蛍子さんと三郎青年、愛の谷津遊園ロケ地調査




現地取材2016年12月16日

追加で、再訪取材2022年10月24日









ご注意
私のサイトの全ページはお手軽に見られるスマートフォンには対応させていません。ノートPCなどでご覧下さい。
スマートフォンで見られる方は文字や構図がガタガタになります。申し訳ありません。









千葉県習志野市谷津地区にあった谷津遊園は、コークスクリュー(ローラーコースター系)を始め、
23種類ものいろいろな施設が盛り沢山にあり、
黒字にもかかわらず東京ディズ二ーランド開園予定の影響で
多くのお客さんたちに惜しまれながら1982年12月下旬に閉園した。
大正14年から開設してきた長い歴史に幕を閉じたのだった。
谷津遊園の従業員たちはほぼほぼ新しくできる東京ディズ二ーランドに就職を斡旋された。


全体の敷地はかなり広大↓






閉園の少し前、閉園のことを知った山田監督によってここをロケ地にすることが決まった。
ロケ撮影が1982年10月〜11月なので、閉園のわずか1か月半ほど前に撮影したことがわかる。


そして時は流れ・・・・34年後、2016年の現在

谷津遊園はもうどこにも存在しない。

広大な土地の一部は東は団地群になり、道路になり、一部は保育園になり、
そして大部分は習志野市が買い取り、公共の「谷津公園」になった。
谷津遊園に併設されていた『谷津バラ園』だけが今も残され、営業が続いている。


映画でのロケ場所は広大な遊園地のほんの西側の一部だ。
東方向にはプールや数々の遊具が設置されている。






現在は航空写真ではこうなっている↓。
ロケ撮影が行われた場所は今は「習志野市の「谷津公園」と保育園になっている。
東の場所はこのように道路や団地群や病院や住宅や学校などが建っている。






1975年の航空写真と現在の航空写真を比較してみた。
ポイントとなる
明治パーラー風景
チンパンジーと三郎エリア
三郎の館
蛍子さん来訪場所

などの映画カメラ位置を入れてみた。↓↓


黄丸は明治パーラー風景シーン
赤丸は幼稚園児たちシーン
水色丸と青丸はチンパンジーと三郎シーン
黄緑丸は蛍子さん来訪
ピンク丸は三郎の館
白丸はチンパンジー棟


公園の外の道は曲がり方など現在も変わっていない。

1979年と2022年 左右いろいろ見比べてください。遊園のメインロードとロケ位置
 




1979年の航空写真は飼育係の棟が出来ている。

 



 


    
紆余曲折の末にこの位置に決定!








■1982年の谷津遊園閉園からた7年しか経って現在の様子に近くなってきている。1989年と現在2022年はほぼ同じ

訂正:この航空写真は1984年ではなく1989年





と、いうことで、
今や「谷津公園」や保育園なので、ほぼほぼ面影はないのだが

私が現地で取材した写真や映像&当時の航空写真と今の航空写真で
詳細に被写体ポイントを押さえることができる。











【それでは、映画の中の主なシーンを現地に合わせていこう↓】







谷津遊園にはこの日はBGMで
ヨハンシュトラウス2世の「ウイーンの森の物語」が流れている。



■園内の明治パーラー風景


当時のカメラ位置は、もう今は、隣接する保育園の敷地の中になってしまっている。


こちらは明治パーラーの中のやや後方 パーラーの館からはやや離れている。




こちら↓は別の日という設定。
明治パーラーの一番檻に近づいた場所









ハンバーグ       650
ハンバーグエビフライ 680
ハンバーグカレー   700
ハンバーググラタン  700
ハンバーグエビフライ 800


プリンアラモード    400
チョコレートパフェ   400
ピーチメルバ      400
パインメルバ      400




この2つの明治パーラーシーンはそこそこ離れている。







この写真は2016年↓保育園の完全な中は許可なしでは絶対に中には入れないので、
外から手を伸ばして撮影。
前方に見える公園のはるか向こうが観覧車があった場所。
↑の航空写真参照してくださいね






そして・・・



■最初の取材から6年後 2022年10月下旬再訪


保育園のスタッフさんに事情を説明して、許可を得て、
明治パーラーがかつてあった現在の保育園の館の玄関テラスあたりから2分間ほど
映画撮影時の位置から、だいたいではあるが同じアングルで撮影させていただいた。


■滑り台のやや右、すぐ向こうがチンパンジーの檻だった。

ジャングルジムの延長線当たり・・・、はるか向こうに大観覧車があった。


 (※これらの保育園写真↓に関しては無断使用をご遠慮願います)
 


 写真を大きくすると公園との方角が把握できる↓

 



1979年と2022年 左右いろいろ見比べてください。遊園のメインロードとロケ位置

 





1979年と2022年 全体比較 二人の歩いた道と経路

 










■1982年の谷津遊園閉園から7年後、現在に近くなっている。1989年と現在2022年はほぼ同じ


訂正:1984年ではなく1989年


    
紆余曲折の末にこの位置に決定!





■メインの道から見たチンパンジー棟いろいろ


動物たちの檻が並んでいた。↓航空写真で場所を確定していく。
背後は『民間のスイミングプール』





建物がもうなにも残っていないので・・・このあたり、という感じ。(東西南北のどちらかに数メートルの誤差はあるでしょう)






全てを包括するやや引きの構図が無難かもしれない↓









■三郎が、L字の角の檻の中に入って仕事しているシーン。


横に曲がってさらにチンパンジーの檻が続いている。

ずっと向こうに新しい白い飼育スタッフの建物が見える↓













イメージとしては、やや左奥を見せているこちらの方が良いのかな...↓









檻から、部屋の中に入る三郎 カメラはやや右に移動する。
















■L字型のチンパンジーの檻の角の部分と働く三郎







かつてはこの前を大きなメインの道が通っていた。







やや引いて撮影








★発見!!↓

■大観覧車シーンからも、三郎が檻の中でいたチンパンジー棟角や
1978年頃に新しく作られたと思われる飼育係棟が見える!!大発見だ(⌒∇⌒)










1979年と2022年 左右いろいろ見比べてください。遊園のメインロードとロケ位置

 





1979年と2022年 全体比較  二人の歩いた道と経路

 










■1982年の谷津遊園閉園から1989年へと7年で現在とかなり似てきている。1989年と現在2022年はほぼ同じ

訂正:1984年ではなく1989年





    
紆余曲折の末にこの位置に決定!






三郎が働く谷津遊園のチンパンジー棟ロケ地解説https://youtu.be/7WQbEuawJRM








■L字空間 飼育係の部屋の前シーン べべを世話する三郎







閉園後、すべていったん更地になっているゆえに現在の区切りと映画当時の建物の位置はなんの関係もないが、
一応想像しやすいゆえに、現在の区切りを利用して撮影してみた。




本当の位置よりかなり右にずらしてみる。少し引いて無難な構図で撮影しておく。↓






本当の位置はここ↓ 左にずれる。

 








ここから映画では話は飛んで


映画物語の後半部分に再度谷津遊園が映し出されます。



三郎が愛の告白をする日です。

この日は谷津遊園では

ワルトトイフェルのワルツ『女学生』がBGMで流れています。





■奥の檻の方で四角い穴からチンパンジー^たちが覗いている。















その直後、三郎がバケツ持ってドアから出てくるあの棟




















■運命の日 悩める蛍子さん来訪 




飼育係の作業所ドア付近









蛍子さんを見つけ 驚く三郎


このシーンは今までとは逆の方向からのカメラ(西から東方向)
もう今や現存するのは近くの道路の形のみ。
航空写真で全て照らし合わせていく。














左のチンパンジー棟と右向こうの噴水で位置がわかる。





閉園後、すべていったん更地になっているゆえに現在の区切りと映画当時の建物の位置はなんの関係もないが、
このシーンも、一応当時を想像しやすいゆえに、現在の区切りを利用して撮影してみた。






別の日に撮影してみた本当の蛍子さんの待っていた本当のカメラアングルポイント↓
今は滑り台などの遊具があり人気スポット(⌒∇⌒)






今度は横からのアングル↓ 向こうのチンパンジー棟がしっかり見える。






ちょっとアップ気味のカメラでこの横からのアングル全体を撮るとこうなる。






正確にはこのように↓前に出るかな・・・






大観覧車シーンから見える蛍子立ち位置と前半シーンの三郎の檻






 



数年前に出来たばかりの飼育スタッフたちの棟に入っていく三郎





広めに撮ればこうなる↓





ピンポイントで絞ればこのあたりかな↓







ここはそのまま北東にずれたところだが、ここのエリアの方がそれらしい雰囲気がある。














蛍子が三郎に会いに来る
谷津遊園のチンパンジーエリアロケ地調査動画
https://youtu.be/MkixeZFCXZM







そして




心に秘めてきた大事なことを言うために三郎青年は蛍子さんを大観覧車に誘う。




1979年と2022年 二人の歩いた道と経路

 








    
紆余曲折の末にこの位置に決定!






■1982年の谷津遊園閉園から7年後、1989年と現在2022年はほぼ同じ

訂正:1984年ではなく1989年









三郎と蛍子さんは本来の道の横の道を通っていく。



この矢印の方向で、二人は歩いていく↓










翌日訂正↓

上のピンク矢印よりも3メートルほど右でしたね↓









三郎と蛍子が歩く谷津遊園の道ロケ地解説
https://youtu.be/YqKQXE_FjTc














1979年と2022年 左右いろいろ見比べてください。遊園のメインロードとロケ位置

 







1979年と2022年 全体比較 二人の歩いた道と経路

   













■1982年の谷津遊園閉園から7年後、1989年と現在2022年はほぼ同じ


訂正:1984年ではなく1989年









大観覧車の方向へ歩いていく二人↓




















今度は逆方向のカメラが二人が階段を駆け上がるのを映す。



ここに↓大観覧車への長い階段があった。すぐ前にはバラ園がある。

現在的にはこの大観覧車の階段はなんと外の歩道や車道まではみ出している。





観覧車自体と長いジグザグ階段は少し離れているのだ。






















  




1973年の大観覧車の長い階段






観覧車自体と長いジグザグ階段は少しだけ離れているのだ。











■ストリートビュー
大観覧車の長い階段があるゆえに
現在の位置的にはなんと車道の端まで伸びてしまう!
https://goo.gl/maps/UvRWWCc2zYQq29ZS6

















大観覧車の当時の長い長い階段は、歩道を越え、少し車道にも入っているのかもしれない






もうちょっと左の位置で右へのカメラかな・・・ここらへんかな↓





















1979年と2022年 二人の歩いた道と経路

 





■1982年の谷津遊園閉園から7年経って1989年と現在2022年はほぼ同じ

訂正1984年ではなく1989年






注意

閉園の後、数年後には観覧車の階段近くに広めの車道ができているので、
現在階段シーンを撮影しようとすると道脇の歩道や車道に出てしまうことになる。





大観覧車の階段を上がっていくシーン
ロケ地調査動画
https://youtu.be/k_UHfde_oJ4









谷津遊園時代に隣接されていたバラ園だけは今も残っている。観覧車はもう無い。

バラ園に入館し、同じ位置から撮影した↓


















本編での谷津遊園物語詳細↓




谷津遊園


チンパンジー舎の外で蛍子さんが待っている。

三郎青年見つけてびっくりする。


ちょっとはにかんで照れる蛍子さん。



      




この表情がとっても素敵でした。

      



三郎青年「あー、びっくりしたなあ

蛍子さんのところへ駆け寄って

三郎青年「どうしたのいったい

蛍子さん「今日休みだから、寅さん所へ行ってね、帰りに足伸ばしたの

               


蛍子さんの家は千葉の船橋、習志野の谷津遊園とはそんなに離れていない。


三郎青年「そうか、ちょっと待ってて


三郎青年は大事な話があるらしい。



園内を歩きながら

三郎青年「何度も電話しようと思ったんだけれども、しにくくて…

携帯の無い時代は向こうの家族に知られてしまうんだよね。


蛍子さん「どんなこと?

               


三郎青年「蛍子さんも話があるんだろ?それ先に

蛍子さん「三郎さんのほうが先に話してよ

三郎青年「うん…

三郎青年は蛍子さんを大観覧車に案内する。


係りの桜井センリさんが暇そうにしている。

三郎青年「オヤジさん頼む」と拝みこむ。

桜井さん、振り向いて蛍子さんを見る。

桜井さん「めずらしいね、あんたにしちゃ


観覧車のドアを開けて

桜井さん「さあどうぞ

二人入る。

向かい合わせに座った二人に

桜井さん「並んで座りなさいよせっかくだから

三郎青年を蛍子さんの隣に座らせる。

桜井さん「ごゆっくり

この桜井さんの芝居は上手かった。
今でも思い出すたびに、しみじみいい芝居だと思う。



               




ゴンドラの中


三郎青年、真剣な顔して

三郎青年「べべのことなんやけど…

蛍子さん「…え?
               
三郎青年「あ、僕が育ててるメスのチンパンジーの名前


蛍子さん、ちょっと拍子抜けした感じで


蛍子さん「ああ…

三郎青年「近頃なつかなくてね…


下を向いてしまう蛍子さん。

三郎青年「こないだも腕のとこ噛まれたりなんかして

蛍子さん、ちょっと笑って、また動物の話題か…と、淋しそうに

蛍子さん「たいへんね」と言ってあらぬほうを向いてしまう。

三郎青年「訳を考えてみたんやけど…結局…、僕のほうが、愛情を感じなくなってしまったんや

蛍子さん、とりあえず

蛍子さん「ふーん」と適当に頷く。

三郎青年「いつごろからこんなふうになったかというと、
    つまり…、蛍子さんにおうてからなんや



はっとする蛍子さん。

蛍子さん「

               


三郎青年「それまではべべのこと、動物というよりもまるで自分の子供のように思ってたんやけど、
     蛍子さんにおうてからは、もうただの動物でしかないんや…



蛍子さん、三郎青年のほうをゆっくり向く。


三郎青年「だから…


蛍子さん「だから何?


               



と真剣な眼差しになる。



三郎青年遠くを見ながら



三郎青年「結婚してくれないかなぁ…


               



蛍子さん、呆然としてその言葉を聞いている。

蛍子さん「



蛍子のテーマが流れる。



三郎青年「
それが僕の用事なんや


蛍子さん「私を…好きなの?


               


三郎青年振り向き、蛍子さんを見つめ、頷く。

蛍子さん「口で言って…

三郎青年、蛍子さんを見つめ


三郎青年「好きや…


               



二人キスをする。



               



高まる蛍子のテーマ



ゆっくり大きく回る大観覧車。




三郎青年の肩に顔をうずめる蛍子さん。

三郎青年「蛍子さんの用事は?

蛍子さん「もういいの

三郎青年「大事なこととちゃう?

蛍子さん「うん。でももういい…



               




蛍子さんの肩を抱きしめる三郎青年。


観覧車がゆっくり回っていく。


バラ園のバラが赤く咲いている。






    






以上

今はなき、谷津遊園ロケ地探訪でした。