2025年3月17日
さようなら かがりさん


昨日、夜の遅くに
是枝裕和監督の中で一番好きな「歩いても歩いても」を
鑑賞しながら絵の制作していました。
是枝裕和監督作品の中で一番好きなのはこの「歩いても歩いても」で、もう何度観たかわからないほど何度も観てきました。
海での人助けのための事故で長男を失ってしまった埋めることがどうしてもできない悲しみとその日常の心の襞を繊細においかけた
日本映画の傑作と僕は思っています。
その映画の後半部分で
いしだあゆみさんが歌う「ブルーライトヨコハマ」のシングル・レコードを母親の樹木希林さんが家族の前でかけるんです。
実はその歌の思い出は母親にとって哀しい思い出が潜んでいたのです……。
ブルーライトヨコハマの歌の歌詞の中にも「歩いても歩いても」というフレーズが何度も出てきますね。
いしだあゆみさんが
ブルーライトヨコハマのあとに出した曲が
シリーズ前期の男はつらいよで寅が口ずさむあの歌でしたね。
みなさん
あの、寅も口ずさむ、
いしだあゆみさんの歌を
覚えていらっしゃいますか。
やはり、男はつらいよ 第29作「寅次郎あじさいの恋」での
かがりさんですね。
僕は昔、自分の本編完全版で、彼女のことを
青白く輝く月光の魅力と書きました。
かがりさんは
月光の青白い光の中に燃えるような情念を隠し持つ人でしたね。
その心を高羽撮影監督さんと山田洋次監督は彼女の足首を映し続けることによって、
彼女の隠しきれない情念を見事に表現していました。
一番印象的な作品は
駅STATION
雪降る銭函駅ホーム
あの、ファーストシーンの健さんとの別れのあのいしだあゆみさんの演技でしょうか…
いしだあゆみさんとは
どんな役者さんでしたかと聞かれたら、僕はあの銭函での
別れのいしだあゆみさんを観てくださいと言いますね。
いしだあゆみさん 数々の感動をありがとうございました。