第9作『柴又慕情』ラストシーン探訪


疾走する中央本線SL


歌子ちゃんの蜜月の窯場とペプシの木造の橋



























柴又慕情のラストシーンといえば、ご存知、
暑い中、背広を脱いだ寅が田舎の木造橋を渡り、
川原で野○ソをしていた登と再会し(^^;)、

ペプシコーラのトラックに乗って走っていくあのシーンだ。


印象的だったのは、あのペプシのトラックが通る道ラストシーンに架かる木造橋。



かつて、2010年6月。
あの場所を世界で最初に見つけたのはなんと私のバリ島時代からの親しい友人で
寅さん好きでもある加納さんだったのだ。


彼はバリ島から帰国した時は、
岐阜県瑞浪(みずなみ)市土岐町にずっと住んでいるのだが、
昔、2010年のテレビ放送で「第9作柴又慕情」を観た時、
あのラストシーンの風景がどうも見覚えがあると思い、ビデオで確かめられたところ、
なんと!自分の近所の橋だったああ!!…ということらしい。

こんなことがあるんだな…、と今更ながらに当時メールを読んだ私も驚いたわけだ。



半信半疑で驚きのメールを返信すると、今度は直接岐阜から電話がかかってきて、
なんとあのペプシコーラのトラックに乗って寅と登が去っていったラストの道は、彼がいつも車で通る近所の道だそうだ!
あの川は瑞浪市を流れている美しい土岐川。その味わい深い木の橋は数年前の洪水で壊れてしまい、
少し下流に普通の橋が作り直されたそうだ。


今から5年以上前、
恥ずかしい話だが、私はずっとあのラストの場所を、適当に静岡か山梨か福井かだと思っていた。
もちろんどの本にもどのサイトにも当時あの場所は書いていない。検索しても何も出てこない。
もう残るは、最後の手、松竹の当時のロケハンのスタッフの方に恥を偲んで聞くしかなかったのだ。


で、さっそく私は、長年のよしみで、加納さんに、厚かましくも彼に現地に行って写真を撮ってくれるように頼んだ。

彼はもちろん快く引き受けてくれて、さっそく翌日の時間が空いた時に、車で5〜7分ほどの
現場まで彼のパートナーの「ぽめさん」と一緒に調査をしてくださったのだ。

まず現場での聞き取り。…とはいえ、ご近所なので現場付近には当然何人か知り合いの人がいるらしく
みなさん、この橋のところで「寅さんロケ」が行われたことをしっかり覚えていらっしゃって「証人」になって
あげると加納さんに言ってくれたりしたそうだ。こういう時は地域共同体というのはありがたい(^^)

この、元あった橋の袂の住所は
【岐阜県瑞浪市土岐町3006-3】(一般的には土岐町下沢地区)



加納さんが2010年7月に撮影してくれた写真に
当時、息子に合成してもらったかつての木造橋








      

      



地図をもう少しア
赤色の線が、今はなくなってしまった木造橋の場所。
青色の点は寅と登が北から来たペプシの車を止めた場所。↓
一番下(南)の白色の橋は、元の位置から下流100メートルに新しく架けられた橋。


今回の調査で
橋詰に今もお住まいの「
稲垣さん」の奥様に当事の木造橋の位置の証言をしていただいた。



      







 この画像は、今回一緒に行った寅福さんが後にご自分のHPにアップされた
 国土地理院の1971年当事の航空写真を拝借しました。


    






航空写真の赤で四角く囲ったところが数年前まで橋のたもとがあった場所。
斜めに走っているのが中央本線の線路。



      








    





       2010年7月当時
     上から見た風景に、かつての木造橋を合成してみた

      












あれから5年半以上経った2015年12月、


ようやく私たちはこの岐阜の土岐川の辺にやって来たのだ。








      




      橋の向こうの『横長の屋根の家』は今も健在ゆえに位置がわかりやすい。
     ちょうど右に見えるガレージのあたりに橋が架かっていたのだ
     これは川のほとりまで降りていって、一脚で手を伸ばして撮影したもの。


      







      真横and下からの構図は川の流れも水の量も変わってしまっているので現在は撮影できない。

      






    川に下りてギリギリで一脚を使って撮影してみた。

    




     新しく出来た橋からの望遠で川を真横から撮影。

     




    






    橋がないのでわかりづらいが・・・

    






   向こうに見える建物は全部変わってしまったが、撮影当事と電柱がほぼ同じ位置にある。


    






     






   ということで、このあたり↓に木造の橋が架かっていたことになる。
  撮影当事、ペプシトラックの道はもっと狭く、川の水は手前まで
  迫っていた。このガードレールのところもまだ川の端だった。

   







    当時は川の流れが手前までしっかりあったが・・・

    






    現在、川の流れがかなり変わってしまっているので、登がいた川原は、
   もう、このような川でない風景になってしまった。


    








     家の屋根瓦に注目!!

     






   昔は川の端だったところが、道路拡張で川が家々から遠くになってしまい、
   このように家の屋根が崖下からは見えなくなっている↓


    







      近づいてみると・・・
     道幅は広くなったし、川の流れも川幅も大きく変わってしまったが、この家の屋根瓦が今もまったく同じ!!


      






    このシーンは、物証が今でも健在!

    





    今も残る同じ家!!

   








    橋の真正面にあったこの家は、現在車の駐車スペースになってしまっている。

    






    






    本編に映っていた寅の位置に立つとこうなる。↓

    






     






    寅と登を乗せた黄色いペプシのトラックが走り去り・・・

    






  中央本線のSLが走るラスト

   





  現在は、見てわかるように、橋の位置も、川の流れの位置も川幅も激変してしまっている。
  背景の丘と手前の2軒の家に面影がしっかり残っている。




  見事に中央本線が同じ方向に通過してくれた!!

   








   撮影当時はこの位置に木造の橋があったと思われる↓ 2010年にイラストを描いてみた。

    






号外:第9作「柴又慕情」の
ラストシーン列車通過再現動画アップ!!
https://youtu.be/1JxYuG76W7s






木造橋がどこに架かったかの数々の証言
https://youtu.be/45ytTAV3i1s @

https://youtu.be/z-VlIKCay00A


https://youtu.be/Otd8hjkFwz0 B



https://youtu.be/PHiL5c57Z6QC 位置決定















さてこのあと だめもとで

瑞浪や土岐や多治見や春日井や瀬戸を散策。

そして

偶然にも、歌子ちゃんの新婚の町を発見!



    



2本の前後の電柱の間隔がぴったり一致。家屋は建て直しているが
全体の家屋のデザインは昔とほぼ同じ。間違いなくここ!
地元の方の証言も複数取れた。


  

    




    そして蜜月の窯場



    





   なお、当該地の方の要請と、諸事情により、
   この土地は具体的な住所や地図を掲載することが出来ません。
   ご理解、ご了承くださいませ。



      




       この中で歌子ちゃんの新郎の夫がろくろを回していたのだ。↓
       この横顔はここの本当の職人さん。あの歌子ちゃんの夫役の俳優さんではない。

      




       この中で歌子ちゃんの新婚の夫がいた。↓

       諸事情により、外の裏の公道からの望遠撮影となった。

      






      諸事情により、外の裏の公道からの望遠撮影となった。

      









     
窯場全貌


     
このシーンは、このシリーズの中でもとりわけ美しい幸せの窯場風景だ。

     






 ここも、諸事情により敷地の外(表の公道)からの撮影となった。
 それでも幸いにも本編カメラ位置はジャスト!これで良いとは思う。









      蜜月の日々 幸せの絶頂・・・




     





     





 このアングルも諸事情により、窯場の敷地の外の裏側の公道からの望遠での撮影となった。
 それでも、偶然にも本編カメラアングルとほぼ一致している。



 ずいぶん昔に窯場自体は閉じられてしまっている。


  







この数年後に歌子ちゃんのご主人は亡くなってしまうのである。




夕暮れが近づくころ、我々はせつない想いで
知られざる、この歌子ちゃんの短い蜜月の日々の土地を後にした。




そしてあの土岐川にも夕暮れが訪れていた。











終わり