男はつらいよ/予告篇集
― もうひとつの物語 ―.
No.8
第２０作
今回は第20作 寅次郎頑張れの予告篇
この作品は若い男女の恋を寅が取り持つ「応援歌」を物語の中心に据えた最初の作品である。この作品の場合寅は大竹しのぶ扮する幸子に
恋愛感情が無い。純粋に応援するのである。中村雅俊扮するこの2階に下宿する若者『ワット君』のキャラがとにかく面白い。
あまりユニークでとらやの2階を爆発させてふっ飛ばしてしまうくらいだ。全くすごいことをやらかす下宿人。第２４作「春の夢」の
マイケルと双璧の変わり者下宿人。もちろん恋も苦手。そこで寅が指南するってことになる。
また、この作品で私がとても気に入っているシーンがある。平戸で美しいワット君のお姉さんに惚れた寅が、彼女の経営する
雑貨土産物屋の仕入れから早朝帰って来る場面で自転車に乗る姿が映し出されるのだが、その時の渥美さんの自転車の乗り方と
その表情、そして歌う「憧れのハワイ航路」がなんとも爽やかで、格好いいのだ。ハンドルを一切持たないで細いブレーキの部分だけ持って
運転する渥美さん。いいなあ！第5作「望郷篇」にも「月の法善寺横町」を自転車に乗りながら歌う渥美さんがいたが、今回も実に爽快な
映像である。もうこの短い映像だけでも本編を見る価値がある。
また平戸での船長と神父役を演じた石井均さんと桜井センリさんは見事な掛け合いと確かな演技で、平戸の人情を表現していた。
第20作は幸子と良介という若い二人の溌剌としたパワーと寅のワイルドなパワーがぶつかる生きのいい話だ。
この作品では第16作でいい味を醸し出していた米倉斉加年さん扮する轟巡査（青山巡査）が再出演、パトカーを伴ってのとらや入り。
全力疾走とハイテンポは見もの！凄いの一言！、サル捕獲作戦ギャグなども大笑い。そして最後に雪の日の真面目な巡査さんにちょっと
感動もするのである。
そう、この作品は最後にとらやに雪が降るいい情景が見られることでも有名。
さて、予告篇の始まり〜。
松竹富士山
いきなりタイトル
男はつらいよ 寅次郎頑張れ！
20作記念作品
とらやの店の上に『押し売りお断り』の
プラスチックボードを貼る良介。
寅が後ろからやって来て
寅「押し売りお断りか…」とニコニコ
良介、寅をジロジロ下から上まで
嘗め回すように見て、押し売りと勘違い。
寅、良介の目を見てムカッ！
にらみ合う (▼▼メ)
寅、ムカついて、
寅「チッ！このヤロ！」
( # `) (▼▼メ)
と店に入ってくる。
クレジット 渥美 清
良介「なんすか？あんた」
寅「何？」
良介「歯ブラシとかゴムひもとかね、そんなもの
ウチ間に合ってますからね、出てってくださいよ」
寅、良介をジロジロ見て
寅「おい、お前なんだ！」
良介「オレはここのウチのもんですよ」
寅「冗談言うない、このヤロウ！このウチに
てめえなんかいるかい！オレ見たことねえよ！」
良介「オレだって見たことないなァ、あんたのこと」
寅「チキショウ！このヤロウ！」
良介、警察に電話をかけようとする。
寅「おい！誰かウチの者いないのか！ウチの者！」
おばちゃん、台所から出てきて
おばちゃん「あら！」と指差す。
寅「誰なんだ！こいつは！」
さくら「どうしたのよ？」
寅「え！？冗談じゃないよ！」
さくら「あ、お兄ちゃんおかえりなさい！」
良介「今、押し売りが入ってますから、すぐ来てください」と
電話でしゃべっている。
寅「あ！！」と良介に襲い掛かる。
寅「このヤロウ！！」
さくら「お兄ちゃんやめて」
とさくら、止めに入る。
良介「奥さん、こいつ押し売りですよ！」
さくら「違うのよ！この人私の兄なの」
おばちゃん「そ、そ、押し売りじゃないんだよ」
寅「テメエ！ただじゃおかねえぞ！」
おばちゃんもさくらも必死で止めに入って大騒ぎ。
御前様は、『寅を見て押し売りだと思うのはむしろ正常な感覚です』
と後でさくらに言っていた（＾＾；）
寅「誰なんだ！こいつは！
いったいこいつは誰なんだ！！」
さくら「今説明するから落ち着いて！」
パトカーの音
さくら「あのねこの人…」
柴又参道
パポパポパポ〜〜〜！！！
パトカーと一緒に走ってくる米倉さん
手を広げ加速を図る米倉さん！！
猛然と飛ぶように走る米倉さん！！
狭い参道をパトカーがうなって走って行く
パポパポパポ〜〜〜〜！！！
源ちゃんも見ている。
米倉さん凄いパフォーマンスだ。さすが！
本編よりも面白いくらい（＾＾；）
もうこれは踊っていますよ（＾＾；）
平戸
クレジット ところは長崎 平戸島
平戸大橋
船の汽笛
失恋したと思っている良介の様子を見にきた寅
港のそばを歩いている。
良介、自転車を牽きながら
良介「ゆっくりしていってくださいよ、せっかっく来たんだから」
寅「いや、帰るよ、お前の元気な姿を見りゃ、オレはもう
用事済んだようなもんだよ！しかし、つまんねえとこだなあ、
面白くもなんともありゃしねえやおまえ」
とクスクス笑う。
良介「いや、魚は美味いですからねえ！せめて晩飯くらいは」
寅「いや、結構、うん。おまえそれよりも早く元気に
なって東京に出て来いよ、えー、こんな島で一日中
魚釣りなんてやってたらだめになっちゃうぞ頭が〜、えー、
じゃあな！」
良介「いや、ちょっと、どこいくんすか？これから」
寅「どこいくたって、これ持ってりゃ（カバン）行くとこ、
決まってるじゃねか。ま、親父とおふくろによろしく」
クレジット 中村 雅俊
良介「寅さん、オレェ〜、親父もおふくろもいないんだ」
寅「ほお〜、じゃあ、おまえ誰と一緒にいるんだ？」
良介「姉さんさ」
寅「姉さん？ふう〜〜ん、…、まあ、
その姉さん夫婦とやらによろしく
言ってくれや、な！」
と手を上げて去っていこうとする。
良介「姉さんには亭主なんかいないよ」
寅「…！」
寅、ちょっと反応（＾＾；）
寅、ちょっと戻って
表情でバレバレ
寅「ほおおー、姉さん独りもんか？」と興味津々
ああ〜〜〜っ…またいつもの癖が…(((￣(￣(￣ ￣；)￣)￣)))
良介「オレェ、姉さんと二人暮らしさ」
寅「ほおおー、んんェへン…、
なんとなくのど渇いたなあ…」
もう見え見え┐('〜`;)┌
明るい音楽流れる
良介「じゃあ、お茶でも飲んでいきませんか？」
寅「行きましょうか！！」とそそくさと走って戻る（＾＾；）
クレジット 寅さんの逢った素敵な人
藤子さんの店が映る
良介と藤子
寅と藤子仲良く寄り添って話をしている。
藤子のそばの花を採ろうとする寅
クレジット 藤村 志保
港で子供たちが釣りをしている。
見ている寅
クレジット 若者たちと寅さんが
幸子と良介が船に乗って平戸に向かう
クレジット 青春を謳歌する
汽笛 プォ〜〜〜！！
クレジット 大竹 しのぶ
サルの捕獲騒動をバックに
お馴染みのメンバーがクレジット
轟巡査の捕獲コントが見もの
メインテーマが流れる
別れの場面のさくらのアップ
クレジット 倍賞 千恵子
平戸の船長と牧師さんがクスクス笑っていて
船長「惚れとるバイ」
キャストクレジット
メインテーマ盛り上がり
オープニングシーンが映り、
藁の横で夢から覚める寅
カバンを持ったドロボウが走ってゆく
大声を出しながら追いかける寅
クレジット お待ちかね新春第一弾！！
クレジット 山田洋次監督作品
男はつらいよ 寅次郎頑張れ！
次週当劇場 大公開
やっぱり渥美さんの歌う「憧れのハワイ航路」ほんといい！
もうあのシーンだけで満腹です。
渥美さん、思いっきり自転車こいでた。元気だったなぁ…