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寅次郎な日々
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(ご注意) このサイトの文章には物語のネタバレが含まれます。
まだ作品をご覧になっていない方は作品を見終わってからお読みください。
別れの曲 冬子さんの瞳(2007年9月28日)
『時間ですよ』の中の『寅さん大会』(2007年9月20日)
『なつかしい風来坊』から『遥かなる山の呼び声』へ(2007年9月10日)
第27作「浪花の恋の寅次郎」ダイジェスト版(2007年9月3日)
コンサートに行く菜穂ちゃんと満男(2007年9月2日)
『喧嘩辰』を歌わなかった寅と冬子さん(2007年8月24日)
『寅小僧次郎吉』の夢(2007年8月22日)
木蓮の花と夏子さんの涙(2007年8月19日)
第26作「男はつらいよ.寅次郎かもめ歌」ダイジェスト版(2007年8月16日)
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| 『寅次郎な日々』バックナンバー 別れの曲 冬子さんの瞳
2007年9月28日 寅次郎な日々 その332 ご注意) 下の文章をはじめ、私のサイトには物語のネタバレが多く含まれます。 まだ映画作品を一度もご覧になっていない方は必ず作品を見終わってからお読みください。 いよいよ日本を離れる日がまた今年も近づいてきた。 まだまだやり残したことはいっぱいあるが、それはまた来年の7月に帰国した際に再開するとしよう。 このまま日本に滞在し続けると、今度は感覚的なものを吸収するばかりで、吐き出す方がお留守になっていくのだ。 吐き出すこととは、この場合、かの地で絵を描くことであり、サイトの本編完全版を進めることであり、 もの作りを進めていくことなのだ。日本ではそれがどうしてもできない。そういう業を私は背負ってしまっている。 キツイ突き放された孤独の環境の中でしか、たくさんの絵は描けないし、このサイトの『本編完全版』のアップも 進まないのである。 泣きたくなるようなバカな気質だと我ながら思うが、こればかりは死ぬまで治らないかもしれない。 だから私は、寅がみんなに止められても、スッと旅に出ていってしまう気持ちが痛いほど分かるのだ。 水は止まると濁り、腐っていく。腐ってしまってはもう遅い。寅はそのことを知っている。 もちろんさくらたちは、止まりながらも腐らない術を体得して生きているので寅とは全く違う。 しかし、寅は腐ってしまうのである。寅とはそういう人間なのだ。 ところで、先日も書いたが、今回の滞在はDVDをいつになくたくさん見た日々だった。 ほとんどが2度目3度目の作品だったが、どれもこれも改めて随所に発見がまたあり、充実した時間だった。 その中でも特に思い出深いのが あの、幻のテレビ版『男はつらいよ』のビデオだった。 あのビデオは第1話と最終第26話が見れることもさることながら、最初の小林俊一さんと山田洋次さんとのビック2対談や 小林さんと作詞家の星野哲郎さんとの主題歌誕生秘話対談、ラストの当時のフジテレビの美術スタッフさんたちと小林さんの 裏話満載座談会がなんとも面白い。当時の風が私たちの肌に沁み渡る感じがする。 あの臨場感は何度見てもたまらない魅力だった。 実際の作品の中も2話だけとはいえ、映画版とはまた違う魅力に溢れているのだ。 なんといってもまず第1にはあのさくら役の長山藍子さんの魅力。 映画版第5作『望郷篇』ではとても残酷に寅を振ってしまうが、テレビ版のさくらの長山さんは、繊細で兄を深く思いやる優しい妹を 柔らかく演じておられる。彼女の芝居はとてもしっとりしていてなんとも素敵だ。 兄のことを大事に思っていることが伝わるしみじみといい芝居だ。 特に第26話(最終話)での、兄の死という現実を認識したくないさくらの気持ちの揺れの芝居はこれはもう秀逸。 博士が寅は死んだんだと何度言っても、静かな口調で 「どうして分かるの?なにが証拠なの?」と、現実を認めようとしないのだ。 まるで夢を見ているような…そんな表情で…。 (まあもっとも寅のお骨も死亡診断書の写しも、病院からの直接連絡も何も無い状態で 腹違いの弟の雄二郎に帽子だけ持ってこられても信じられないというほうが正しいといえば正しい) その夜、寅が帰ってきたと気配を感じ、布団から起き上がって玄関で幻覚を見るさくら。 生き返ったような鮮やかな笑顔で寅を玄関で迎えるのだった。 寅も生まれてくるであろう赤ん坊のおもちゃを手に持ち、音を鳴らしながら満面の笑顔で さくらに優しく語りかけるのだった。 しかし、それはやはり幻覚だったのだ。 ![]() それでもさくらは、寅の幻影を追い、裸足で外に出て走っていく。 そして「お兄ちゃん!」と叫びながら寅を必死で追いかけるのだった。 このさくらの姿は、まさしく、お能の「道成寺」 に出てくる『安珍と清姫の物語』そのものだ。 さくらは、安珍を慕って、幾山千里越えて、飛ぶように追いかけていくあの清姫だ。 あのシーンにはそのような鬼気迫る怖さがあったのだ。 ![]() さくらは公園のところで寅に追いついたが、その瞬間、寅の後姿がスッと消えてしまう…。 呆然と立ち尽くすさくら。 その時、はじめてさくらは辛い現実を認識したのだった。 遂には、さくらを追いかけてきた博士の胸で号泣し、 悲しい現実の全てを受け入れていくシーンでこの物語は終わる。 また、同じく、マドンナの冬子さん役の佐藤オリエさんも絶品だった。 あの映画版第12作『私の寅さん』にも使われた寅との別れの場面は、映画版とは違って 冬子さんは寅の目を見つめて涙をこぼし、「寅ちゃんごめんなさい、ほんとうにごめんなさい」と謝るのだ。 あの「別れの曲」のシーン、ちょっと寂しげな声で、寅が桜の花を追って南から北へ旅をする話をしている時、 冬子さんは、寅が別れを言いに来たことをその言葉と気配で気づいたのだった。 目が潤みはじめ、寅を見つめ続ける冬子さん。 本当に目をそらさずずっと見つめる。 このカットは、私にはとても長い時間に感じられた。 そしてついに 「寅ちゃん、ごめんなさい。ほんとうにごめんなさい」と 涙が頬を伝っていくのだ。 ![]() 寅は、その姿を見、その言葉を聞いて、 「お嬢さんが、あっしに謝ることはありません、あっしは別にどうってことないんです」 と、ひたすら恐縮して冬子さんをかばう。 ![]() そのあと、冬子さんはもう一度寅をそっと見つめ、 スッとそのまま顔を上げて… 庭の桜を強い瞳で見上げる。 この時の佐藤オリエさんの表情とその瞳は私にとって今滞在中、最も感動したカットとなった。 ![]() その瞳はもはや、悲しみに泣き暮れる色ではない。 悲しみも切なさも超えたところの彼女の純な生命がほとばしるような強い目だった。 佐藤オリエさんの、若い、とても感覚的で鋭敏なセンスを強く感じてしまった。 そして彼女のビビッドな目と重なるように 哀しげな寅の表情をカメラはアップで捉え続ける。 なんという深い孤独…。 ![]() そしてまた 桜が映り 最後にカメラは遠くから二人の背中を映すのだった。 ![]() あの演出にはさすがに私は泣いた。 ぐっと寅の気持ちに寄り添っている。 やはり冬子さんは寅のことを大事に思っているのだ。 私は、テレビ版「男はつらいよ」と言うと、 真っ先に、この、冬子さんが目を潤ませながら寅を見つめる「別れの曲」の夜を思い出す。 寅の気持ちを分かり、とてもいとおしく思ってくれる冬子さんが私には誰よりも魅力的だった。 全26話同一マドンナというのは実にいいもんだ。 それが敬愛する散歩先生のお嬢さんの冬子さんだからなおさら最高だ。 映画版第4作「新.男はつらいよ』でもそうだったが、小林俊一さんは、実にしっとりとした見せ場を 繊細に作られる。映画版ではラスト付近で夜中にそっと出て行く寅の姿とそれに気づいた おいちゃんたちの表情や柴又界隈の人々の風情が印象的だった。 それにしても、このテレビ版をたった2話見ただけでも、いかに映画版の物語がテレビ版の物語に支えられているか よくわかる。どちらも山田洋次さんが中心に脚本を書かれてるとはいえ、テレビ版の影響力は多大なものが あることがわかる。大きな物語の流れからちょっとした会話まで随所にテレビ版の断片が出てくるのだ。 いつの日か、この、フジテレビが制作したテレビドラマ『男はつらいよ』が真に再評価された時、 あの別れの夜の、二人のやり取りの見事さと、それを支えた小林俊一さんの演出、 そして最後の最後に二人の表情を見事にアップで重ねて表現したスタッフの鋭敏な感覚は絶賛されるだろう。 もちろん、そのテレビ版のリメイクである映画版第12作『私の寅さん』のあの別れの曲のシーンも、 スタッフたちは集中し、時間をかけて、上手に上品に撮っている。 りつ子さんも、寅の気持ちは敏感に感じて、自分の気持ちを優しく、しかししっかりと寅に伝えている。 そこはさすがに演出も逃げていない。そして二人ともやり取りに品格すら感じられる。 演出に弛緩した穴はない。さすが山田監督だ。 第12作のクライマックスといってよいと思う。 それでも、私の人生にはあの冬子さんの、 寅を大事に思い、寅に寄り添う気持ちこそが、 そして寅のために流したあの涙がやっぱり大事だ。 そして一番最後に彼女が桜を見つめる命の輝きの目は私には何物にも代えがたい宝物なのだ。 このあともバンコク出発直前の10月9日くらいまで多忙が続きます。 それゆえ、第3作「フーテンの寅」本編完全版第1回は10月4日ごろになります(^^;)ヾ 第28作「寅次郎紙風船」ダイジェスト版は、第3作更新以降に作業いたしますので、 アップはバリに戻った後の10月末日頃になります。 またもやずるずるずるずるずるずる遅れてすみません。 どうしても日本滞在中は最後まで生業優先&充電(DVD映画鑑賞と読書)優先になります。 これがないとサイトアップの馬力が出ないのです。どうかご理解ください。
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| 『寅次郎な日々』バックナンバー 『時間ですよ』の中の『寅さん大会』
2007年9月20日 寅次郎な日々 その331 ご注意) 下の文章をはじめ、私のサイトには物語のネタバレが多く含まれます。 まだ映画作品を一度もご覧になっていない方は必ず作品を見終わってからお読みください。 ようやく先日金沢郊外での最も大きな展覧会が終わった。もうすっかり秋の気配だ。『今朝の秋』って感じだ。 このあともバンコク出発直前の10月9日くらいまで多忙が続きます。 それゆえ、第3作「フーテンの寅」本編完全版第1回は9月30日ごろになります(^^;)ヾ 第28作「寅次郎紙風船」ダイジェスト版は、第3作更新以降に作業いたしますので、 アップは10月8日頃になります。 またもやずるずるずるずる遅れてすみません。 どうしても日本滞在中は生業優先&充電(DVD映画鑑賞と読書)優先になります。 これがないとサイトアップの馬力が出ないのです。どうかご理解ください。
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| 『寅次郎な日々』バックナンバー 『なつかしい風来坊』から『遥かなる山の呼び声』へ
2007年9月10日 寅次郎な日々 その330 ご注意) 下の文章をはじめ、私のサイトには物語のネタバレが多く含まれます。 まだ映画作品を一度もご覧になっていない方は必ず作品を見終わってからお読みください。
まだまだ9月も月末まで多忙が続きます。 第3作「フーテンの寅」本編完全版第1回は9月22日ごろになります(^^;)ヾ 第28作「寅次郎紙風船」ダイジェスト版は、第3作更新以降に作業いたしますので、 アップは9月26日頃になります。 またもやずるずるずるずる遅れてすみません。 どうしても日本滞在中は生業優先&充電(DVD映画鑑賞と読書)優先になります。 これがないとサイトアップの馬力が出ないのです。どうかご理解ください。
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| 『寅次郎な日々』バックナンバー 第27作「浪花の恋の寅次郎」ダイジェスト版
2007年9月3日 寅次郎な日々 その329 ご注意) 下の文章をはじめ、私のサイトには物語のネタバレが多く含まれます。 まだ映画作品を一度もご覧になっていない方は必ず作品を見終わってからお読みください。
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