バリ島.吉川孝昭のギャラリー内 


お気楽コラム


寅次郎な日々

バックナンバー


2007年10月分〜2008年1月分

ほぼ毎日更新



最新のコラムはこちら



過去のバックナンバー一覧
これ以前、バックナンバー2007年8月分と9月分はこちら
バックナンバー2007年6月後半分と7月分はこちら
バックナンバー2007年5月前半分はこちら
バックナンバー2007年4月後半分はこちら
バックナンバー2007年4月前半分はこちら
バックナンバー2007年3月分はこちら
バックナンバー2007年2月分はこちら
バックナンバー2006年12月分と2007年1月分はこちら
バックナンバー2006年9月と10月と11月分はこちら
バックナンバー2006年7月と8月分はこちら
バックナンバー2006年6月分はこちら
バックナンバー2006年5月分はこちら
バックナンバー2006年4月分はこちら
バックナンバー2006年3月分はこちら
バックナンバー2006年2月分はこちら
バックナンバー2006年1月分はこちら
バックナンバー2005年12月分はこちら
バックナンバー2005年11月分はこちら


ご注意) このサイトの文章には物語のネタバレが含まれます。
まだ作品をご覧になっていない方は作品を見終わってからお読みください。



                 

再び『さくらのお母さん』のこと(2008年1月26日)

第30作「花も嵐も寅次郎」ダイジェスト版(2008年1月16日)

寅次郎の食べた握り飯の味(2008年1月10日)


新年のご挨拶(2008年1月1日)

藤子さんの恋人発覚 堺信吉さん(2007年12月26日)

第29作「寅次郎あじさいの恋」ダイジェスト版(2007年12月6日)

心がひとつになること  静かな名シーン(2007年12月5日)

永久の愛を伝えるその言葉 『海峡』(2007年11月28日)

六代目であり三代目でもある車竜造(2007年11月24日)

第28作「寅次郎紙風船」ダイジェスト版(2007年11月16日)

『あの人に会いたい 〜渥美清〜』(2007年10月11日)



これ以前

★これ以前、バックナンバー2007年8月分と9月分はこちら

★これ以前、バックナンバー2007年6月後半分と7月分はこちら

★これ以前、バックナンバー2007年5月後半分と6月前半分はこちら

★これ以前、バックナンバー2007年5月前半分はこちら

★これ以前、バックナンバー2007年4月後半分はこちら

★これ以前、バックナンバー2007年4月前半分はこちら

★これ以前、バックナンバー2007年3月分はこちら

★これ以前、バックナンバー2007年2月分はこちら

★これ以前、バックナンバー2006年12月分と2007年1月分はこちら

★これ以前、バックナンバー2006年9月と10月と11月分はこちら

★これ以前、バックナンバー2006年7月と8月分はこちら

★これ以前、バックナンバー2006年6月分はこちら

★これ以前、バックナンバー2006年5月分はこちら

これ以前、バックナンバー2006年4月分はこちら

これ以前、バックナンバー2006年3月分はこちら

これ以前、バックナンバー2006年2月分はこちら

これ以前、バックナンバー2006年1月分はこちら

これ以前、バックナンバー2005年12月分はこちら

これ以前バックナンバー2005年11月分はこちら






343

                          
『寅次郎な日々』バックナンバー          





再び『さくらのお母さん』のこと   おばちゃんの貴重な証言



2007年1月26日 寅次郎な日々 その343


ご注意) 下の文章をはじめ、私のサイトには物語のネタバレが多く含まれます。
       まだ映画作品を一度もご覧になっていない方は必ず作品を見終わってからお読みください。



私は、もう随分前から『さくらのお母さん』のことが気になってしょうがない。

寅の心根の優しさは、大人になってから養われ始めたものではない。
人というのはそういうふうにできていない。
やはり幼少期に深く愛されて育たないと、自分が大人になってから人に多くの愛を与えられないものなのだ。
もちろん大人になってからのさまざまな人とのふれあいがその心の泉を豊かにしていくことは多々あるが、
やはりそれは幼少期の愛情があってのこと。親でなくても、兄弟でなくても誰かに深く愛された体験が
人の心を優しくし、なによりも強くもする。

私は、寅の場合は優しさの根源は誰だろうといつも考えている。彼はスーパーマンでも神様でも無いので、
誰かに愛され続けなければあの豊穣な人に対する愛情は放出されるはずもないのである。

おいちゃんやおばちゃんは、第1作をはじめ、何作かの作品で寅やさくらの父親である車平造のエピソードを
よく話題に出していたが、さくらのお母さんのエピソードはほとんど話題に出てこない。
父親の平造はもちろん寅を愛してはいたに違いないが、やはり寅の人格形成の大事な部分を
育ませたのはさくらのお母さんだったと思う。

一方、一見本命と思われるおいちゃんおばちゃんたちは、平造やさくらのお母さんが存命中はとらやに
一緒には住んでいないので、時々会ってはいたものの、そんなにも寅の人格形成に大きく影響を与える機会は
無かったとも思う。
だからやっぱり寅の優しさは、育ての母親であるさくらのお母さんの優しさなのだろう。

さくらのあの慈悲深い気質はさくらのお母さんの気質だと確信がある私にとって、やはりさくらのお母さんが
さくらや長男と寅とをわけ隔てなく同じように愛情を持って育てたのではないかと勝手に思い込んでいるのである。

このことがうかがい知れるシーンはほとんど無いが、以前も書いたように、第39作「寅次郎物語」の寅の夢の中で、
父親が寅少年に殴りかかろうとするのを身を挺してさくらのお母さんが止めているシーンがある。
もちろんこれは寅の夢なので、ひょっとして寅の願望がはいっているのかもしれないのだ。微妙なところではあるが、
全く逆の夢は見ないであろうからおそらく本当にあったことなのだろうと思われる。
オレを育ててくれた優しいおふくろ」とその夢の中でもそう言って回想している。夢とはいえこれは重要な発言だ。



           




もう一つは第47作「拝啓車寅次郎様」で、寅が茶の間で鉛筆を満男に売るために
自分の幼少期の母親の思い出を話す場面がある。

鉛筆を売るためのその場限りの作り話とは思えない、しみじみとした情感溢れる語りだったので、
私は、あれは寅の幼少期に本当に存在したさくらのお母さんとの思い出なのではないだろうか…、と思っている。


「おばちゃん、オレはこの鉛筆のことを見るとおふくろのことを思い出して
しょうがないんだ。不器用だったからねオレは。鉛筆も満足に削れなかった。

夜おふくろが削ってくれたんだ。ちょうどこのへんに火鉢があってな、
その前にきちんとおふくろが坐ってさ。白い手で肥後守を持ってスイスイスイスイ
削ってくれるんだ。その削りカスが火鉢の中に入ってプーンといい香りがしてな…。

綺麗に削ってくれたその鉛筆でオレは落書きばっかりして勉強一つもしなかったもんね。
でも、これくらい短くなるとな、そのぶんだけ頭が良くなった気がしたもんだった…」


こんな臨場感のあることを、いきなり満男のためとはいえ、作り話で寅がしみじみみんなに言えるとは
私にはどうしても思えないのだ。

しかし、これもやはりギリギリではこちら側の推測の域を出ない。作り話の可能性も残る。



そして、実は、夢でも推測でもなく、たった一回だけ、おばちゃんの発言で、自分の確かな記憶のもとにさくらのお母さんが
寅のことを大事に思っていたことをうかがわせる言葉があることをつい先日思い出したのだ。


第46作「寅次郎の縁談」で、満男が就職活動の壁に当たって家出してしまった時、たまたま帰ってきた寅は
一週間程度の家出はたいしたことない、自分は16歳の時に家出をして以来20年間も家に帰らなかったんだ。
と自慢げに言うのだが、それに対しておばちゃんがこう怒るのだ。

おばちゃん「
おまえが帰ってこない20年間、
     あんたのおっかさんや私たちがどん〜だけ心配したことか。
     そんなこと考えたこともないだろ、ふん、この親不孝者め



このおばちゃんの発言は『証言』とも言えるほど確信めいていて、疑う余地の無い明確さがある。



今、ハッキリ私は確信できる。


寅は育ての母親に深く愛されていたのだ。





               








第4作「新.男はつらいよ」本編完全版(前篇)たぶん2月10日前後です(^^;)
気長〜〜ぁにお待ちください。



【寅次郎な日々】全48作品ダイジェスト版のバックナンバーはこちら

【寅次郎な日々】全48作品マドンナ制作年度順






寅次郎な日々 カテゴリー別バックナンバー
寅次郎 さくら 名脇役たち タコ社長 満男 シリーズの流れ おいちゃん、おばちゃん 源ちゃん
とらや ロケ地探訪 山田洋次 各作品紹介 山田洋次以外の映画 メイキング映像
インタビュー&ポスター
マドンナ






このページの上に戻る
最新のコラムはこちら














342

                          
『寅次郎な日々』バックナンバー





第30作「花も嵐も寅次郎」ダイジェスト版


2007年1月16日 寅次郎な日々 その342


ご注意) 下の文章をはじめ、私のサイトには物語のネタバレが多く含まれます。
       まだ映画作品を一度もご覧になっていない方は必ず作品を見終わってからお読みください。


  




引き裂かれる心 恋のキューピットの本音      花も嵐も踏み越える寅次郎



第30作「花も嵐も寅次郎」は華やかである。あのジュリーこと沢田研二さんとあの田中裕子さんが
共演されているのだから凄い。話題性抜群だ。
おふたりがこの共演を境に急激に恋仲になり、不倫になってしまってすったもんだの後で数年後に結婚されたのは
みなさんご承知の通り。なぜジュリーかというと、あのジュリーアンドリュースのファンだったからだとか。
ちなみに私もジュリーアンドリュースが大好きでサウンドオブミュージックは30回は映画館で観た。

それにしても田中裕子さんのあのぞくぞくする不思議な魅力はナンだろう。
私はもし自分が人生でたった一度映画監督をすることができたら、そして主役の女優さんを
起用するとしたら、夏目雅子さんか田中裕子さんしか頭に浮かばない。
そして彼女たちに合わせた物語を私は作るだろう。

このお二人は共にその体の中に二つの相反する魅力を兼ね備えられている。
清楚さと妖艶さである。いかにも清楚という方はたくさんいるし、いかにも男好きする感じの方も
枚挙にいとまがない。しかし、このお二人は見た目は清楚で中性的でさえあるが、心の中に
燃え盛る炎を感じる。押さえきれないような激しい情を感じるのだ。そしてその立ち姿に「華」がある。
CALLING、天性の女優さんだ。私にとって田中裕子さんといえば、この翌年に出演したあの三村晴彦監督の
「天城越え」である。あの映画を見た人は、彼女の中にある怖いくらいの純情と魔性の両方に震えたと思う。
近年でも「いつか読書する日」や「火火」でも静かな生活の奥底に燃え盛る炎を見事に演じられていた。
特に「いつか読書する日」の田中さんは心の奥の奥に誰にも見られないように情念を隠し持つ人を演じていた。
もう彼女以外誰もあの役はできない。いや、彼女のための映画だと言い切っていいと思う。


この第30作でも蛍子さんの友人のゆかりさんが寅に、「ほら、へんな色気があるでしょう、この人」って言っている。
やはり山田監督もその魅力を強く感じていたのだろう。監督はそれから14年後、第49作「寅次郎花へんろ」で、
おそらく寅の最後になるであろうマドンナとして田中さんを再度起用したのだ。
結局それは夢と終わってしまったが…。ああ…しっとりとした魅力の田中裕子さんと渥美さんの絡みを見たかった。
ああ…残念、無念。


さて、今回は、自分の恋愛をひた隠しにして、物語の中盤から三郎青年と蛍子さんを結ばせるためにひたすら奮闘する寅。
山田監督は寅にシラノ.ド.ベルジュラックのごとく、我が想いを隠し、ひたすら若い二人の恋を援護射撃させるのだ。
そして遂に三郎青年は谷津遊園の大観覧車の中で彼女に告白しキスをする。

              

そして、彼らの恋が成就したことを知った寅は、やはり淋しげに旅に出てしまうのだった。


最後に、寅がさくらに言った言葉こそがこの物語の本当のメインである。


寅「さくら…
さくら「なあに
寅「やっぱり二枚目はいいなあ…、ちょっぴり妬けるぜ…

その言葉を聞いて呆然と寅を見つめるさくら。
           
やはり、寅は年の差も考えず、心の奥底で蛍子さんのことが好きだったのだ。

夕暮れ迫る店先でのこのさくらと寅の表情がなんとも切なく美しかった。
この二人の表情がこの映画のメイン。

これがあるからこの映画はやめられない。







今回も夢から


ブルックリンの下町で幅をきかすスケコマシのジュリー、美しいさくらに目をつけるが、
さくらは鼻であしらう。

               

怒るジュリーだったが、

そこへブルックリンの寅が戻ってくる。

               


脚本では『ジゴロの寅』(^^;)

               

ジュリーはナイフを取り出して構えるが…

寅「色男、そんな腰つきでオレが刺せるか
修羅場を数多くくぐってきたその目で睨まれたジュリーは貫禄負けをしてしまう。

ジュリー「悔しいけど、貫禄負けじゃ」とナイフを壁に投げて、逃げていく。

               


ここからなぜかお馴染みSKD松竹歌劇団の「桜咲く国」が歌われ始め
なぜか神父の御前様、やとらやの面々、社長、源ちゃんなどが階段で寅を招いている。
いつのまにか労働者のラフな格好に変身した寅が、みんなの中で笑っている。

脚本ではまばゆいばかりのタキシードに雪駄履き(^^;)


かつて、ブルックリンに平和が蘇った。希望と幸せに満ちた朝の光が今しも燦燦と、
ふりそそごうとしている。



               



夢から覚めて


小さな寺で転寝している寅。

起きてあくびをする寅。
               

そこへおばあちゃんがやって来て、寺の鈴を鳴らそうとするが、上手く鳴らない。
そこで、寅が手伝うのだが、思いっきり振りすぎて鈴がおっこちてしまうというシンプルギャグ。

鈴を背広で隠す姿がおかしい(^^)

               

寅とおばあちゃん二人で大笑い。

寅「神様どうもすみませんでしたと笑いながら逃げていく。

仏様じゃないのかい(^^;)

脚本ではこの鈴落としギャグは無い


               



タイトル

「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎



口上「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。
   帝釈天で産湯をつかい、姓は車、名は寅次郎、
   人呼んでフーテンの寅と発します。



   ♪どおせおいらはヤクザな兄貴 わかっちゃいるんだ妹よ
   いつかお前が喜ぶような 偉い兄貴になりたくて
   奮闘努力の甲斐もなく 今日も涙の
   今日も涙の陽が落ちる 陽が落ちる♪


   ♪どぶに落ちても根のある奴は いつかは蓮の花と咲く
   意地は張っても心の中じゃ 泣いているんだ兄さんは
   目方で男が売れるなら こんな苦労も
   こんな苦労もかけまいに かけまいに♪




江戸川土手に立つ寅。

またもや帰ってきたのだ。

               


測量士に扮したアパッチけん(中本賢)と光石研のコンビによるミニギャグ。

頼んで測量士の望遠鏡を覗かせてもらって喜ぶ寅。

この二人は第36作「柴又より愛をこめて」でも本編の中で活躍していた。

               

向こうの草むらににいちゃつくカップルがいるのである。

もう一人の測量士は、遊んでいる同僚に怒って、測量棒で頭を叩く。

叩かれた男は、逆上し大喧嘩。

一方例のカップルの方も結局大喧嘩している。

寅は、知らん顔で笑いながらいつものようにスタコラ歩いていく。





本編


歌が終って、本編に入ると

なんと参道をいきなり花売りの谷よしのさんが歩いてくるではないか!

谷さん、最初で最後の本編トップランナー!

               

さくら、自転車でとらやにやって来て、おばちゃんに袋包みを見せる。

さくら「おばちゃん、これなんだと思う?わっ!」と広げる。
おばちゃん「あら!松茸!どうしたの!?
さくら「御前様にいただいたの、到来もののおすそ分けですって

みんなで松茸の話題で大騒ぎ&匂いかぎまくり。

社長「あ!松茸!ほんもんだよこれ」と鼻をつけて匂う なにもそこまで… ヾ(^^;)
おばちゃん「鼻をくっつけないでよ汚い

国によっては松茸が採れても、匂いが嫌であまり食べない国民もいる。
私も松茸より、張りのある肉厚なシイタケのほうが香りも味も好きである。

               

社長「いいじゃないか減るもんじゃなし
おいちゃん「減るぞ、そんなに吸ったらおいちゃんっていったい…(^^;)

寅がいたら、一緒に松茸料理が食べられるのに…と淋しそうなおばちゃん。
さくらも「どうしてるんだろ…」と心配している。

谷よしのさん、お彼岸の花売りでとらやの店先に再度登場。

谷さん「お彼岸のお花いかがですか
おばちゃん「あ、買っちゃったわ、さっき
谷さん「あ、じゃまたお願いします

               


その時、前の江戸家の桃枝が派手な服着てやって来る。

渥美さんと仲のいい朝丘雪路さんがチョイ役で出演。

おいちゃんは、結婚と離婚を繰り返す、この江戸家の娘のことを気に入らない様子。


桃枝、店に入って来て

桃枝「あ、そうだ、寅ちゃん!寅ちゃんどうしてんのよー

寅のことを『寅ちゃん』と呼んだのは、
冬子さん、夏子さん、花子ちゃん、千代さん、そして…桃枝さん(^^)。


さくら「ええ、元気だと思いますけど、フフ
桃枝「あいかわらず一人もん?
さくら「ええ、フフ
桃枝「いいわね気楽で私も一人になりたい、フフフ



なんて冗談を言っていると、寅が参道に現れる。

桃枝「寅ちゃーん!!」と両手でバンザイ。

さくらたち「…!!

寅、やって来て

               

寅「あー、おお!おほっほ、なんだ桃枝じゃないか!

桃枝「いやあ!フフフ!今噂してたとこよォー!

と、寅の手を握って馴れ馴れしくじゃれる桃枝。

寅「なんだおまえ、しばらく見ないうちに
 ずいぶん色っぽくなっちゃったじゃねえか、ハハハ


桃枝「調子のいいこと言っちゃって、フフフ

寅「いや、ほんとう、フフフ


社長、台所から覗いて

社長「もう惚れちゃったのかい?早いねェ〜今度は

               


それ聞いて、心配顔のさくら。

で、ふたりが過激にいちゃついているところへ、怒った旦那がやって来て、
桃枝は当然旦那のところへ…。で、ハイさよなら。

社長「もう、ふられちゃったのかぁ、こりゃまた早いねえ〜座布団2枚(^^;)

さくら、これまた心配そう…。

寅、我に帰って入りにくそうに入ってくる。

               

寅「ヘヘへ、亭主がいやがる、まいったよ。
 よ、さくら元気か


さくら、ちょっと沈みながら

さくら「おかえり

おいちゃんは、桃枝といちゃついていた寅が情けなくて内心かなり怒っている。

寅「何か気にいらねえことでもあるのか?」と、ふてくされながらもとりあえず二階へ。

    


夕方   とらや  茶の間


みんなで松茸ご飯を食べようとするが…。

おいちゃんは、昼間の事で機嫌が悪い。

で、寅も連鎖反応で機嫌が悪くなる。

             

そこへ例のごとく社長がやって来る。

社長「いい匂いだねえ、松茸の茶碗蒸し
寅「あー、来た来た、意地の汚いのが、松茸しまっとけ

と、やっぱり機嫌が悪い。

松茸ご飯をかき回しながら

寅「なんだい、松茸なんか入ってないじゃないか」と不満そう。

満男、自分の茶碗に松茸見つけて

満男「これが松茸だね」と一切れ混ぜる。
さくら「そうそう


寅、満男に

寅「あ、いい女!いい女だ子供に言う言葉かよ ヾ(ーー;)

             

満男つい店先を見る。 子供だもんね(^^;)

関係ないおばちゃんや博まで見てしまっている(^^;)

で、素早く満男の松茸を奪い取ってしまう。

満男「あ!ずるい!返してよォー!

寅「卑しいマネするんじゃない!おまえはぁあんたやあんたやヾ(−−;)

さくら「お願いやめてよー
おばちゃん「一人に、一きりずつちゃんと入れたんだから!よく探してごらんよ

おいおいおい、たくさんもらってたじゃないかおばちゃん一人5切れは入るはず。
茶碗に一切れとは究極の少なさですね(TT)


そして怒りが溜まっていたおいちゃんが爆発する。

おいちゃん、めがねを取って

おいちゃん「じゃあ、言わせてもらうけどな、いったいなんだ今日のざまは、
      久しぶりで帰ってきたかと思いや、オレたちに挨拶もしねえで、あの向かいの
      ふしだらな娘といちゃいちゃいちゃ!あれが、いい大人のすることか



寅は幼馴染に挨拶しただけと言うが、おばちゃんもおいちゃんも納得していない。

おばちゃん「挨拶だったらね、文句なんか言わないよ!
寅「なんだよおばちゃんまで
おいちゃん「もっと言え!もっと!(^^;)
おばちゃん「大きな声だして、手を握り合って、おまえのことが忘れられなくてなぁ〜、
     なんて、あたしゃね、恥ずかしくて顔から火が出たよ!
と、そっぽを向く。
寅「ヤボだなあ…、冗談を言ってんの冗談を

博も丸く治めようと寅に賛同するが、あのタコが…(TT)

社長「
冗談か?冗談じゃないだろ。本気で惚れてたんだろ寅さん、へへへ
と、混じりけのない本質をからかいの目で言う憎い社長。

                


で、もちろん二人は大喧嘩。

茶碗蒸しぶちまげ。めちゃくちゃ。

おいちゃん遂に

おいちゃん「寅!出てってくれ!
一同シーン。
さくら、おろおろ。
寅「おいちゃん、出て行けって言うのか、そうか…、
  それを言っちゃあ〜おしまいだよ


おばちゃんメソメソ…

寅、怒って二階へ駆け上がり、下りて来て本当に出ていこうとするが、
意外にもさくらは寅を止めようとしない。


               

寅「さくら、止めるなって言ってんだろ!言って無い言ってない(−−;)
さくら「」下を向いたまま黙っている。

寅、悔しくて、もって帰ってきたお土産を乱暴に茶の間に置いて、
本当に旅立ってしまう。

               

寅が旅立ったあと、そっとお土産を手で持って涙ぐみ、
いつまでも外を見ているのだった。


おいちゃん「さくら、なんで止めねえんだ。おまえが止めてくれると思ったからオレは…

さくら「だって、おいちゃん『出て行け』だなんて言うんだもん、ウウウ…
と手を覆って泣き崩れる。

後悔の念に駆られ、下を向いてしまうおいちゃん。

               






九州  別府 鶴見岳

別府温泉奥の鶴見岳のハングライダー
湯布院の町全体を見下ろす展望台・狭霧台近くの小高い丘から飛び立つ。

ハンググライダーやパラグライダーの競技大会の飛行基地になる鶴見岳。


頂上のハングライダー基地から、空へ向かってハングライダーが飛び立っている。

下の公園でパンを食べながら、不思議そうにハングライダーを見ている寅。

寅、ハングライダーの人たちに

寅「兄さんよ、寒いのに空飛んで大変だな、フフフ最高のギャグ!座布団2枚!

               





豊後臼杵(うすき)


大林信彦監督の「なごり雪」の舞台


国宝  臼杵磨崖仏

臼杵磨崖仏(うすきまがいぶつ)は、大分県臼杵市深田にある4群60余体の磨崖仏。
「臼杵石仏(うすきせきぶつ)」の名で知られている。
1995年(平成7年)には国宝に指定された(指定対象は59躯)。
磨崖仏としては日本最初、彫刻としては九州初の国宝指定である。


               



満月寺境内にある石塔 日吉塔のそばを一人歩いていく寅。

               


臼杵磨崖仏のすぐ近くにある宝篋印塔(ほうきょういんとう)宝筐印(ホウキョウイン)塔(日吉塔):重要文化財、鎌倉時代後期


宝篋印塔の名は、内部に『宝篋印陀羅尼』を納めたことに由来する。
『宝篋印陀羅尼』とは、一切如来の全身舎利の功徳を集めた呪であって、
四十句からなる。これを誦すれば、地獄の先祖に極楽に至り、百病・貧窮の者も救われるという。





臼杵(うすき) 福良天神


ポンシュウに拾われて、車で福良天神へ。

鏡や色紙額、などの道具を売るバイ。


寅「さあ、ねえ、赤い赤いは何見てわたる、
 赤いもの見て迷わぬものは、木仏、金仏、石仏、
 千里旅する汽車でさえ、赤いもの見てちょいと停まるというやつだ。
 さあ!続いた数字がふたっつだ、ふたっつ。
 はい!日光結構東照宮、憎まれ小僧が世にはばかる、ね!
 日揮の弾正はお芝居の上の憎まれ役てなどう!


ポンシュウ「菜っ葉の肥やしで掛け肥ばかりかァ!言うねえポンシュウも(^^)

寅「掛け声ばかりで結構です。結構ね、ケッコウ毛だらけ
  猫灰だらけ、お尻の周りは糞だらけってのはどう、お母さん、ハハハ


               






湯平温泉

花合野川沿いの温泉

湯平温泉に車で来た三郎青年。周りを感慨深げに見ている。

               


一方、旅行に来て宿を決めかねている蛍子とゆかり


               


蛍子とゆかり、格好良い二枚目の三郎青年が『湯平荘』を尋ねているのを遠くで聞いて、耳がダンボ

ゆかり「決めた湯平荘そのまんまでんなぁ〜(^^;)

二人で、クスクス笑いながら、そっと後を追ってゆく。



湯平荘

部屋の床の間に母親のお骨を置いて、感慨にふけっている。

蛍子たちも、三郎青年の後をつけて泊まりに入ってくる。

そして、それとは別ルートで寅も。


寅「おーい、誰もいないのかー、えー、この家のものは死に絶えたか?

このギャグは、遠く、第5作「望郷篇」でとらやにやって来たさくらがかましたギャグ(^^)


オヤジが出てくる。

寅「お、ホホホ、オヤジ生きてたか、えー、心配してたんだよー、
  この家潰れちゃったんじゃないかと思ってさ。経営者の頭古いから


オヤジ「オレが新婚旅行で来るまでやめるなってのは誰だ

               

寅「へへ、そんなことも言ったっけな
オヤジ「連れてきたのか嫁さん

寅「候補者が多いからな、選ぶのに手間食ってんだようまいうまい(^^)

いいやり取りだねえ〜。


このあと蛍子とゆかりが風呂に入っている超ささやかなサービスシーンが入る。(^^;)


               



で、しばらくして…


三郎青年がオヤジの部屋にやって来て、
自分の母親がこの旅館に勤めていたはずだと聞く。

               


オヤジは母親の『ふみさん』のことを今でもはっきり覚えているらしく、とても懐かしがっていた。

しかし母親のフミさんは病気で先日亡くなってしまったのだった。

オヤジ、三郎青年がふみさんのお骨と一緒に来ていることに驚き、
拝みに行こうとするが、
寅がこの部屋で供養してやろうと提案。

こうなると寅の独壇場だ。
葬式関連の行事には目が無いのだ。


第2作、第5作参照(^^;)


たまたま居合わせた蛍子さんたちも巻き込んで、立派な供養がいとなまれた。

しかし、寅は焼香台の火種の方を抓んでしまい、熱いので放り投げる。
それがたまたま坊さんの襟元に入ってしまい。
坊さんの服をみんなで脱がせる羽目に(TT)



殿山泰司さんのおとぼけとハシャギが笑えるコミカルなシーン。

オヤジ役の内田朝雄さんがまた渋い。

               

翌日、


久大本線の「湯平駅(ゆのひら駅)



『ゆのひら駅』で蛍子たちと一緒に汽車を待つことに。

昨日の火傷のキズを包帯で巻いてくれる蛍子に感謝する寅


蛍子たちはデパートで勤めているらしい。

寅「あれも大変だよな。一日中つったってなくちゃなんねえし、
 客に愛想よくしなきゃなんねえしな


頷く蛍子

寅「あれ見たり、これ見たりして、なかなか決まらない客にさ、
 『ねえ、おばさん、いい加減にしてくんない、
 何着たってあんた似合わないんだからさ』とも言えないしな、こりゃ、ハハハ
((((^^;)

               


ゆかりげらげら笑って大受け。


寅、蛍子さんに

寅「恋人はいねえのか?

蛍子、ゆかりを指差して、

蛍子さん「この人はいる
ゆかり「一匹だけ
寅「へへへ!
寅、蛍子の方を向いて
寅「姉ちゃんは?
蛍子さん「私はもてないもん…
ゆかり「また、そんなこと言ってェ、結構ファンがいるのよ、ほら、
   変な色気があるでしょ、この子



               


寅、まじまじ蛍子さんを眺める。

蛍子さん「どうしてそういうこと言うの〜
ゆかり「理想が高いのよ、私なんかと違って

蛍子さん「そういうんじゃないわよ。好きになった人が理想の人なのなるほどね( ̄ー ̄)

ゆかり「だからそれが理想が高いっていうのよ、フフ

蛍子さん「もう〜

               

寅よくわかんなくて

寅「なんだその、理想っていうの?
ゆかり「理想というのはね、お金持ちで、背が高くて、スマートで、ハンサムで

カメラを二人に向けて『カシャ』

寅「フハハハ、全然オレ当てはまんないや、ハハハと呆れている。

一応自分に照らし合わせてるから厚かましいし、面白い。




杵築 養徳寺


三郎青年がお母さんの供養をしている。

母親に最後のお別れを言う三郎青年。


               



三郎「お母ちゃん…、オレ帰るぞ、お盆にまた来るからな。
   さみしないな、大丈夫やな、生まれたとこへまた帰ってきたんやものな」と涙ぐんでいる。

母一人子一人で寄り添うように生きてきた二人なのだろう。


ブルーバードで帰っていく三郎青年。




志保屋の坂


途中、『志保屋の坂』で観光している蛍子さんに出会う。

向こうに見えるのが『酢屋の坂』

三郎青年車を止めて、ここぞとばかりに蛍子を誘うが、

               



               

なんとゆかりと寅があとからぞろぞろついて来て
三郎青年の思惑はスコーンと外れるのでした(TT)

               



ヨハンシュトラウス二世の 『春の声』が勢いよく流れる。



大分 アフリカンサファリ

動物達を車の中から見てはしゃぐ4人。



広大な安心院高原にある自然動物園115万平方メートルの敷地に70種類、
1300もの動物や鳥達が放し飼いになっており、規模はアジア最大級である。
ジャングルバスが園内を走っており、動物達の自然の姿を観察できる。


               

 

城島後楽園遊園地(城島高原ファミリーパーク)


この映画公開時に1982年 城島高原ファミリーパークに名称変更。
この後、1992年 城島後楽園ゆうえんちに名称変更。全面リニューアル。



ここでも、乗り物に乗ってはしゃぐ4人。

               

で、散々遊んで…夕方。





別府港 ホーバーフェリーのりば

別れを惜しむ4人。

蛍子さんたちは、別府から大分空港まで乗って、飛行機で帰るのだろう。


第12作「私の寅さんでもさくらたちの九州旅行の時もこのホーバーフェリーに乗っていた。
スタッフさんたち好きなんだねえこの乗り物が。


               



湯の平温泉の紙袋を持っているゆかりたち。

寅「じゃ、ほら、行け
ゆかり「ほんとに楽しかった」
頷く寅
ゆかり「三郎さん、運転気をつけてね」
蛍子さん「いろいろありがとう
寅ニコニコで
寅「あばよ

二人、乗り込もうとする。

蛍子、戻ってきて

蛍子さん「寅さん
寅「うん
蛍子さん「東京帰ってきたら教えて、柴又行きたい
寅、ニッコニコ
寅「そうだな、早く行け
蛍子さん「うん

三郎青年、ススッと前に進む。
寅と肩が当たり寅がくるりと回ってしまう。
これは第一作で、さくらの結婚式の時の博と寅のパターン。

蛍子さんを追いかけ

三郎青年「蛍子さん

蛍子さん、振り返り

蛍子さん「はい


               
     


三郎青年「ぼ…ぼくとつきおうてくれませんか…おいおいおいヾ(^^;)


蛍子さん「…急にそんなこと言われても…さよなら…だよねえ(((^^;)


               



去っていくホーバーフェリー


三郎青年「あーあ…行ってしもうた

寅「ハハハ、行ってしまった、ハハハ

三郎青年ブスッとして

三郎青年「なんですか?
寅「おまえ、惚れたな
三郎青年「惚れて悪いんですか

蛍子のテーマが流れる


寅「あれが惚れた相手に言うセリフかよ。
  『ワシとつきおうて下さい』ヶッ!可笑しい、可笑しいよ、おまえ、え、
  それじゃチンピラの押し売りだよそれじゃ


確かに唐突。発作的。あれじゃ女性はまず引いちゃうよ(^^;)


三郎青年、怒って

三郎青年「じゃあ、どう言えばいいんですか?

寅「恋の雰囲気、そっとそばに寄るだろ、ね、
  『お嬢さん、東京へ帰ったらもういっぺん顔が見たな僕…』こう言やいいじゃないか、フフ


               

三郎青年「はあー…、そんなふうに言うんですか…おいおい信じるなよこの男をヾ(−−;)

寅「そうよ。ま、せいぜい苦労しな、な、あばよ

と別れようとするが、寅になんとか恋の相談に乗って欲しい三郎青年は、
車で一緒に帰るように勧めるのだった。
車が苦手な寅は嫌がったが、結局押し切られて同乗して東京へ。




柴又 帝釈天参道


さくらとおばちゃんが紙袋を持って帰ってくる。

大丸デパートのバーゲンセールに行ってきたらしい。

そんな時三郎青年の車が参道に乗り込んできて停まる。

中から寅と三郎青年がフラフラになって降りてくる。

さくら「お兄ちゃん!

へナへナ座り込む寅。

               

寅「なにしろさ、大分県から車に乗りっぱなしだからな、
  飲まず食わずで、うーん、ああ…
  まだ体が揺れてるよ…


三郎青年、寅のカバンを持ちながら、フラフラになって店に入ってくる。

椅子に座りそこねてこけてしまう。

おいちゃん「なんでまた飲まず食わずだったんだ?
寅「フフフ、いや、これがさ、持ってるとふんだんだよね、オレはね
おいちゃん「うん
寅「だからまあ、楽しくあっちこっち見物しながら帰ってこようと思ったら、
  ガソリン代しか残ってねえって言うだろ、チェ


と、言う訳で二人ともフラフラになって二階に眠りに上がって行く。




題経寺  境内


博から寅が運転手つきの車で戻ってきた事を聞いた御前様は独り言で

悪いことでもしたか…、
いやあ…、それほどの頭はないだろ…

これは笑いました(^^)

               




夜 とらや  茶の間

みんなで大笑いしている。

寅は三郎青年を金持ちの息子だと思い、三郎青年は逆に寅を金持ちだと思ったらしい。

三郎青年「お金に困ってるような顔してないし

みんな「ハハハ!

三郎青年「仕事はなんですか、って訊ねたら、『遊び人よ』、そう、答えられたから、
     あ、これはたぶん親の遺産かなんかで、ぶらぶら遊んでる人やないかと思って


みんな「ハハハハ

そして三郎青年は、このようなとらやの雰囲気を羨ましがるのだった。生まれてからずっと母親と二人暮しで
淋しい思いをしてきたらしい。

一方、おばちゃんもおいちゃんも、三郎青年がお骨を持って実家でお祈りをし、法事をしたことを親孝行だと羨ましがる。
寅、なんとなく気まずくなって寝転ぶ寅だった。

ひとしきりおしゃべりしたところで

三郎青年は寅にある質問をする。

               

三郎青年「寅さん、聞いていいですか?
寅「なにを?
三郎青年「…あの、さくらさんとご主人は、つまりどんなふうにして…
寅「ま、ひっついたか、って言うんだろ?
三郎青年「ええ

さくら照れながら

さくら「どうしてそんなこと?
三郎青年「お会いした時から気になって…」わかるわかる(^^)

寅「一目惚れだよ、これがさくらを見てボーっとなっちゃったんだ。そうだろ博
博、照れながら
博「え…そんな」と照れる。
寅「ハハハ



満男「僕知ってるよと三日月目でニヤニヤ。
三郎青年「え…
博「こら黙ってろ
満男三郎青年の横に立って満男

               

満男「父さん、工場の寮にいて、
  その部屋から母さんの部屋が
丸見えだったんだって

ガビ〜ンΣ(|||▽||| )


満男っていったい…(TT)

二人ともタジタジ。

博「こら!
さくら「どうしてそんなこと!言うの!っとにィと柿を投げつけようとするが、

三郎青年を見て躊躇し、柿を持ち替え、手を満男に向かって振る。
 
この見事な演出。上手い!


                  柿を投げつけようとするが
               



                 やめて、持ち変える。
               

寅「毎晩毎晩、寝巻きに着替えているのをね、胸を熱くして見てたんだよおいおいおいヾ(^^;)

さくら「やめなさいよ、バカバカしい、フフ

博「そんなとこ見てやしませんよ

みんな「フフフ





【証拠フィルム】@


博「僕の部屋からさくらさんの部屋の窓が見えるんだ

             



朝…、目を覚まして見ているとね、
                  


あなたがカーテンを開けてあくびをしたり、
布団を片付けたり…。


                      


日曜日なんか楽しそうに歌を歌ったり。

冬の夜、本を読みながら泣いてたり、


                      


…あの…工場に来てから
3年間、毎朝あなたに会えるのが楽しみで、



考えてみれば
それだけが楽しみでこの3年間を…。


                      


さくら「……

                      


と、いうことで、
見えてたんですね〜、やっぱり。そして覗いてたんですね〜、さりげなぁく(^^;)

罪となる事実!




で、物語に戻って


そんなさくらたちのなれそめを聞いて三郎青年は「いいなぁ…
」と、羨ましがる。
寅は三郎青年の恋をみんなにバラそうとするが、三郎青年は恥ずかしがって帰っていく。

帰り際にそっと

三郎青年「それから…例の話ですけど…

寅「あの子だろ」と、小指を出して。

                

寅「まかせしとけよ」と言い。

このことはシークレットにすることをパントマイムで承諾する。

三郎青年「お願いします
寅「うん

三郎青年が帰った後

二階へ上がり、また寝ようとする寅に

さくら「ねえ、お兄ちゃん何の約束をしたの?まかせとけって…

                


寅、二階に上りながら

寅、活動写真の弁士の口調で、

寅「空飛ぶ鳥にもネグラあり

さくら「え?

寅「哀れ母を失った三郎青年の
 運命やいかに。
 そのカギを握る人、
 それは誰あろう車寅次郎先生でありました



さくら二階へ向かって

さくら「ねえ

寅二階で

寅「ねえと言っても、車先生は去っていくのでありました

さくら「どういうことだろ?

                 おばちゃん笑いを我慢してます。
               


ここでおばちゃんが鼻の穴を膨らませて笑いを密かにがまんしている。

博「何か起きるなこれは
おいちゃん「え?」おいちゃん怖がっている(^^;)


上のシーンでおばちゃんが鼻を膨らませて笑いを微妙に我慢しているのは
その直前に渥美さんのアドリブで倍賞さんが思いっきり笑ってしまって
NGを出したからだ。このNGは第30作の予告編集に入っている。

二階で活ベン調の寅の声がまだ聞こえる。


寅の声「『三郎さん、ごめんなさい…。
     わたくしが好きなのは、寅さんなの』ああ、三郎青年よどこへゆく。

     それはあまりにも淋しい人生航路では、あった

寅の声を聞いて、何か考えているさくらだった。


この冗談とも取れる寅のオチャラけたセリフは実は本音。
ここに寅の業があり、寅の喜びもあり、悲しみもある。



上に書いた予告編に挿入されているNGになった場面↓を紹介しましょう。


さくら、上にあがっていった寅に向かって

さくら「ねえ

寅「『ねえ』と言うさくらの声も
 むなしく闇に消えて
 いったのでありました



我慢できなくて、顔がフニュッとなる。

三崎さんもそれを見て顔が崩れる。


                

倍賞さんついに噴出してしまう。

三崎さんも限界を超える


               

笑いながら目が垂れて、口に手を当てる
倍賞さん「ごめんなさ〜い」(^^)

三崎さんも、もう大笑い。


                      「ぷっ!」
                

もう完全にスタッフ全員で大笑い(だと思う) 

 チャンチャン。

                     「ごめんなさ〜い」
                



で、物語に戻って、




都心  大丸デパート 

上司の指導の下、接客の練習をして勤務につく蛍子たち。



               




一方 千葉習志野の谷津遊園内の動物園

チンパンジーの世話をする三郎青年。

谷津遊園も京成電鉄。


               


1925年、千葉県習志野市谷津の早くから海水浴場として賑わっていた谷津海岸の土地を埋め立てて娯楽施設に転用、
京成電鉄谷津遊園として一時代を築いた。

小さな動物園も中にあり、三郎青年はその施設で働いている。
遊園地よりもバラ園が有名。

当時の谷津遊園のプールは『海水プール』

京成電鉄自身の経営悪化と東京ディズニーランドへの経営参画計画により、
遊園地は黒字経営であったがこの作品が公開された1982年12月をもって閉園した。
閉園時の従業員のうち、多くは東京ディズニーランドに異動している。

バラ園は『谷津バラ園』として習志野市が運営している。








夕方  柴又 帝釈天参道

蛍子は先日の大分でのスナップ写真を寅の家族に渡そうと柴又へやって来る。

郵送しないで直接来たのは、ひょっとして寅が帰っているかもという淡い期待があったからだろう。
しかし、相変わらず、アポなし。



とらや  店

あいにく寅は商売に出かけていたが、さくらたちから寅が帰ってきていることを聞いた蛍子は
もう一度来る事を約束してとらやを後にするのだった。


さくら「またいらっしゃいよ、前もって電話しておお!さくら遂にアポの催促。
,
蛍子さん「はい、そうします

               

それを見ていた暇な社長は

社長「いよいよ本命登場だ。えらいことだぞこりゃあ」と工場へ知らせに行くのだった。






千葉 船橋 蛍子さんの自宅


浪人生らしき弟の食事を作る蛍子さん。

蛍子さんが『ぼく』と弟君のことを呼んでいるのがどうも気にかかる。
二十歳近い青年を『僕』と呼ぶ時って、どのような関係なのだろう。
弟君はただの受験生というよりは精神的に問題を抱えているのかもしれない。



ちなみに、行儀の悪い弟君が見ているテレビはなんと山田監督の
吹けば飛ぶよな男だが』のなべおさみさんと佐藤蛾次郎さんのギャグの部分。

蛾次郎さんが女装して、男から金を巻き上げ、サブ役のなべおさみさんと逃げていくシーン。
この作品は『男はつらいよ』とキャラの設定や物語的に似た部分があり、
男はつらいよがこの映画の影響を受けていることは明白である。

               






東京 大丸デパート

蛍子さんが働いている。

お客さんにスカーフを勧めている。

年配のお客さんなので、どちらかというと地味なものでなくあでやかな方が似合うのに、
地味な馴染む方を勧めてしまっている。スカーフは馴染ませると一層老けてしまうのだ。

しかしさすがお客さん。自分で似合う方を選んでいた。
蛍子さんも「そういえばそうですね」と納得。

               



仕事の後

繁華街の蛍子さん馴染みのスナック

寅がビールを飲みながら蛍子さんを待っている。

蛍子さんやって来て

蛍子さん「寅さん、会いたかったァ〜
寅「んー、電話して悪かったな
蛍子さん「ううん、嬉しかったァ〜
寅「そうか、ほら…、売り場でよ、オレみたいな男が声かけてね、
  部長や主任に見つかったりすると、
  具合悪いんじゃないかって、いろいろ考えたのよ…


寅は、当初の目的の三郎青年のことを話し始める。

蛍子さん「あの人、どういう人?
寅「そうだなあ…、ま、一言で言えば変わりもんだろうね。
  オレたち
常識人から見れば
」(^^;)

これは第15作「相合い傘でパパのことをリリーに伝える寅のセリフのアレンジ。


蛍子さん「そうだねえ…
寅「うん
蛍子さん「だってェ、妙にすましてるなあ…と思うと、急につきおうてくださいだなんて
     叫んじゃったりするんだもん、フフ

寅「そうそう、フフ、大分で、あの、別れる時な
蛍子さん「うん、フフフ
寅「可笑しかったね、ハハハ
蛍子さん「どういうつもりなんだろ…フフフ、きっとさ、
    つき合っている女の子なんかいっぱいいるだろうにね

寅「あ、それはいないんじゃないのかな。ということは口下手で、内気な方だから

蛍子さん「恋人はいないの?

寅「うん、…恋人はいるな

蛍子さん「あ、そう…

寅「ん。だけど、片想いだけどね

蛍子さん「片想いなの?

寅「


蛍子、興味深々で

蛍子さん「ねえ…どういう人なんだろう?その、片想いされてる人って

寅「知りたいか?

蛍子、ちょっと笑って

蛍子さん「うん…

寅「蛍子ちゃんだよ

蛍子さん、寅を見る。
寅、頷く。

寅「あいつ惚れてるんだよ、あんたに

蛍子さん「…!うそォー!、まーた、そんないい加減なこと言って寅さんはァーと、戸惑っている。

寅「ほんとだよー、な、…ちょっとつき合ってみるか
蛍子さん「
寅「いや、大丈夫大丈夫。あいつはね、いきなり襲ったり、噛み付いたり、
 そういうことはしないからさ。それはオレが保障する。他になんの取り得もないけれども


蛍子さん、小声で

蛍子さん「ダメ…断る…」と下を向く。
寅「どうして?
蛍子さん「だってェ…
寅「嫌いか?

蛍子さん「あんまり二枚目だもの…
出たああああヽ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄;)ノ


               


寅「…???

寅、しばし考え

寅「そういうもんかなあ…
蛍子さん「わかるでしょう、そういう気持ちィ〜
寅「ん…」と短く何度か頷く。

蛍子、はっと我に返って

蛍子さん「ね、寅さん、それ言いにきたのわざわざ
寅「いや違うよ、オレ今日は蛍子ちゃんと飲みてえなって思って来たんじゃねえか
蛍子さん「ほんと?
寅「ほんとだよ
蛍子さん「フフ…

で、二人は乾杯して盛り上がる。

               

一方三郎青年はその頃とらやで寅を待っていた。
寅が蛍子さんに自分の気持ちを伝えてくれたかどうか知りたいのだ。

これは第1作での寅を待つ博の気持ちのアレンジ版。





夜更け  とらや


寅、酔っ払って帰ってくる。

参道で、寅の声

寅の声「ああ、三郎青年の運命は、風前のともしびだった…」

三郎青年、立ち上がる。

寅「おお!三郎青年来てたか!
おばちゃん「会ってくれましたか?
寅「誰に?おいおいおいヾ(ーー;)
三郎青年「蛍子さんですよ
寅「おう!会った会った会った!
三郎青年「で…どうでした?

寅「ん、オレ、いつも思うんだけどさ、一日の仕事が終って家路に
 急ぐ娘ってのはいいもんだねえ…。こう、疲れがほんのり体に出ててな、
 髪の毛なんかほつれちゃってさ、
 あら!寅さん会いたかったワー、じゃ再会を祝して、ハイ、カチン!
 あー美味しい…、なんて、あれはイケル口だなあの子は


               

と、どんどん脱線していく寅を三郎青年が制して、

三郎青年「寅さん
寅「え?

三郎青年「すいませんけど、結論だけ言うてもらえますか
寅「じゃあ、言ってやるよ。そのかわり覚悟出来てるな
三郎青年「はい。早く言ってくださいと真剣そのもの。

寅、早口で、
寅「ことわられました

               

三郎青年、目を見開いて、愕然。

寅「諦めなよ、気の毒だけど…
三郎青年「理由はなんですか?
寅「理由?理由聞きたいのか?
三郎青年「はい

寅「おまえがあんまり二枚目だから

三郎青年「…!

三郎青年「寅さん、男は顔ですか?座布団2枚(^^;)

               

寅「そうじゃないの?
三郎青年「そんなバカな!
おばちゃん「なんだかしらないけどおやめよ。
      寅ちゃんに人の顔のことなんか言えるわけないだろ

寅「おばちゃんは黙ってろよ、男通しの話なんだ

三郎青年「寅さん、寅さんは恋をしたことありますか?

おいちゃん、おばちゃんギョッとして振り向く。

寅「おい、こら、おまえ誰に聞いてるんだ、『恋をしたことがありますか』
 よく言うよおまえ。オレから恋を取ってしまったら何が残るんだ。
 三度三度飯を食って屁をこいて糞をたれる機械。つまりは
造糞機だよ。
 な、おいちゃん


おいちゃん、ダメだこりゃのりアクション。

三郎青年、すくっと立ち上がり、

三郎青年「寅さんに頼んだのが間違いでした。さよなら

寅「そうだよ、はじめから自分でくどきゃよかったんだよおまえ。惚れたのはてめえだろ


三郎青年振り返って

三郎青年「それができないから頼んだんじゃないですか。そんなことができるくらいやったら…、
     寅さんと同じように、女の人の前で気楽に話が出来るんやったら、なにも頼んだりは…


               


泣きそうな顔で出て行く三郎青年だった。

寅は、めんどくさがりながらも、なんとかしてやらないととも思うのだった。



数日後


寅に呼ばれて柴又へ向かう蛍子さん。





柴又  とらや

三郎青年は、すでにとらやに来ている。

寅、二階から下りて来て

三郎青年と打ち合わせを始める。

蛍子さんがもうすぐここへやって来るから、
三郎青年はそれとは関係なく偶然とらやに来たことにして、そこから話を進めていくことに。

おばちゃん曰く「早い話が、『騙まし討ちのお見合い』だね。
昔はそういうのよくあったのかな(^^;)

三郎青年「あの…、江戸川へ行ってどんな話しをすればいいんでしょう…
寅「え?疲れるなおまえも、そこまでオレがコーチしなきゃいけないのか
寅「ほら、な、ひろーい景色だろ、土手にタンポポが、ポコ、…ポコ。
  二人で土手に腰掛ける


三郎青年座ろうとする。

寅「ああっとほら気をつけて!犬のウンコがあるじゃないか、こういう上にベタッ!と座ったら
 一環の終わりだぞ、
なんちゅうディテール(^^;)

と、なんだかんだとどうでもいいいことを伝授するんだなこの男は(^^;)

寅「『僕も、あの雲といっしょに知らない国に行ってしまいたい』
 『三郎さん、どうしてそんな寂しいことおっしゃるの?』
 『蛍子さんのいるこの東京に、一緒に住むのが辛いんだ』
 『せめて、遠い北国へでも行ってしまったら、
 この辛さを忘れることができるかもしれない』
 『三郎さん、ほんとのことを教えて』
 『蛍子さん、僕はあなたを愛しています』
 なんてことは間違っても口に出しちゃいけないぞ。
 口で言わない。目で言う
ダメだダメだ┐(-。ー;)┌

それじゃ、第1作の博へのコーチと同じだよ。トホホ(ーー;)


三郎青年「目ですか

寅「そうだよ。蛍子さんのことをジーッと見つめる。
 蛍子さん、僕はほんとうにあなたのことを愛してますと、心で言うんだ

神妙に頷く三郎青年。

               

寅はそこでリハーサル開始

寅「
オレを蛍子さんだと思え。いいな

頷く三郎青年。

               



寅、三郎青年を見つめ

寅「三郎さん…

三郎青年「蛍子さん…

寅「あら…変に上手い寅の声色((((^^;)

三郎青年我慢できなくて噴出してしまう。

寅「
ブァ!なんだコノヤロ、笑いごとじゃないぞ

               

みんな大笑い。


ただし、『脚本』ではこの寅と三郎青年のミニコントはない。



そこへ蛍子さんがやってくる。

みんなに挨拶。

蛍子さん、三郎青年に気づく

蛍子さん「あら…

寅「え?」と振り返る。

三郎青年「こんにちは

蛍子さん「あの…、私、先日はどうも…

三郎青年「…あの…

寅が割り箸の束持ちながらさりげなく三郎青年に寄って来て

寅「僕こそ失礼しました」とささやく。カンニング(^^;)

三郎青年「僕こそ失礼しました」と、にこっと笑顔。

みんな微妙に緊張している。

蛍子さん、思わず笑って

蛍子さん「ハ!…、びっくりした、フフフ

さくら「