このシリーズでも出色のラストシーンだ。


あの風に吹かれていた背中が関敬六さんであり、渥美清さんだ。

彼らは生死の狭間を体験した本物の渡り鳥だった。


今、天国でお二人はどんな話をしているのだろうか。



終わり
       





来週は第35作「寅次郎恋愛塾」の超簡単ダイジェスト版です。



 


 










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寅次郎 さくら 名脇役たち タコ社長 満男 シリーズの流れ おいちゃん、おばちゃん 源ちゃん
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430

                          

『寅次郎な日々』バックナンバー    
       





430 『お兄ちゃんとの再会 長山藍子さん   


CS衛星劇場 『私の寅さん』その2




2010年2月15日 寅次郎な日々 その430



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。


CS衛星劇場『私の寅さん』長山藍子さんインタビューの後編です。

もちろんホスト役は私の寅仲間でもある映画評論家の佐藤利明さん。






【私の寅さん】 






                  





Louis Armstrong が歌う

『 What A Wonderful World 』 が流れる。



               



I see trees of green, red roses too
I see them bloom for me and you
And I think to myself, what a wonderful world


I see skies of blue and clouds of white
The bright blessed day, …




                 

  




      
My memories of torasan



             





長山藍子さん scene.2      (後編)


            






中略





佐藤「長山藍子さんがマドンナという形で望郷編にご出演されるんですね」




           



長山「事務所の者が長山は2週間しかないんですって言ってるんです。
   でも私は、先生がせっかく声をかけてくださったから全部2ヶ月開けたかったんですけど
   2週間しか出れなくて、でも先生は『わかった』っておっしゃってくださって、
   その後、シノップスが送られて来たんですが、それ見て、でんぐり返って笑っちゃって
   『先生素晴らしい!』って思ったんです。
    結局寅さんが、汗と油にまみれて労働する。あの運びが感動的だったです。

   テレビで死んでしまった寅さんでしたが、映画でまた始まった寅さんがほんとにまた
   みなさんに喜ばれて、そして私を呼んでくださって、寅さんがもう一度労働者として働こう!
   っていうようなことをお書きになったと思うと、そういう感動もあって。
   私の中で寅さん像っていうのがパーッと膨らんで凄く幸せだったんです。
   ですから『望郷編』っていうのはパーフェクトな、大好きな映画でした」



           



佐藤「『男はつらいよ』の要素がほんとに凝縮されていて、テレビシリーズで
   培われたものも含めそれからその後に展開される全ての要素がそこに詰まった作品ですよね」



  
中略




佐藤「それで、素晴らしいなと思うのは、そのお豆腐屋さんのお母さんが杉山とく子さん」

長山「そうなんです、おばちゃんですテレビでは」



          



佐藤「で、恋人役で井川比佐志さん」

長山「はい、井川さんはテレビでは博(博士)をやっていらした」



           

  

佐藤「ですから、もう一度ね、テレビのレギュラーメンバーが茶の間で揃う場面を
    山田監督が設定されたんですよね」
   

長山さん、深く感動している表情。

長山「すごいですね。私深く考えてなかったですが、お話伺っていて、
   そうなんですよねえ…」


中略


佐藤「節子さんが始めて登場する時に『寅さん、はいこれ、ハタンキョウ』って言って」

長山「そうなんです、フフフ」



映画の本編の該当場面が流れる。




佐藤「あのシーンが節子さんのキャラクターがスッと出てくるインパクトでした」



         



長山「最初リハーサルした時、『長山さん、これ、口の中に入れていただけませんか、食べましょう』
   っておっしゃって、『は!!』と思ったんだけど、『はい』って言って、フフ、でもおっきいですよね、
   何度もテストしましたから、何度も食べた気がします。大変でしたよ、それでセリフ言って
   大笑いするわけで。健康そのものの節ちゃん、でした」



         





佐藤「オキャンなね、長山藍子さんのさくらさんと、映画版の倍賞千恵子さんのさくらさんが
    そこで対面するわけですよね。」

長山「はい」

佐藤「あの、ファンとしてはね…、フフ、そこで口に含んで、ちょっと恥ずかしそうに
   ポケットに種を入れるという一連の芝居が…」

長山「そうです」



          





佐藤「今までテレビだったのが、今度は松竹大船撮影所に入られた。
   でも杉山さん、森川さん、渥美さん、というお馴染みの人たちでした」

長山「嬉しかったです。ほとんど全然違和感がなかったです」


佐藤「豆腐屋さんのセットで、葦を持って演技する場面があります」

長山「ありますね、あれは…渥美さんと映画でお会いしたのは久しぶりで、
   久しぶりだけど久しぶりの感じがしなくて、で、直しの時間に、ちょうど
   セットの葦かなんかがあったもんですから、渥美さんがこう…取って、
   『藍子なんとかで、こうだろ…』とかしゃべってて、それで私が『んん』とか
   言って、同じ葦でまたそういうことしていった、らしいんですよ。
   私は覚えてなかったんですけど、それを山田先生が後ろからご覧になってて、
   テスト行く時に『ちょっとその葦使ってみましょうか』私はわかりませんから『は?』
   って言ったんです。渥美さんはわかってらっしゃるから『あ、じゃ、これ』って。
   先生は二人が普通の私語をしていた時の様子をやっぱり見てらして、
   見つけられたんですね。さりげなくやっちゃいましたけど二人とも。
   よく見た方に印象的だったって言われますけれど。



           



本編のその場面が流れる。



中略


長山「渥美さんが障子から出てきて『おやすみなさい』って言って、
   また行くところがあるんですけど、そこも私たちは死ぬほど可笑しいのに、
   何度も何度もテストがあるんですよ。そういうのって瞬発力みたいなものが
   必要なんですよね。でも山田先生はどういうところだかわからないけれど
   『もう一回いきましょう』って…。



           



長山「それが見てて毎回可笑しいんです。でも、先生は、また、もう一回とおっしゃるんです。
   そしたら、渥美さんは、毎回ほんの微妙だけど違うふうに…。

   だからたくさん引き出しがあって…、だからその可笑しいっていうのが本当に可笑しくなる。
   毎回凄いテンションでなさってて凄いと思いました」



           





本編のその場面が流れる。   



中略



佐藤「第5作は完成したあと、どこでご覧になられましたか」

長山「渋谷のね、映画館で観たんです。そしたら、一番最初の方で旅館にいる寅さんが
   障子によっかかってこういう格好した時にもうお客さんが笑ったんです。
   コケル前にお客さんがもう笑ったんですね。「男はつらいよ」はテレビでやらせてもらって
   映画になってすっごいテンション上がってるなあって、
   『わあ凄い!寅さんがもうみんなの中にいるんだ!』って思っちゃって、
   この観ているお客さんの中に。
   それが凄い感動しました。もう凄く嬉しくって、凄く誇らしくって、なんか凄い素敵な…、
   なんともいえない…ものを創り出してる人たちの気持ち…、なんかそういうの感動しました。
   映画って言うのはライブなんですね。しみじみライブなんだなって」



           



佐藤「映画そのものも、お客様と一緒に観て笑って泣いて怒ったり、
    いろんなことを共有することで初めて完成するんですね」

長山「そうですね。山田先生も1作目は怖くてお家にいたっておっしゃっていましたけど、
   映画館に行ったら『こうなんだあー』ってやっぱり。それで続いていくっていう…。
   なんか、人の心に入ってくるものは何か、みたいなそんなことを教えてもらいました」



          



長山「…ですから、私は節ちゃんが悪い人…だとか、冷たいとかは、
   全然思っていないんです。
   ひとつの、寅さんっていう人が通っていく人生の、…寅さんを際立たせるための
   凄い素敵なエピソードだって思います。人みな、正直に生きているんだな…って」
   


          



長山「『望郷編』ではそういう全体の流れ、物語の重さみたいなものも凄く感動しましたが、
    やっぱり寅さんが最後に、海辺に行って、フフフ…、登と会って仁義きるっていう、
    やっぱりこれは凄いと思いました。感動しました」



         



佐藤「労働者に一度は目覚めて額に汗して働こうと思ったけれども
   寅さんの居場所というのは、また…ね、という、最後の仁義をきって、
   登がいてくれる世界があって…」

長山「居場所っていうより、『寅さんって人はそういう人なの』っていう…。そういうね、
   『そういう人なんですよ』って、ふっわかる。それでお客さんもそこでまたワー!って
   寅の経験した映画の中で一緒にお客さんもいろいろ経験して、
   そして『やっぱり寅さんだー!』って思って終わるっていうのが凄く感動的でした」



             
  やっぱり寅さんだー!
          



「望郷編」ラストの場面が流れる。






エンデイングの音楽

Louis Armstrong が歌う

『 What A Wonderful World 』 がゆっくり流れ始める。


佐藤「それから…もう、本当に長い時間が経っていますけれど、
    今でもこうしてね、衛星劇場で寅さんは毎月放送されていますし、
    DVDとか、また上映会などで、いろんなお客さんが、その当時生まれていなかった
    人たちまで、こう、夢中にさせてくれるっていうのはとても僕は素晴らしいことだって
    思うんです」

長山「すっごいことですね」


佐藤「今、こう『さくら』さん、『節子』さん、のお気持ちを伺ってまいりましたけれど、
   長山藍子さんにとって『男はつらいよ』っていう作品は、長い女優生活の中で
   どういった作品だと思われますか」



          



長山「そうですね、あの…、光の…、たとえばここに一つの石があったら、
    それは宝石じゃなくていいんです。その光のあり方、放射の仕方ってあると思うんです。
    あの、『男はつらいよ』っていうのは、なんかちょっと…こう…乱反射的な感じがするのに
    一つの凄く鋭い、こう…明るくて深い光をピューって放って私の心の中に残っているような、
    そういう…やっぱり『宝物』…ですね。



         





長山「そんな私は語れるような人じゃないんですけど、
    え…っと…渥美さんがやっぱり最後の48作目まで頑張っていらして、
    私はなんか…お兄ちゃんはずっと、永遠にこう…、

    (涙ぐみながら)



         



    私の中ではずっとテレビの『お兄ちゃん』があるので…、それと『望郷編』だけ
    出させていただいているんで言うんですけど…。

    しょうがないけど…とても体大事にしてらした方だし、
    今も…たとえば、『男はつらいよ』が撮れていなくても、
    こう…ベットでもいいから、
    今でもこれだけみんなに愛されているってことをね、
    見せてあげたいって…思うのと、
    


         
   


長山「ま、『見てるだろうなあ』って思おうと…フフフ…思います」


 
         







            



終わり







インタビューの最後の最後、
長山さんの渥美さんへの想いが溢れるような言葉は内容もさることながら、
あのテレビ版『さくら』さんから繋がっている長山さんならではの
大きな歴史を感じる涙そのものであり、声そのものだった。

倍賞千恵子さんでも三崎千恵子さんでもなく、長山藍子さんしか言えない
言葉というものがあるのだな…と、しみじみ感動した夜だった。




        











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           お気楽コラム   寅次郎な日々  
 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…





【号外】 ロケ地探訪

ついに発見! 神田神保町『大雅堂』



2010年2月5日 寅次郎な日々 その429



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。



昨日、長山藍子さんの後編を書こうと思ったら、思わぬことが起こったので『号外』として
ちょろっと書きます。




第17作「夕焼け小焼け」で印象的なシーンというのは名作ゆえにかなり多いが、
あの海坊主のような親父が生息する神田神保町の『大雅堂』での寅とのやり取りは
抱腹絶倒、大滝秀治さんここにありの名演技だった。



           
この表情が出来る人は大滝さんだけ。

          



で、問題は、『大雅堂』の場所である。

昔、学生の頃、しょっちゅう神田古本屋街をうろついていたのだが、
ああいう店があった気もするが思い出せない。第17作の本編完全版制作時も
調べようとは思っていたが、生来の怠け癖がある私は
結局まじめに調べることもなくうやむやのままに放置し、忘れかけていた。

で、昨日のこと、
月虎さんのSNSの中で、いつもお世話になっている寅仲間のRさんが、
あの店構えは以前現地で見たことがあるとおっしゃったのだ。
私は、ひょっとして今でもあの店構えは残っているかもしれないと思いはじめた。

もちろんインドネシアのバリからロケ地探しができるはずもない。
そこで昨夜、いつものように必殺技、グーグルのストリートビューで現場を
ぐるぐるまわることにした。


当然、まわる前にまずヒントを映画の中から探さねばならない。

本編の中で青観が「神保町交差点の近く」と寅に言っているが、
このあたりの発言はいつものとおりいい加減なので、
あまりあてにしてはいけないことは経験上わかっている。


幸いなことに寅が歩く横の大きな道は間違いなく『靖国通り』だ。

それと寅が歩く後ろに『スルガ台画廊』『○陽堂書店』と『○山書店』の名前が見える。
今でもあるかないかわからないが、それを手がかりにまず探してみる。


       




            





まず、スルガ台画廊は銀座本店は検索で出てくるが、
神保町店はとうの昔に閉店したのか引っかかってこない。残念。

今度は本屋さん。
神保町の古本屋街一覧で『○陽堂書店』を探すと
神保町2丁目の『山陽堂書店』が出てきた。



        



その近くをたどって行くと、
なんとなくショーウインドウが出っ張っている書店が見えてきた。
神田神保町2丁目5番地『古賀書店』だ。


       



↓の映画の大雅堂のショーウインドウと表がよく似ている。


       



隣の大きめの書店の白い外壁もそっくりだ。


       




ちなみに古賀書店は本来は音楽専門書店。戦前から続く老舗書店だ。
建物も同じく戦前から建つレトロなもの。絵にしたくなるくらい重厚で渋い。
この建物には映画本専門店で有名なあの矢口書店も横に入っている。



      




と、いうことは…古くからある文化財的な建物なので簡単にはいじれないはず。

しかし実際は外壁の柱部分が違う。



         




この、外壁柱部分が映画とは違うことがどうも腑に落ちない…。


これは場所が違うな…。長年の勘だ。





もう一度『○陽堂書店』に戻る。

神保町の古書店一覧で再度調べる。

するともうひとつあった!

神保町1丁目の『東陽堂書店』である。




       




ストリートビューで付近をまわると、東陽堂書店のすぐ近くに
『村山書店』という店がある。
上に書いたように、例の『○山書店』のことかもしれない。



           


そう思ってもう一度映画のチャプター静止画を見てみると、確かに
東陽堂書店の何軒か向こうの看板は『村山書店』と読むことができる。

       

       
と、いうことは…と、はしゃぐ心を落ち着かせて、
さらに大雅堂付近と思われるあたりをストリートビューでまわってみると
どこかで見たビルに貼りついた大きなレタリング文字…。八木書店?


       



ひょっとして大雅堂の隣のこのレタリングかも…。
外壁の色は変わっていたが、あの大きな店名の4文字レタリングは同じ。


     



ということは、『大雅堂』はその隣の店!か…。


ストリートビューで移動してみると、ちょっと道が曲がっている。
そういえば…映画もよく見ると曲がっているように見える。

ピンポイントでもっとしっかり見てみる。
うーん店構えがちょっと違って見える。店の前右部分にリニューアル工事がしてあり、
ちょっと店全体の印象が変わったようだ。


しかし、なにかショーウインドウガラス越しに絵が…。


     





ネットでもっと近寄った写真を探してみる。



   




完全に『赤富士』だ!!


映画でショーウインドウに飾ってあった『北斎の赤富士』!
そして映画の時に映ったショーウインドウの障子も健在!
   
 
   




店のショーウインドウの北斎の赤富士は
自然光にやられるのでたぶん複製かも…。


実は、『大雅堂』ロケに使われたこの店は
あの古地図、浮世絵などの古美術で有名な
神保町1丁目1番地の『大屋書房』だった。


    




そして問題となっていた外壁の石も映画当時と一緒!。

         



        
店の中は実はこうなっているので、
映画の店の中のシーンは大屋書房以外の店か大船セットかだろう。


       




と、いうことで、
表右側のあたりがちょっと変わってしまっていたが、Rさんのおっしゃるとおり、
あの赤富士が架かったショーウインドウも中の障子もまだ健在だった。

めでたしめでたし!(^^)


PS:そういえば、先日見たNHKの『ブラタモリ』であの店が紹介されていた。
   まさかあそこが『大雅堂』だったとは夢にも思わなかった。

映画姑獲鳥の夏 (うぶめのなつ)の古書店『京極堂』のモデルにもなったそうだ。




長山さんの衛星劇場「私の寅さん」後編は来週です。お待ちください。






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もう一人の『さくら』 長山藍子さんの感覚  前編



CS衛星劇場『私の寅さん 長山藍子さん』 ― 兄を恋人と思っていたさくら



2010年2月1日 寅次郎な日々 その428



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。


先日、「男はつらいよ」仲間の知人からCS衛星劇場の番組「私の寅さん」での
.『長山藍子さん』の映像をいただいた。

彼はもうそれは本物の寅さん好きで、長山藍子さんの回がとてもよかったのでわざわざ送ってくださったのだ。
こういう時は、持つべきものは仲間だなってやっぱり思う。

早速見てみると、番組中の長山さんのほとんど全ての話がまさに「珠玉」だった。

長山藍子さんしか言えない感覚が、包み隠さずほとばしっていたのがなんとも楽しく嬉しかった。
そしてそれぞれの言葉はもちろん、それと同時に長山さんの表情が豊かで才能に満ち溢れていた。
テレビ番組に感動したのは久しぶりだ。
いつも思うことだが、このCS衛星劇場の『私の寅さん』はほんとうにじっくり作りこんだいい番組だ。


それで今回、久しぶりに番組のエキスを紹介してみようと思う。


本来前編と後編に分かれる長いインタビューなので、
本日の前編はテレビ版、来週の後編は映画版の「男はつらいよ」に関する部分だけに絞って
紹介することをお許し願いたい。


もちろん、聞き手であるホスト役は、お馴染み、寅仲間の映画評論家、佐藤利明さん。


それではCS衛星劇場 「私の寅さん. 長山藍子さん」ダイジェストをお楽しみください。





【私の寅さん】 




       





Louis Armstrong が歌う

『 What A Wonderful World 』 が流れる。






女優 長山藍子




       







佐藤「長山さんと言えば『さくらさん』」

長山「はい」

佐藤「もう一人の『さくらさん』という言い方が正しいと思うんですが」

長山「……は」

佐藤「『男はつらいよ』の原点となったテレビ版でね」

長山「はい」

佐藤「さくらさんを演じてこられた方」

長山「はい」

佐藤「今日はね、たっぷりとその頃のお話も、お伺いできればと思います」

長山「はい、ずいぶん昔のことになりますね。フフフ、よろしくお願いします」



佐藤さんが「もう一人の『さくらさん』と言った方が正しい」と言われた時の、
長山さんの微妙な表情は彼女の複雑な心理状態を表していたように思う。
彼女は『二人のさくら』について色々思うことがあるのかもしれない…。






大きく中略






佐藤「このドラマ、それまでのね、いわゆるホームドラマとは本当に趣が違う…。今我々は
   どういう世界かは知った上で拝見してますけど、当時は視聴者も出演される方も、
   まずあの世界というのはまったく未体験なわけですよね」

長山「そうですねえ…」





        




佐藤「いかがでした、さくらさんを演じるにあたって」


長山「脚本を読ませていただいた時、まるでこう、ひとつの一編の小説を読むように緻密で
   ディテールがちゃんとこう…裏づけされていて、それでいて突拍子もなく面白い寅さんの
   シチュエーションがあって、吸い込まれるように読ませていただきました。はい。
   それでまた出演なさるそれぞれのポジションの方たちが、すごく、ちゃんとした立ち位置で
   いらっしゃるって印象を受けましたね」



        



佐藤「『おいちゃん』とか『おばちゃん』とか『お兄ちゃん』って言うふうな言い回しが…」


長山「最初の山田さんの脚本には『おじさん』で、『お兄さん』だったんです。
   それで書いておありになって、でもなんとなくみんな集まってやってるうちに
   最初のリハーサルで、なんとなく『お兄ちゃんって呼びたい。お兄ちゃんでいいかな』
   って、演出の小林俊一さんに伺ったり、山田さ先生もいらしてたんですけど…、
   そしたら渥美さんが、すぐ、『よお、おいちゃん』にしょうかな。で、おばちゃんになって。
   みんなが『ちゃん』ですっと寄っちゃったんですね。あの、最初にもう。


   それはもう渥美さんの感性がもうほんと凄く大きく、…あのなんていうのかな。
   山田先生の本は丸いんだけれども、ちゃんと四角い囲いがある、みたいなご本なんですね。
   で、渥美さんによって、その四角い囲いを飛び越えて丸さがあって、ちゃんと四角が中にあるって言うような
   そういう感じの作品になっていったのかな、って。




         
その四角い囲いを飛び越えて丸さがあって、ちゃんと四角が中にある

         





この長山さんの作品観は単純で抽象的だが、実に真実を言い切っている言葉だと感じ入った。見事だ。






   あと、小林俊一さんっていう監督、演出家が、あの、プロデュースさんもしていらしたんですけれども、
   凄く…、その世界っていうんですか、それを緻密に作られていかれました。




         




   
映画が一番先に走ってて、テレビは…って言われてたからなおさら逆にテレビドラマをちゃんと作ろう
   見たいな勢いのあった頃でしたので、大変現場は楽しかったです」



佐藤「舞台の脚本のようにしっかりとしたシナリオがあって、キャストが徹底的に本読みをしていく
   リハーサルを重ねていく…。それゆえ人間関係もより濃密に…」



   
長山「そうですね、一回目とか二回目、っていうよりも一回目からあっという間に、その寅さんととらやのみんなの
   濃密な世界ができちゃったっていう感じです。
   まあ26回も続いたわけですから毎週集まってお稽古するわけですから、それはもう深い繋がりみたいなものが
   できていました」

佐藤「やはり、この…渥美清さんを中心に、スタッフ、キャストが一丸となって行くって感じはありましたか?」

長山「一丸でもないですね。あの…、渥美さんって、映画の時もそうだったけれど、どっかいなくなっちゃって、
   『お兄ちゃんは?』って言うと、なんか、外に出て空を見てたり、どっか隅っこの方でしゃがんでたり、
   あの…、テレビの収録の時も、そんな風でしたよ。ただ、間では、凄いエネルギッシュですから、
   冗談言って、うんと笑わして…、芝居以外でもよく笑ってましたあ、もうほんとうに、フフ」




          




佐藤「テレビ版のさくらさんというのは、とてもオキャンというか、明るい…」

長山「ええ、まったく影をしょってない感じ…、ですね。ですから、私の印象としては、…
   あの、…憂いはあるんだけれど、つまりお兄ちゃんに対する心配とか、そういうのはあるんだけれど
   基本的には凄く明るくって、

   で…お兄ちゃんのことは、私自身のさくらは、ん…恋人と思っていました。
   あの…テレビは結婚してないんですよね」


佐藤「ずっと車さくらさんですよね」

長山「だから、こう…、さくらちゃんが、母性、お兄ちゃんにとって母みたいな、お兄ちゃんに母性を感じるような…、
    またそうなんですよ、寅さんが。それとちょっと…愛してるっていう…愛するってことが…母性と兄妹愛と、
    それからちょっと恋人みたいな…。そういうような感覚で…やってたようなそんな感覚がするんです。

   


           
         



この発言はある意味私にとっては意外ではなかった。
テレビ版「男はつらいよ」での長山さんを見ていると、寅を「恋人とも思っていた」ことが
よくわかる微妙な演技だったからだ。

倍賞さんの『さくら』は母性は大いに存在するが、この『恋人』の要素もないわけではない。
しかし、やはり長山さんに比べて薄いようだ。

長山さんは『母性』と『恋人』の天秤のバランスが『恋人』にやや傾き、
倍賞さんは『母性』にやや傾いていった気がする。




佐藤「今は残念なことに第一話と最終回しか残っていないんですけど、
   長山さんが覚えていらっしゃる当時の現場のことなどは?」

長山「そうですねえ…、とにかく仲良かったから、ワーッって言う間にいろんなことが通り過ぎたような気がするんですけど、
   山田先生がよくね、現場にもいらっしてくださって、それからみんなでお寿司食べに行ったり、
   収録以外でもみんなで楽しく過ごしたこととか、

   …あの、森川さんがほんとに…、映画のほうでもおいちゃんやってらして、
   素敵だったんですけど、フフフ…、とらやのお茶の間があって、キャメラがいっぱいスタジオに並んでて、
   ある日突然、すっごく大きな本当に大きな字で、真っ白い紙がスタジオの壁いっぱいに貼られたんです。
   それで、フフフ、『あれ、なあに?』って…、私なんかまだほんとにその経験が薄いですから…。
   そしたら、おいちゃんのセリフが全部書いてあったんですね。ね。それで『見ながらできるのかなァ〜』なんて
   思いますよね。で、やってて『おまえそこ邪魔なんだよ』なんておっしゃりながら、やってんですけれど、フフフ、
   繋がってみると、読んでるなんて思えないような、あれは一つの魔法を見たような感じでした。
   森川さんは全部『おいちゃん』でしかなくて、読んでらっしゃるなんて全然。渥美さんもみんなも笑いながら
   ほんとうに楽しく撮影が進んでいったことを思い出します」

  



           



長山「そうですね…。それで、最終話の26話に近い24話くらいの時に、やっぱり山田先生がいらして、
   あのー…静かに…『寅さんは死にますよ』と、おっしゃったんですね。で『え!!』って言って、
   『なんでー!』とか私言って…、小さい声でおっしゃったんです。
   『奄美大島でハブに噛まれて死ぬんです』っておっしゃって、
   『んんん、何で死ぬんですか!?何で死ななきゃいけないんですか!?』って言って、
   だからその時のお稽古場は最終回でもないのに、もう蛾次郎さんなんか泣いちゃってできなくなっちゃったです」


佐藤「その時の長山さんは、さくらそのものだったんですね、気持ちも」


長山「ん…、さくら…もあるし、私個人としても、こんなにね優しくって、思いやりがあって…、
   そりゃすごいヤクザかもしれないけど、ちょいとヤクザかもしれないけど、こんなに人間らしい人が、
   死んじゃうなんて、って思ったんですよね。お兄ちゃん、寅さんのことをね」


当時のキャストたちがいかに車寅次郎に対して
役者を越えて強い思い入れを持って寄り添っていたかがよくわかるエピソードだ。




佐藤「そのようにいろんなエピソードがあったと思うんですけど、僕が印象的だったと思うのは、
   あの…僕らは数少ない台本を拝見するしかないんですけど、お正月に放送された回(第14話)で、
   あの、散歩先生」

長山「はい」


佐藤「東野栄治郎さん、のお宅にみんなで…」

佐藤、長山「集まって、フフ」

佐藤「レギュラー全員がね、おいちゃん、おばちゃん、冬子さん、佐藤オリエさん、」

長山「オリエちゃん、はい」

佐藤「登君、」

長山「はい」

佐藤「みんながあつまって、こう…幸せについて、恋愛論についてこう…、語り合うという回があったと思うんですが。
   あの回なんかは、山田監督のね、寅さんを見つめる優しさだったり、家族の寅さんに対する愛情、冬子さんの思い、
   などがきちっと描かれています。
   そして、さきほどその台本を読んでいただいたんですけれど」

   

長山「はい。そうですねえ…」

と、再び佐藤さんから14話の台本を渡され、読み始める長山さん。

長山「散歩先生が、『人間誰しも愚かしさを備えとるもんだ。それゆえにまた人間でもある。どこが悪いか』
   寅が、『なるほど、そうかわかった」 散歩先生が、『なんだ』 寅が、『早い話がよ、人間はバカだってこと。
   これが本日の結論。ね、先生』 散歩先生が、『そうそう』 冬子、さくらたち笑い出す。
   この前が面白いんですけどね。フフ 、まあそれで、寅が『さくらだってバカ。そのバカの親分、お兄ちゃんのことも
   バカ』 そう言って、そしたら『竜造がひょいと顔を上げ、よだれをすすりながら、わけがわからない…』
   まあ、寝てたんですよね」

佐藤「おいちゃんですね」

長山「ええ、おいちゃんが『そう、バカヤロウだ」って言ったので、一同どっと笑う。寅、『自分で説明した。
   おばちゃんもバカ。オレや登はもちろんバカ。先生だってバカ。な、ここにいるみーんなバカだって』
   そしたらさくらが、『なにがみんなよ』って言って、『冬子さんはどうなるの?』って言うんですよね、フフフ。
   冬子さんは、寅さんの本当に想い恋焦がれているマドンナですからね。マドンナの始まり。
   で、寅が、しまったっていう顔して、寅、『お嬢さんか…、お嬢さんは…お利巧』(↓ポーズ)
   って言うんでしょうね、フフ、きっとフフフちょっとわかんないけど、フフフ」

   

             
     お嬢さんは…お利巧

        




長山「そしたら、散歩先生が、『バカモノ』って言って、そしてみんなが笑って、そしたら冬子が真剣な顔になってうつむいて。
   で、寅が赤くなって、バレちゃったか、こりゃまずいな。と、いうようなことがあって、ま、逃げ出すっていう…。
   寅さんが全部出てるし、みんなが出てるでしょ、このシーン、抜粋なさってくださったけど、好きですこのシーン」


佐藤「一幕もので、しかも、それが最後にさくらのナレーションで、
   僕はここが一番たまらないんですけど、最後のここです」

と台本の箇所を指差す佐藤さん。

長山さん、微笑みながら

長山「読みましょうか、フフ」

佐藤「この、一行を」



エンディングの音楽
Louis Armstrong 
が歌う
『 What A Wonderful World 』 
が静かに流れ始める。




長山「さくらの声 『あれは兄と過ごした初めての、そしてただ一度きりの正月の夜のことでした』



佐藤「このドラマは必ず『さくらのナレーション』でね、こう、始まって、さくらのナレーションで終わる、という
   45分のドラマですけど、これね、実は寅さん、お正月映画の顔としてこのあと映画がずっと48作まで
   作られていくんですけど」

長山「映画ね、はい」

佐藤「その48作のどの作品でも、寅さんはお正月は柴又にはいないんです」

長山「いないの?」

佐藤「一度もいないんです」

長山「やっぱりいないの」

佐藤「ということは、寅さんと唯一お正月を過ごされたのが」

長山「みんな。テレビのみんな」

佐藤「そうなんです。テレビのみなさんなんです」

長山「うわー…、ん、…凄い。山田先生、もう徹底してらっしゃる」

佐藤「昭和44年の、お正月」

長山さん、感慨深く何度も頷く。

佐藤「の…放送だったんです」


長山「想いがね…」


大きく頷く佐藤さん。


長山「ん…、じゃ幸せだったんだんですね…私…」


佐藤「もちろんその段階では、映画が作られることは誰も想定してませんし、
   山田監督もまだ考えておられなかったかもしれないですが、そのシナリオ、その演出、その演技が
   あるから、視聴者の心を掴んで続いていくわけですね」


長山「そうですね、先生が、寅さんは任侠の世界に生きているから死んだ方がいいんだよっておっしゃった時、
   私にはわからなかったから、…っていうより、悲しくて受け入られなかったのかな…。
   先生のおっしゃることは『そうか』と思ったけど、悲しくて受け入られなかったから、
   映画で寅さんが復活した時はとてもうれしかったですね」






         





前編  終わり





あの、第14話の最後のナレーションを再現される長山藍子さんの声を
私はいつまでも忘れないだろう。

長山さんがいかにこのテレビドラマを愛していらっしゃったかが
強く伝わってくる言葉と表情の数々だった。

「じゃ幸せだったんだんですね…私…」とおっしゃった長山さんに、
私までもなんだかちょっと救われた気持ちになった。






来週は『長山藍子さん』の後編のエキスを紹介しましょう。

後編は映画版「第5作『望郷編』を中心に語られます。





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なぜか江戸幕末に詳しい寅



2010年1月28日 寅次郎な日々 その427



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。


そろそろ、滞在も落ち着いてきたので、絵画制作と染織デザインの合間に
昨日から第24作「春の夢」の本編完全版作業を進めている。

ちょうど寅が紀州から帰ってきて、アメリカ嫌いをおいちゃんたちにぶちまけるシーンを
DVDで見ていたが、意外と寅は江戸幕末のことは物知りなのである。

なぜだかわからないが、日本が鎖国を止め、開国をせざるを得なくなった理由を知っているのである。



 寅「どうして日本とアメリカが仲良くしなきゃいけないんだ!?いいかあ、
 あの黒船が浦賀の沖へ来て、徳川三百年天下太平の夢が破られて以来!日本人は
 ずーっと不幸せなんだぞ!それもこっちが頼み込んだんじゃないんだ。向こうからいきなり
 来たんだ勝手に。大きな大砲で脅かして、無理やり仲良くしようってんだい、そんなバカな話があるか?」


 確かに。あの当時日米和親条約についで結ばれた日米修好通商条約は
 「関税自主権を行使させない」ことや「治外法権などを認めさせる」などの全くの不平等条約だった。

 しかし寅って意外に幕末の歴史把握してるんだね。




                  



 社長「
はあ…、つまりその…寅さんは尊王攘夷のほう…社長言うねえ…なかなか言えないよその言葉(^^;)

 寅「あたりめえだよォ!
 おいちゃん、おろおろしながら
 おいちゃん「いやいや、あのな、たとえそんなことがあったにしても、不幸な過去は水に流してさァ…

 寅「流せない、流せませんよ。いままであいつらに日本人がどれほど酷い目にあったかァ、えー、
 
唐人お吉、ジャがタラお春、蝶々夫人、ほら、枚挙にいとまがない、なァ」



                  



さて、寅はどうしてこんなに江戸幕末の歴史を知っているのか。

少年期に講談を聞いたのか、少年用赤本(講談本)を読んだのか。
紙芝居かなんかで新撰組かなんかがやってたのか。
それとも啖呵バイの中で黒船騒動が出てくるのか。

で、思うに寅はやはり赤本といわれる少年用講談本でチャンバラを好んで読んだのではないだろうか。
寅のチャンバラ好きは第15作「相合い傘」や第17作「夕焼け小焼け」で垣間見ることができる。
その中に『新撰組』とか『鞍馬天狗』とかが登場し、その背景としてメリケン(アメリカ)の黒船が
出てきたりしたのかもしれない。

物語が面白くできているので、そういう歴史的なものも寅少年の記憶にスッと入っていったのかもしれない。


ところで、この江戸幕末当時、列強諸国の餌食になってもおかしくなかった日本がなぜ、
奇跡的に明治維新を独立を保ったまま迎え、進めることができたのか…。
これはいくつもの偶然と必然の条件が重なって成しえたことなのだが、

またそのことは本編完全版で述べてみる。







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【 寅次郎な日々 】カテゴリー別バックナンバー【2005年11月〜2009年11月14日までの分】
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長旅から帰って来た人には…。



2010年1月21日 寅次郎な日々 その426



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。


バンコクに一週間滞在し、常夏のバリ島に昨日帰ってきた。
厳寒の北陸との気温差は25℃近くにもなる。

それにしても昨年秋から義父の死に直面したこともあっていろいろきつかった。

11月から12月まで一度バリに戻ったが、今度はまさかのアグンライの父親の死の知らせを受けてしまった。

納骨を控えて、少しあわただしくバリ滞在を過ごしていった。
その後年末にもう一度日本に納骨のため一時帰国し…、
ようやく今、じっくり腰を落ち着けて3ヶ月間絵を描き、ものを作ろうと思っている。

精神的にもきつかったこの数ヶ月だったが、
アグンライの家族が、留守宅を毎日しっかり守ってくれていたので助かった。
屋根の修理、門の修理、垣根の修理、草刈、猫のえさなどを全部やってくれていた。

バリに住みはじめて今年で20年目を迎えるが、いろいろな人との人間関係が年月と共に深まってきているので
留守の日々が長くとも自宅も仕事もさほど心配が要らなくなってきている。

特に長旅から戻った当日は心身ともに疲れているので、
しっかり敷地も部屋もきれいにしてスタンバイしてくれていると本当に助かるのだ。




         







第12作「私の寅さん」で留守番をする寅が、九州旅行から帰ってくるさくらたちを心を込めて迎えてやるが、
ああいうやり取りは実に心温まるものだ。

寅は旅人なので、誰よりも旅の心労は骨身にしみているのだ。





寅「あーあ、久しぶりの長旅から帰ってきて家の中が
 カッ散らかってると気分が悪いからなー、なあ、社長」


寅「いずれそのうちにその入り口からおいちゃん、
 おばちゃん、さくらがよ、
 こんな大きな荷物を抱えて、
 あーあー、くたびれたくたびれた、
 家が一番いいよー、
 なんて言って帰ってくるんだよねー」




          



寅「そのときの、この迎える言葉ってのが大切だな。
 『あ、お帰り疲れたろう?さあ、上がって上がって』ねー!

 熱い番茶に、ちょっと厚めに切った羊羹のひとつも添えて出す。

 ホッと一息いれたところで、
 『風呂が沸いてますよ』っと手を差し出す。



          




 長旅の疲れを、すっと落とす。出てくる。

 心のこもった昼飯が待っている。ねー!
 温かいご飯!しゃけの切り身 山盛りのお新香 
 『どうだい、旅は楽しかったかい…?』
 たとえこれがつまらない話でも『面白いねー』って
 聞いてやらなきゃいけない。

 長旅をしてきた人は
 優しくむかえてやらなきゃナー…」



          




なんともいいアリアだね。名場面だ。









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新年のご挨拶  寅次郎と雪のバス停



2010年1月2日 寅次郎な日々 その425



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。


新年 あけましておめでとうございます。

皆様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。
旧年中は思い起こせば更新が一昨年同様
遅れ続けることの数々、
今はただ、後悔と反省の日々を過ごしつつ
皆様の幸せをお祈りしております。

義父の納骨があり、喪中であることは承知しておりますが、
みなさまの日ごろのお励ましに感謝いたしまして
あえて新年のご挨拶をいたしましたしだいです。


なお、わたくし事ではありますが、
絵画をはじめ、日記、男はつらいよ覚え書ノートなど、
相変わらず稚拙で、ダラダラした無教養な内容ではありますが、
私のかけがえのない作品でありますれば、今後とも
くれぐれもお引き立ての程、よろしくお願い申し上げます。


雪の剣岳が見える丘にて


2010年 正月

吉川孝昭 拝





寅年だと言うことで、息子がさきほど雪のバス停で転寝する寅『寅次郎と雪のバス停』を描いてくれた。
この寒空のした、彼は今どんな夢を見ているのだろうか…。




    
    RYOTARO 作画  寅次郎と雪のバス停  2010年1月2日

    




寅とさくら 兄妹の青春  イメージボード3枚 


2009年12月28日 寅次郎な日々 その424



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。



ようやく市川準監督の『トキワ荘の青春』DVDを手に入れた。

私は市川準監督の作品はほとんど見ているが、その中でもこの「トキワ荘の青春」が一番好きだ。

巷では市川準監督と言えば「BU・SU」「病院で死ぬということ」「東京兄妹」「東京夜曲」などが評価されているようで、
青春の輝きと挫折をひそやかに描いたこの「トキワ荘の青春」は過去も今もほとんど注目されていない。

市川準監督作品の中では埋もれがちなこのはてしなく静かでメリハリのないのっぺりした作品を
VHSでここ十年以上何十回と見てきた。私にとっては何物にも変えがたい物作りの真実がそこにあったからだ。

で、今回ようやくVAPさんからDVDが出たのだ。

おまけに当時の『メイキング映像』もたっぷり見ることができる!


どんな人にも、グループにも黎明期はあり、青春期もある。
みんな生き方が下手でぶざまではあるが、その年齢、その時代でしか感じられない真実を抱えている。
人生の夜明け前とは実に切なく甘く哀しいものである。





        






その昔…、
あの寅とさくらにも、「男はつらいよ」以前の蜜月期や黎明期はもちろん存在したはずだ。

シリーズの本編では黎明期のさくらと寅の再現フィルムは、
第39作「寅次郎物語」での江戸川土手の別れの夢を除いては一切出てこないが、
二人の強い繋がりがうかがえる言葉での回想は何度かある。


今回私が選んだ寅とさくら幼少期の3つの名場面↓。

これを息子に頼んでちょろちょろっと早描きで3枚描いてもらった。
どうぞそれぞれのイメージボードをお楽しみください。




■第1作 さくらの結婚披露宴で御前様が回想する寅とさくらのエピソード。


御前様「兄さんの寅次郎君と違って、さくらさんは
     子供の頃から実におとなしい、心の優しい子供だった。

     兄さんの寅次郎君が父親に叱られて
     外で泣いていると、自分もそばにいって、
     しくしく泣いている。そんな優しい子だった




なにげない小さなエピソードだが、さくらと寅の繋がりをよく表した言葉だと思う。
さすが御前様、見る目が鋭い。





           

              RYOTARO 作画  寅次郎とさくら 幼き日々






■第6作「純情篇」 寅が柴又駅ホームで回想する幼きさくらとの別れも、
  当時の二人の繋がりの深さを鮮やかに浮かび上がらせてくれる。





寅「さくら、…覚えてるかい、
  この駅でよ。

 
オレが16の時に親父と
  喧嘩して家出したら…



さくら「そうね…確かにね、
   なんだかお兄ちゃんと
   別れるのが辛くてどこまでも
   追っかけてったんじゃない?私」


寅「そぉよ、追っ払っても、追っ払ってもよ、
  え、おまえ泣きべそかいてよちよちくっついてくるんだろう、
  オレ困ちゃったよ。
  でも、そこの改札のところまで来たらあきらめてよ、
  これ餞別よってオレに渡しておまえ帰ってったろ。

  電車乗ってそれ開けてみたらよぉ、
  こんな真っ赤なおはじきが入ってやがんのオレ笑っちゃったよ。」



ああ…、なんとかこの幼き日の別離を映画にしてほしい…。





          

           RYOTARO 作画  寅次郎とさくら 別れの赤いおはじき






■第38作「知床慕情」でのオープニングで、
 寅によって家族での花見の回想が語られるが、この回想も映像が浮かび上がる
 これもまた懐かしく美しい二人の思い出である。



 
『毎年春になると両親に連れられ、
 妹さくらの手を引いて、
 花見見物に出かける時の
 あのわくわくする楽しい気持ちを 今でもまざまざと思い出します』



 少年期の寅の生活が偲ばれる貴重な証言だ。
 寅は育ての親であるさくらのお母さんに大切に育てられたのが、この言葉の中からも分かる。
 寅の少年期は私たちが思っているよりも幸せだったのかもしれない。




          

          
RYOTARO 作画  寅次郎とさくら 花吹雪






ああ…、さくらと寅の少年少女時代を少しでいいから垣間見たいと
十年以上前からずっと願っている。

山田監督どうでしょうか?脚本だけでも書いてくださらないでしょうか…。








「寅次郎な日々」全バックナンバーはこちらから          


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寅とさくら 兄妹の青春  イメージボード3枚 


2009年12月28日 寅次郎な日々 その424



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。



ようやく市川準監督の『トキワ荘の青春』DVDを手に入れた。

私は市川準監督の作品はほとんど見ているが、その中でもこの「トキワ荘の青春」が一番好きだ。

巷では市川準監督と言えば「BU・SU」「病院で死ぬということ」「東京兄妹」「東京夜曲」などが評価されているようで、
青春の輝きと挫折をひそやかに描いたこの「トキワ荘の青春」は過去も今もほとんど注目されていない。

市川準監督作品の中では埋もれがちなこのはてしなく静かでメリハリのないのっぺりした作品を
VHSでここ十年以上何十回と見てきた。私にとっては何物にも変えがたい物作りの真実がそこにあったからだ。

で、今回ようやくVAPさんからDVDが出たのだ。

おまけに当時の『メイキング映像』もたっぷり見ることができる!


どんな人にも、グループにも黎明期はあり、青春期もある。
みんな生き方が下手でぶざまではあるが、その年齢、その時代でしか感じられない真実を抱えている。
人生の夜明け前とは実に切なく甘く哀しいものである。





        






その昔…、
あの寅とさくらにも、「男はつらいよ」以前の蜜月期や黎明期はもちろん存在したはずだ。

シリーズの本編では黎明期のさくらと寅の再現フィルムは、
第39作「寅次郎物語」での江戸川土手の別れの夢を除いては一切出てこないが、
二人の強い繋がりがうかがえる言葉での回想は何度かある。


今回私が選んだ寅とさくら幼少期の3つの名場面↓。

これを息子に頼んでちょろちょろっと早描きで3枚描いてもらった。
どうぞそれぞれのイメージボードをお楽しみください。




■第1作 さくらの結婚披露宴で御前様が回想する寅とさくらのエピソード。


御前様「兄さんの寅次郎君と違って、さくらさんは
     子供の頃から実におとなしい、心の優しい子供だった。

     兄さんの寅次郎君が父親に叱られて
     外で泣いていると、自分もそばにいって、
     しくしく泣いている。そんな優しい子だった




なにげない小さなエピソードだが、さくらと寅の繋がりをよく表した言葉だと思う。
さすが御前様、見る目が鋭い。





           

              RYOTARO 作画  寅次郎とさくら 幼き日々






■第6作「純情篇」 寅が柴又駅ホームで回想する幼きさくらとの別れも、
  当時の二人の繋がりの深さを鮮やかに浮かび上がらせてくれる。





寅「さくら、…覚えてるかい、
  この駅でよ。

 
オレが16の時に親父と
  喧嘩して家出したら…



さくら「そうね…確かにね、
   なんだかお兄ちゃんと
   別れるのが辛くてどこまでも
   追っかけてったんじゃない?私」


寅「そぉよ、追っ払っても、追っ払ってもよ、
  え、おまえ泣きべそかいてよちよちくっついてくるんだろう、
  オレ困ちゃったよ。
  でも、そこの改札のところまで来たらあきらめてよ、
  これ餞別よってオレに渡しておまえ帰ってったろ。

  電車乗ってそれ開けてみたらよぉ、
  こんな真っ赤なおはじきが入ってやがんのオレ笑っちゃったよ。」



ああ…、なんとかこの幼き日の別離を映画にしてほしい…。





          

           RYOTARO 作画  寅次郎とさくら 別れの赤いおはじき






■第38作「知床慕情」でのオープニングで、
 寅によって家族での花見の回想が語られるが、この回想も映像が浮かび上がる
 これもまた懐かしく美しい二人の思い出である。



 
『毎年春になると両親に連れられ、
 妹さくらの手を引いて、
 花見見物に出かける時の
 あのわくわくする楽しい気持ちを 今でもまざまざと思い出します』



 少年期の寅の生活が偲ばれる貴重な証言だ。
 寅は育ての親であるさくらのお母さんに大切に育てられたのが、この言葉の中からも分かる。
 寅の少年期は私たちが思っているよりも幸せだったのかもしれない。




          

          
RYOTARO 作画  寅次郎とさくら 花吹雪






ああ…、さくらと寅の少年少女時代を少しでいいから垣間見たいと
十年以上前からずっと願っている。

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男はつらいよの中の雪景色


2009年12月18日 寅次郎な日々 その423



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。



義父の納骨が終わったあとも連れ合いの実家で事務処理のためしばらく寝泊りしている。

富山は昨晩から異常な冷え込みが始まり、寝る前に『雪起こし』の雷が鳴りまくる。
ああ。。。これは来るな…。
と思ったら、朝起きて寝室の二階から窓の外をみるとやはり下の写真のごとく雪景色が広がっていた!
私にとっては15年ぶりの雪景色である。
息子も5歳のころに雪だるまを作ったかすかな思い出が蘇ったようだった。


まさに「枕草子」のとおり、

冬は つとめて。 雪の降りたるはいふべきにもあらず』 だ。




         






亡き義父が育て、秋に干し柿として取った柿の木(左)もすっかり今日で雪化粧(右)。


     
       







雪の中、お昼に用事のため車で神通川付近を通ったその時に、雲がサーッと切れて青空が見えた!
雪と青空との見事なコントラストに、思わずカメラを向けていた。



       






そういえば『男はつらいよ』でも雪景色が何度か出てくる。

ロケで思い出すところでは、第7作「奮闘篇」のオープニング、第18作「純情詩集」のラストなどである。




         





         







しかし正月映画と言えども、そうそう頻繁には雪は出てこない。
あたりまえである。冬作品は放映は正月でもロケ撮影は秋から晩秋なので
当然雪はほとんど間に合わないのである。
それゆえ時々はスタジオでのセット雪景色となる。


とは言え、とらやの雪景色はそれはそれでなかなかの風情なのだ。
スタッフが心を込めて丁寧に作りこんでいるのでなんともいえない趣があり、
いつまでも心に残るシーンとなっている。


セットの雪景色で印象深かったのが第20作「寅次郎頑張れ!」と第24作「寅次郎春の夢」でのとらやの雪景色だ。

なんと言っても私が一番好きなのが第20作「寅次郎頑張れ!」の雪景色。




美しい幸子のテーマ曲がしっとりと流れる中、


寅が去り…

そして正月元旦


さくらが幸子ちゃんからの年賀状を読む。

なんと障子ガラスの向こうは雪景色…
          
     
      
       




米倉さん演じる柴又参道のおまわりさんが故郷長万部から戻って来てみんなと挨拶をしている。


ちょっとしばらくして

庭で満男が雪遊びをしに行く。

おいちゃんの盆栽も雪がかぶって…



しっとりとした幸子のテーマ曲が流れる中、庭で雪を丸めて遊ぶ満男。

窓から見守るさくら。



         






いたずらっ子の満男はさくらに雪を投げつける。

微笑むさくら。


       





そしてその頃寅は…
正月日本晴れの中、
あの懐かしい『坂東鶴八郎一座』とまた巡り逢うのである。


       



今日の富山の雪景色を見て凍えながら息子がしみじみこう言った。

「この雪景色が長く続くから、あの春の桜がきれいに見えるんだねきっと」


かつて、いつも常夏の国から日本の春にやって来て肌寒い思いで桜を見ていた息子が
今回初めて実感した彼なりの新しい感覚だった。


冬の次に春が来る。雪が解けて春になる。


          



追記 12月18日午後は↓のように雪が降り続き、夕方にはかなりの積雪量になって行った。



          











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義母も使っていた「脳天ファイラー」


2009年12月10日 寅次郎な日々 その422



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。

さきほど、鳩山首相がこのバリ島に到着したらしい。
なにやらアジア諸国の民主主義の推進のための会議だとか…『バリ民主主義フォーラム』と言う。
ユドヨノ大統領と鳩山首相が共同議長を務めるということ。
ユドヨノさんにとっては鳩山さんの多額の円借款もおいしいところなんだろう。

巷では山田監督は、「おとうと」だけでなく、現在、小津監督の「麦秋」を舞台化しようともしている…。
これもちょっと興味あるなあ…。
ちなみに映画「おとうと」は1月30日公開。その頃はバリにいる。ああ残念…。


で、現在の私の方は、ようやくバリ滞在も3週間が経ったと思ったら、日本への一時帰国が迫ってきた。
前にも書いたとおり、義父の四十九日の納骨ために家族で一ヶ月ほど富山に帰るのだ。


それでも、先日、第24作「寅次郎春の夢」の本編完全版をようやくスタートした。

その作業中に思い出したのだが、劇中、マイケルが寅に騙され紀州梅干を3つも口に入れられ
怒り心頭で寅を追いかける時、おばちゃんが寅を指して
「ノーテン.ファイラー ノーテンファイラー」と叫ぶシーンがある。

私は当初、「ファイラー」とは『FAILURE』、つまりFAIL(不足する、衰弱する、なくなる)の名詞形で
「不足、欠乏、不全、衰弱、失敗者」と言う意味だと思っていた。ノーテンはもちろん脳天。
つまり脳天が欠乏…(^^;)…と思っていた。

その後、私の知人の寅さんファンであるSさんがアイデアを下さり、
「ノーテン.ファイヤー(脳天爆発炎上)」のほうがおばちゃんらしくて面白いしと言われた。
確かに「ファイヤー」なら、おばちゃんでも言葉を知ってるだろうし、あのおばちゃんの
手を上げたアクションにぴったりだ。なるほど、さすがSさんだと納得していたら、

今度は、「男はつらいよ」をこよなく愛するNさんが、いやいや、そうではない。

おばちゃんの言った「ノーテン.ファイラー」は、英語ではなく
中国語の
脳天壊了(nao tian huai le)
だと、きっぱりおっしゃった。
「ファイラ」とは中国語で「壊れた」の意味であり「壊了」と書くらしい。
 
私は驚き、ちょっと、いろいろその後調べてみたら、
おっしゃるとおり戦前の大陸に渡った方々や軍隊などで使っていた言葉のようなのだ。
 
当時の大陸での「
兵隊中国語」と、言うそうだ。
 
シナリオでは「ノーテン.ファィラーね、ノーテン.ファィラー」となっているので、それだけではわかりかねるが
おばちゃんの年齢を考えると英語よりも、Nさんの仰るように
中国から来た兵隊言葉としての脳天壊了のほうが説得力があるようだ。

それではなぜ英語しかわからないアメリカ人のマイケルに言っちゃったかが疑問がとても残るところだが、
あわてたおばちゃんがとりあえず「
外国の言葉」として若い頃流行っていた
大陸での兵隊言葉が出ちゃった可能性はある。


そして、そうこうしているうちに月日は流れていった。

で、今年11月、義父の葬式のため、連れ合いの実家に2週間ほど宿泊した際、
なにかの話の際に、なんと義母が「それはノーテン.ファイラーだね」と笑いながら言ったのだ。

私は心の中で「おおお!この言葉だ!」と、思い、さっそくその意味を聞いてみると、
「ちょっと間抜け」「オバカさん」というような時に使うようだ。
彼女が言うぶんには、随分若い時から年上の人たちがすでに使っていたらしい。
そして実際その言葉が何語かも、その由来も、彼女は全く知らないらしい((^^;)
ただ、なんとなく大陸からの言葉だということはみんなわかっていたということ。

まあ、なんにしても、私が思っている以上に戦前もしくは戦中からこの兵隊中国語の類は
日本全国にすでに広がり、大人も子供も頻繁に使っていたことは間違いないようだ。

これでようやくすっきりしました(^^)





          脳天.ファィラー 脳天.ファィラーね

       




数日後に日本に義父の納骨のため一時帰国します。15年ぶりの日本での正月です




追記: 本日12月14日、義父の納骨の儀が行われ、無事お墓に収めることが出来た。

それと、「.ノーテン.ファイラー」に関する新情報を
お仕事で中国河北省秦皇島市4年在住のGさんが教えてくださった。

『ノーテン』は「脳天」でなく
「脳袋」(ナオタイ)だそうです。

脳袋壊了(ナオタイ・ファイラ)



これでようやく完璧だ(^^)/









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新郎の名前を呼び間違えた夏子さん



2009年11月30日 寅次郎な日々 その421



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。



先日いつもお世話になっている寅さんファンのT. Sさんから面白いメールを頂いた。
T.Sさんは毎回面白い発見をしてはメールで知らせてくださり、私を唸らせてくれるのだ。

今回の内容は坪内夏子さんとその新郎さんのことだ。

佐藤オリエさん扮する坪内夏子さんは、テレビ版「男はつらいよ」からの寅のマドンナだ。
テレビ版の時も同じく坪内散歩先生のお嬢さんの坪内冬子さん役だった。
で、直後の映画版では第1作に坪内冬子さんの名前が使われてしまったので、
第2作の今度はテレビ版と同じ設定ながら名前が変わって坪内夏子さんとなったわけだ。

ドラマ全26回を通してただ一人の寅の愛しい憧れのマドンナを演じ通した佐藤オリエさんだった。

そして第2作「続男はつらいよ」では胃痙攣で入院した寅の主治医だった藤村(山崎努さん)と恋仲になる。


T.Sさんは、この物語のラストで京都に新婚旅行に出かけた夏子さんが
新郎の藤村さんを「努さん」と亡き父親につぶやくように言っているのを今から数ヶ月前に発見された。

実は…、私は、夏子さんが「努さん」と呼ぶことに違和感を感じていなかった。
なぜならば夏子さんがそう呼ぶくらいだから、新郎の名前は「藤村努」だと勝手に決めつけていたからである。
また山崎努さんが演じていらっしゃったことも「努」に違和感を覚えなかった理由の一つだ。

ところがT.Sさんは当時の松竹の設定が「藤村薫」だということを公式ホームページでご存じだったのだ。
不思議に思われたT.Sさんはなんと松竹にメールでこのことを直接聞かれたのだ。

そして待つこと1ヶ月、松竹さんから遅まきながらT.Sさんに回答のメールがあり、

「当時の台本では設定同様「藤村薫」となっていた」

「ラストのシーンではおそらく佐藤オリエさんがつい「努さん」と言ってしまったのを、
当時のスタッフは誰も気づかず、OKを出してしまったのではないか…」


という内容が送られてきたそうだ。
もちろんこれらはあくまでも推測で、当時のスタッフが残っていないので正確なところはわからない


ということらしい。

これは私にとっては実に面白い推測で、当時の映画作りの在り方からしていかにもありそうなことだ。

T.Sさんのメールに刺激され、私は第2作のラストにある夏子さんのセリフを確かめたくなった。
そこで、私の持っている当時の『キネマ旬報』に載った『脚本第2稿』でさきほど見てみると

夏子「そうなのよお父さん、私今京都にいるの。薫さんと二人でね。」

となっている。

このように脚本でも設定でも「薫」なので、あきらかに現場で名前が変わってしまったのは間違いないだろう。

山崎努さんが演じる藤村薫さんを、つい「努さん」と呼んでしまった佐藤オリエさんって、私は大好きだなあ(^^)。


あ、山田洋次監督にこの真相を聞いても無駄ですよ。
あの方、そういうこと何も覚えてない&興味無いですから(^^;)
「へえ、そうだったっけ〜〜」ですから(((^^;)




もちろん、それらこれらとは関係なく、この時の寅を見つめる佐藤オリエさんのあの瞳こそが
最も『マドンナ』の名に値するものであることは揺るがない。

この長いシリーズのマドンナの中で、
寅に心配してもらい、寅に愛を注いでもらったマドンナはたくさんいるが、
夏子さんだけが唯一、寅を心配し、寅をずっと見守った母なるマドンナなのだ。

あんな深い慈愛の目で寅の背中を見つめた女性はさくらと夏子さん以外誰もいないのである。


         







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『男はつらいよ』と干し柿を作る日々



2009年11月14日 寅次郎な日々 その420



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。



日本を出発する日が2日後に近づいている。
今回は一度バリに戻って、仕事の種をまいて、
12月中旬に義父の四十九日のため、また富山に戻り、数週間滞在した後
またバリに帰って、今度は4月末までバリに滞在する予定。
ちょっと忙しいが、これは仕方がないこと。どちらも手を抜くことはできない。



葬儀の後のごたごたしたあらゆる後片付けと諸手続きの合間をぬって山々を淡彩スケッチ。


立冬も過ぎ、霜月半ばの越中富山はかなり寒くなってきた。

もう15年間もこの寒さは体験していないのでそうとうきつい。
しかし、空は高く空気はますます澄んで山はくっきり見えるし、
風が透明で息が白くなんとも気持ちがいい!とも言える。



越中八尾の自宅から義父の家までは車で40分。
諸手続きのため、毎日通っている。
四日前と三日前、息子と二人で義父が残した柿を取った。
取った実はみんな干し柿にする。

今年は沢山柿が実る年に当たっていたので大変だった。
百数十個取った時点で一応止めた。残りは鳥たちにやろう。


義父の供養も込めてたっぷり食べてやろうと思うが、
この量ではさすがに家族だけでは食べきれないからご近所さんに配って…、
それでもちょっと余りそう。





         










もちろんそのまま食べると渋が残る。



         






一昨日と昨日、義母、連れ合い、息子で皮をむき、麻布でひとつひとつくくってベランダに干す。

早くできないかな…。

ま、義父の四十九日にまたバリから富山に一旦数週間ほど帰ってくるので、
その時たっぷり食べれるだろう。



         







ところで

『男はつらいよ』でも寅や満男たちが柿を食べるシーンや柿をむくシーンがある。


とりあえず思い浮かぶシーンは下の↓作品たち。





■第8作「寅次郎恋歌」

ラスト、甲斐の国、甲斐駒ケ岳が美しく見える北杜市の田舎道、
農家でもらった柿を食べながら歩く寅。
そっと道ばたの地蔵さんに柿を置く、その姿がまさに旅人の背中だった。
柿と言えばまずこのシーンが真っ先に思い浮かぶ。
まさに日本映画史上に輝く名シーンだった。


        








■第10作「寅次郎夢枕」

夢から覚めた寅は、信州塩尻の日出塩駅で朝を迎える。

大きく伸びをして目の前にある柿の実をもいで一口かじるが、
なんと渋柿だったのだ。
プハーッ!と吐き出す寅。タイトルイン。


        









■13作「寅次郎恋歌」

これは、柿そのものは出てこないが、余命いくばくもない歌子ちゃんのご主人が、
その人生の最期に、実家の庭にある甘い柿の実が色づいたら一番に歌子ちゃんに食べさせてやりたい
と語りながら死んでいったという歌子ちゃんによる津和野川べりでの話がしんみり切なかった。


        








■第20作「寅次郎頑張れ!」

これは第8作「恋歌」のラストのアレンジヴァージョン。
同じように農家で柿をもらって、道端の石像にお供えする。
第8作と同様、その直後に坂東鶴八郎大空小百合父娘たちと出会うのだ。


        








■第22作「噂の寅次郎」

水野早苗さんが柿をむき、寅が↓のようにその細く美しい手を眺めている(^^;)
この直後、なんと早苗さんは果物ナイフで手を切り、血を出す。
思わず寅は彼女の指を手にとって眺めるのだった。



       








■第25作「寅次郎ハイビスカスの花」

戦後まもなく、お腹を常にすかせていた幼少期のさくらに寅がいろんなものを盗んで
食べさせてやる話が出てくる。

さくら憶えてるわよ、よくお兄ちゃんがさ、柿とかお芋の干したの盗んで来て
    食べさせてくれたわ


短い話だが、なんだかとても印象に残っている。



      







■第28作「寅次郎紙風船」

久留米水天宮でのバイを終え、数日後
寅と愛子は、福岡県 朝倉市 三連水車横のわら束の上に座っている。
寅は光枝さんのことを密かに考えているようだ。

愛子は積みわらの上で柿を食べながらそのことを見抜いている。



     








■第42作「ぼくの伯父さん」

泉ちゃんを励ますためにわざわざ東京から佐賀までバイクでやって来た満男。
二人は泉ママの故郷を訪ねる。
富士町東畑瀬の田舎道で三角飛びをして取った柿を持ちながらおどける二人。
青春の甘い香りが漂うちょっといいシーンだった。


      








■第47作「拝啓車寅次郎様」


菜穂ちゃんといい仲になった満男は渋柿に当たらないように菜穂ちゃんに選んでもらう。
で、食べてみるとやっぱり渋柿だった…。ああ。。。満男(TT)
菜穂ちゃんいい加減…(^^;)



     



チャンチャン(^^)




上にも書きましたように、義父のことに関しての諸々の後片付けと手続きも
ようやく一段落着きましたので、四十九日までの間、バンコクとバリに短い期間ですが旅立ちます。
次回の寅次郎な日々の更新はバリに着いた後の11月25日以降となります。


気長にお待ち下さい。





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