2026年1月13日



さくら名義の郵便貯金通帳   第14作寅次郎子守歌







昔の日本は郵便貯金通帳を家族名義で代理人として作ることができたと私は記憶しています。
お父さんやお母さんが子供が成人していても郵便局で家族名義を作っていた記憶があります。
もちろん遠い昭和のゆるゆるな郵便局のシステムです。

引き出す時も代理人として印鑑さえあれば家族などは引き落とせていた記憶があります。
一般の銀行ではもう少し厳しく、本人確認などが必要でしたが、全国の田舎の方の郵便局では
けっこう融通がきいていたのかもとも思います。



下記に紹介します作品。
『寅次郎子守り唄』制作の頃は1974年秋ごろ。
まだまだ家族の名義で郵便貯金が出来た時代だったんですね。

旅先で寅は妹さくら名義の郵便貯金を作ってあげていたのでした。








そして、


第14作『寅次郎子守り唄』 序盤


      



寅は自分の老後のことを考えている、自分の葬式のことも考えているととらやで発言し、みんなを感心させるが
その内容を聞いてみると独りよがりで享楽的なものだったのでおいちゃんやおばちゃんは失望し、
そこから口喧嘩になり、とらはその日のうちに一日も泊まらずまた旅に出てしまうのだった。





喧嘩し、出ていく寅。



とらやの店先で




      

寅「
さくら」


さくら「なあに?」


さくらのテーマ流れる。





     






寅「これなあもう少し貯まってからお前にやろうと
 思ったんだけど…

 博の医者代にしろ
」


と
通帳と印鑑を渡し、出て行く。




                       




さくら封筒から通帳を出す。




                       




郵便貯金通帳 諏訪さくら様 

  

                              



さくら、思いつめた表情


                       


さくら「お兄ちゃん…!」と参道にかけ出す。



                       



寅はもう遠くへ…。




満男「バアバ、寅ちゃん行っちゃったの?」


おばちゃん「…」



父も母ももういない、二人っきりの兄妹。
そんな兄が妹のためだけを思ってコツコツと貯めた7700円。

その兄の気持ちのひとつひとつがさくらにはただただ嬉しかったに違いない。




     






通帳記載内容

49年  9月    800円        残高6800円 
 〃    〃17日1000円       残高7800円 
 〃    〃21日(引き出し)1200円残高6600円
 〃    〃30日 500円       残高7100円 
 〃  10月 2日 300円       残高7400円
 〃    〃 5日(引き出し)1000円残高6400円
 〃    〃14日 500円       残高6900円
 〃    〃22日 500円       残高7400円
 〃    〃27日 300円       残高7700円





寅が渡した「諏訪さくら」名義の郵便貯金通帳。
少額ながらもさくらのために実に足繁く通い、
入金を繰り返している。入金の額は小さいが1週間に
一度寅はさくらのことを考えながら増やしていったことが
伺われる。

入金の回数だけ寅のさくらへの思いがある。

ここ1ヶ月で2回ほど引き出しているのが、いかにも
寅らしくてリアルである。







エピローグ

物語終盤で寅が再度出ていく時にさくらはもう一度この郵便貯金通帳を
寅に戻す。

さくらは寅のお金は旅に出る寅に戻してあげる。

そういう人だ。





      










おまけ


この作品のマドンナ
木谷京子さんが夜勤明けに自室で読んでいた雑誌はこれでした。
このたび発見











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