TOKYOタクシー

人生最期の時  その孤独と諦観


   




ようやく年内ギリギリでTOKYOタクシー観ました。
山田洋次映画は葛飾の中川沿いの
『亀有』で観るべしですよね
この亀有アリオから徒歩圏で柳りつ子さん(岸恵子さんが演じていました)の
ご自宅です。
このアリオの橋のたもとは寅とりつ子さんが
話をして別れた『私の寅さん』でのロケ地なんですよ。
山田洋次監督映画にしては珍しく
今日は人が入っていますね。
100人かな。
日曜日だからかな。
平均年齢もいつもより若い
平均50から55歳くらいかな。
で、……
鑑賞しました。
帝釈天二天門シーンでは
なんと僕の家のバルコニーが2回映りました!
まさにあの二天門ロケの時僕はそのバルコニーからロケの様子を見てました。
タクシーが低いカメラ位置で下から上を見上げる瞬間があるんですが
その時僕のバルコニー2回映るんです。
危うく僕が映ってたら間違いなく
撮り直しだでした。
危ない危ない
今も心に残るのは
本編のラスト付近でね、
倍賞千恵子さんが木村拓哉さんと最後の最後
深夜に葉山の高級施設でお別れする時に
2回サヨナラをします。
美しくチャーミングな
でも少し悲しげなサヨナラ
そして、最後にエレベーターが閉まる
その瞬間にもう一度
怯えるような不安な心持ちのサヨナラ
いやーさすが倍賞千恵子さんは
魅せてくれます。
ある意味
スクリーンに広がる
倍賞千恵子さんの円熟の演技を
じっくり見に行く映画ですね。
ハラハラドキドキのエンタメ見たい人には
おすすめしません。
山田洋次映画とは無縁の人生だった人にも
おすすめしません。
やはり上品な薄味ですからね。
起伏はさほどないけど、なんという
安定感でしょうか。
薄味かもしれないし、
何もおこらないかもしれないけど、
この監督さんの世界はやはり信用できる。
僕にいつもそう思わせてくれるのが
山田洋次映画です。
他にはもういません。
木村拓哉さんは自然体なれど
高度で繊細な演技でした。
こんな普通の人の普通の人生も
表現できるんだなと。
大スターさんなんですが
実はひとりの俳優としてとても奥が深いんだなと感じました。
しみじみ思わせてくれました。
そしてなによりそれは誠実さに支えられているんなんだなと。