.

号外!!

あの第1作「男はつらいよ」の
寅と博の屋形船の残骸を発見!!




     









現地ロケ説明動画
https://youtu.be/Gowo4otfiNA




普段はこの屋形船の残骸は江戸川の水の中。


ただし、、雨が一週間ほど降らないと江戸川の水は引く。

そうすると、このように屋形船が姿を表すのだ。

地元の人は、この残骸を昔からご存知の方もいるようだ。



     




     丸い網が見える。

     





     




     3日連続晴れたので 今日は昨日よりさらに水は引いていた。↓

     





     この写真は1月20日↓↓ 4日連続快晴ゆえに、
    江戸川の水はかなり引いた感があり、船の全貌が見えた!

     









    1週間前の取材では、前日に一日中小雨だったゆえにこのように↓↓残骸は水没状態だった。
   雨が時々降るとこういう状態が多い。


  







   矢切の渡しの舟の上から屋形船の残骸部分を望遠で撮影。

    







     矢切の渡しの舟の上から屋形船の残骸部分をさらにグンっと望遠で撮影。

     






このピンポイントは
「男はつらいよ」の現地調査としては世界初!!











まずはどんなシーンだったか思い出していただこう↓↓




江戸川河川敷



屋形船が停泊しているやや下流の場所。





タコ社長が屋形船の方へ走って来る。



社長「おい、みんな、喧嘩やめな!喧嘩しちゃいかんよ!
  みんな!喧嘩するな!喧嘩しちゃいかんよッ!


網に引っかかって


社長「
ウワァ〜!だれか助けてくれッ


と言いながら、ネットにかかってしまう。




             




登「やいやーい犬殺しにあったチンコロみたいに
 あわっつれやがってえ!


社長「や、やめなさい

登「今なーおまえんとところの頭とナシツケてんだい!

社長「博は大丈夫か!

登「ガタガタするなあ!

社長「大丈夫かよお!

工員「大丈夫ですよ博さんだって昔は相当やってたんだ
  生かすなり(殺すなり)あんなやつの
  二人の三人どうってことないですよ


社長「そうか?


工員一同「そうですよ、そうですよ」




屋形船の中



寅「オウ!文句あんのか!!

博「大学も出てない職工にはさくらさんを
  嫁にやれないって言うのか!!


寅「おう、当たり前よ!文句あんだったら腕で来るか!

博「じゃあ聞くけどな

寅「なんだい!

博「あんた大学出か?


寅「


博「もし、仮にあんたに好きな人がいて、その人の兄さんが
 お前は大学出じゃないから妹は
 やれないって言ったらあんたどうする?



寅「なになに?俺に好きな人が居て、その人に兄さんが?
 バカやロウ、いるわけないじゃないか!冗談言うない!





                   



博「仮にそうだとしたら、今の俺の気持ちと同じになるはずだと

 寅「冗談言うなよ!お前と同じ気持ちに
  なってたまるかい!バカにすんなよこの野郎!



博「なぜだ?


寅「何故だ?おまえ頭悪いなおい、
 お前と俺は別な人間なんだぞ
 
早い話しがだオレが芋食って、
 おまえの尻からプーと屁がでるか?

 どうだ!ざまあ見ろい!
 人間はね、理屈なんかじゃ動かないんだよ!
 えーっ?いいてえことがあったら言ってみなよバカ



↑このギャグのバリエーションは
「ハイビスカスの花」でも出てくる。



博「…兄さん!それじゃ聴きますが、


寅「なんだい


博「あんた女の人にほれたことがありますか


寅「…?



博「どうなんですか?一度もありませんか?
 ええっ?兄さんも男なら、一度ぐらいは心の
 そこから女の人を愛したことがあるはずだ!
 あるでしょう!


寅「…??…!!あれえェ?この野郎!
 てめえさくらに惚れてやがんな?


寅「このやろう、女とか、愛だとか、
 
ハチの頭
だとかアリのキンタマだとか
 
ゴタク並べやがって…おいッ!てめえようするにさくらのこと
 女房にもらいてえんだろ!




                    




博「いやあ、何もそこまでは


寅「じゃあ、てめえ惚れてねえって言うのか?


博「いやあ、ほれてます


寅「じゃあどうなんだよ!ええっ?
 はっきりしろよっ!お前



博「ですからその親兄弟も居ないも同然だし、
 大学も出ていないから…


寅「…ペン!おい、こら、青年、お前大学は出ないと
 嫁はもらえないってのか?ああ、
 そうかい手前はそういう主義か




おいおい、昨日からさっきまで
寅が工員たちに言ってたことだよヾ(- -;)




博「ですから僕は兄さんにですね



                   




寅「おい、兄さん兄さんて気安いよ
 このやろう。まあいいよ、え?
 勝手にやったらいいんだい民主主義の世の中だ
 交際だろうとキッスだろうとペッチングだろうと
 お好きなようにしなさいよ




寅にしては、なかなか大胆な発言だ。
こういうダイレクトな性的表現を寅がしたのは
跡にも先にもこの時のみ。


博「
…はい



寅「はいってやるのお前?ほーたいしたもんだよ!
 その面で女口説けんのか?言っとくがな、
 さくらはそうとう気の強い
 女だぞ!お前自信あんのか?



博「いいえ、ありません



寅「『いいえ、アリマセン』…すっぱらかったら
 イイってもんじゃねえや、
 ったくなさけない野郎だなァ〜オレが
 ちょっと教えてやろうか、え?




                         
 いいえ、アリマセン
                      





博「お願いします兄さん



寅「兄さんはまだ早いッて言ってる…バカヤロウ!」


テーブルの足が折れてステン!とこける。

博、笑う。




寅「
笑うこったねえだろう



                     





という内容だった。







この第1作の屋形船は、1969年の映画以降、
当然すぐに他の場所へ移動してしまったものだと思い込んでいたのだが・・・・
それでも2年後の第6作「純情編」ではOPの歌のシーンの航空映像で
屋形船が同じ位置で映りこむのだが、
なんと1979年の国土地理院の航空写真の時まで
1メートルも沖にずれないで、この位置で屋形船は存在した。

そしてなんと現在も残骸は、水の力で、やや沖にずれたが、
ほぼ同じ位置で水の中に半分沈んでいるのだ。
雨が何日も降らない日が続くと残骸はその姿の全貌を見せる!



↑にも書いたが、この調査のきっかけとなったのは
同じ「男はつらいよ」の第6作「純情編」OPの歌のシーンで
柴又の航空映像が映るのだが、その時になんと
第1作のあの屋形船が映っていたことだった。



   第6作「純情編」OPの航空撮影映像。
   赤丸はタコ社長が走る背後に映る当事の山本カメラ部品工場のビル。現在の『寅さん記念館』付近。
   黄緑丸が寅、ピンクは博、黄色は登、水色はタコ社長と工員たち。


    





    現在の位置的にはこのようになる↓

      




    白黒航空写真で赤い囲みが川甚。画像黄色丸が矢切の渡し。青い囲みが山本カメラ部品工場(現在の寅さん記念館の位置)

    この屋形船が停泊していたのは赤丸の場所。白黒航空写真は1966年。

     







     映画撮影の3年前、1966年の時点では屋形船は無かった!!





   上の1966年の白黒航空写真をアップしてみる。映画撮影の3年前だ。
   屋形船はこの時点でまったく存在していないことがわかる。


     
     






    黄緑は矢切の渡し。青は川甚。
    黄色はタコ社長が走るシーンで背後に映っていた山本カメラ部品工場のビル
    ピンクは工員たちが立っていた場所。赤は寅と博の屋形船が写っている。

      




     拡大するとこうなる↓↓


     1975年の航空写真にもはっきりと1969年撮影当事の屋形船が全く同じ位置で写っている。↓↓

    





     第1作の映画撮影から10年経った1979年の航空写真
    
ほぼ沖に動かないで、ほぼ同じ場所に屋形船があることがわかる。

     






   1984年の航空写真。もうこのころには屋形船の営業は止めていたので、
   船自体は木々が覆い始め、朽ちて行っていたことだと思われる(赤丸)


     





     1989年。航空写真で見る限り、屋形船は数十センチ沖にずれたが、
    ほぼ同じ位置で半分沈んでいるようにも見える。


     





      航空写真で見るかぎり屋形船はかなり沈み、朽ち果ててきている。

      





     現在は大きな駐車場になっている。
     地形が若干変わってしまっているかもしれないが・・・

     なんとうっすらだが現在の航空写真でも屋形船の残骸は見える!!
    

   【
カメラ位置とアングル
   タコ社長が土手を下りてこちらに走ってくるシーンはピンク
   屋形船の全貌が映るシーンが水色
   タコ社長が網に引っかかって工員たちに助けを求めるシーンが黄色

     






     アップにして見ると現在の航空写真でうっすら屋形船の残骸が見えているのがさらにわかる↓
     1969年ごろと比べてほんの少し1メートルほど沖に流された可能性がある。

       

















それでは映画撮影当事のアングルを
現在の同じ場所で再現してみよう。







     タコ社長がこの喧嘩を止めようと土手から草っぱらに走り下りて来る。右から走ってくる。

     




     同じアングルで撮影するとこうなる。
    この草っぱらは、1980年代前半からグラウンドになり、現在は駐車場になっている。


     







     タコ社長は右側から走ってきて、屋形船の目の前の網に引っかかってしまう。
   
     





     現在の同じアングルはこうだ。 細い道は駐車場ができた今もわずかに名残を残している。


     







     そして最も屋形船の全体が映るのがこのシーン。


     




     同じアングルで撮影。左端に常磐線の鉄橋が見える。矢切の渡しの千葉県の矢切側の森も見える。

     





     カメラはもう少し後ろから・・・

     





   本編の構図に合わせると、もう少し後ろに下がって撮影。こうなる↓↓

     

     


     ↑では、船が見えないので・・・その中間がこんな感じかな↓・・・

     







  残骸の動画取材もしました↓↓
 https://youtu.be/Dz1y3_-rvoI





     
     








     川下には北総線の鉄橋が見える。

     




      柴又側の『矢切の渡し』乗り場と矢切側の乗り場が見える。

      








     船宿『川勇』と読むのかな・・・お品書きなどがある。

    
川魚 休所 貸席 納涼船 ・・・  投網船

   
柴又 658 7970

     





     映画と同じアングルで撮ってみた。

     






     

  『川勇』



     



     船にくっ付けられた旗には『江戸川屋』と書いてあるが、これは真新しい旗ゆえに
   ロケ用に山田組の美術さんが作った物なのは間違いないだろう。


     





この船宿『川勇』
1970年代ごろまで宴会などの営業をやっていたが、その後、
保健所から衛生的なクレームを受け、廃業になったとか。

そして川で生計を立ててた人が住んだり通ったりしていたが、
その後、その人も行方知れずになり、
誰も住まなくなり、遂には船は放置されて行った。と、
少しの聞き込みや、柴又の年配の方々の風の噂で聞いたことある。



矢切の渡しの4代目の船頭さんである杉浦勉さんにもお話を少しお聞きした。
親切に名刺もくださった。

あの船は昔は「砂船」と言って、江戸川にたくさん存在し、
川底の砂を掘って売る作業の船だったのを引き取って
ああいうふうに川漁師の作業着や道具を置く場所に使っていた。
その時代が長く、いわゆる屋形船としてはほとんど使ってはいなかったそうだ。
川漁師は船に住んではいなくて通っていたということ。
川漁師と言っても、さほどそれで生計を立てれるほどの仕事量ではなかったとのこと。
あの屋形船は一時期火事になり燃えたり、北総線の鉄橋にぶつかって壊れてしまったりと
いろいろ受難があったそうだ。


ひょっとして1979年の航空写真では2隻あったので
その2隻のうちの1隻が鉄橋にぶつかって破壊されたのかもしれないなんて
杉浦父子さんのお話を聞いて、勝手に想像している。


    息子さんが名刺をもらっといたらいいよとおっしゃって、お父さんにお願いしてくださった。

    



柴又から矢切への行きは、客は僕一人だけだった。
矢切方面へは川下になるゆえに、
杉浦さんの息子さんは櫓(艪)を使って矢切まで行ってくれます。
いろいろ、僕の質問にも答えてくださった。



    





息子さんの杉浦尊(たける)さんの話では

一時期 蕎麦を食べさせてたり、川魚のてんぷらを出したりしていた時期があるということ。
そのうちに火事になったり北総線の鉄橋に流されて破壊されたり・・・・(^^;;


映画の中の屋形船の内部撮影はこうだ。↓↓



     


 
      昭和43年2月大吉の魚拓がドーンと飾ってある。

     






     このシーン、窓の外を見ると、
   船の横を横切るように板が川まで続いている。小さな船を出すこともあったのだろう。


     





      屋形船の中の二人の会話の時のカメラアングルはこうなるのかな↓↓

      




     網が船の中に捨ててある。



     





     





     










さらに翌日残骸を再び取材。一脚を使いかなり近場で動画撮影してみた。

https://youtu.be/Dz1y3_-rvoI







さらにそのまた翌日、晴れた日が続いているゆえに
さらに水は引いておおよそ全体が見えるようになった。

https://youtu.be/0lXvLpWSwLc







さらに本日1月20日 快晴で波は無く、水はさらに引いていた。
快晴はもう4日連続だ。

https://youtu.be/sF8KmlcriF8






【追記】
1月21日 今日で5日連続快晴でした。
明日から天気がぐずつきますので
夕方総集編的な説明付きの動画を撮影してみました。

https://youtu.be/Gowo4otfiNA






   矢切の渡しの船の上から望遠で撮影してみた。↓


     














追記


本日2021年1月21日 第11作「忘れな草」のOP歌のシーンと
第13作「恋やつれ」の舟遊びシーンでも
この屋形船が遠く映りこんでいるのを発見した。
実はDVDでは判別できなかった。
blueレイでようやく判別できた(*^.^*)




    第11作「寅次郎忘れな草」OP歌のシーン。矢切側から舟に乗った時に対岸に映る。
    




    



    第13作「寅次郎恋やつれ」舟遊びシーン ブルーレイでのみ判別できる。
    




     はっきりくっきり補正すると見えてきた・・・

     



  
第11作のように、今も、矢切側の渡し場から屋形船の場所が見える。
  
















    鳥と残骸  ハクセキレイ





         






      






      





      






     






      






      







       






       





       






       






       





       







    冬葦や つわものどもが ゆめのあと