号外!!
 
遂に現場に行ってきました!世界初登頂!
第39作「寅次郎物語」ラストカット

沼津市 内浦




      








プロローグ

まず、事の経緯をもう一度簡単に説明しよう。

2017年2月27日にある新発見があった!



第39作「寅次郎物語」のラストシーン風景は
実は伊勢志摩ではなく、なんと西伊豆だった!!




   




私は、この2017年7月、
名古屋で一番の「男はつらいよ」のファンである中島(なかしまさん)さんと
7月中旬に三重県の湯の山、四日市、伊勢、志摩、とロケ地現地調査をした。
つまり第3作「フーテンの寅」と第39作「寅次郎物語」のロケ地を調査した。

そのためにいろいろ事前の資料集めやストリートビューや当時の航空写真などで考察していた時に、
どうしてもひとつだけわからないのが「寅次郎物語」一番最後の5秒間の海の俯瞰風景場所。

この俯瞰風景は実に難攻不落で今後100年間誰も到達することができないと言われていた。
しかし、私たちは諦めることができないで地図、グーグルアース、ストリートビューなどを駆使しながら
寅友の寅福さんにも手伝ってもらいながら進めていたのだが空しく一週間、10日と日は過ぎて行った。




簡単に、本編ラストの展開をおさらいしてみよう↓



伊勢 二見ヶ浦



夫婦岩の海を見ながら満男の問いかけを
今も自分に問うている寅だった。



    


一応、ポンシュウにも聞いてみる寅だったが
ポンシュウは皆目わからないようだった((^^;)



そして!なんと、超偶然、というか、お約束(^^;)というか…


おふでさんと秀吉、そして船長の3人で
お伊勢さんの初詣に歩いているのを見つける


すぐに岩陰に隠れる寅たち。

ポンシュウたちも一緒に隠れて、



     


ポンシュウ「
なんで隠れんだよ

寅「
オレたちのような人間がな、声をかけちゃ迷惑なんだ。
  それくらいのことわかんないのか、バカヤロウ


楽しそうに歩いていく3人。


     


秀吉がおもちゃと風船を持っている。

船長、風船を持ってあげて、手から離れそうになる『芸』をする。
この芸は絶品。



     


大笑いしているおふでさん。幸せそうな笑顔。

二見興玉神社と 龍宮社の間に架かる赤い契(ちぎり)橋を渡っていく3人。
【二見シーパラダイス】の水族館に行くのかな…


寅遠くで見守りながら、

しみじみ…

寅「そうか…、船長が秀のてて親か、
 いいだろう、あいつだったらいいだろう


船長独身だったのか…(^^;)


     


バイに戻る寅。


寅「
さあ!ヤケのヤンパチ日焼けのナスビ、
 色が黒くて食いつきたいが、
 あたしゃ入れ歯で歯が立たないよ!
 どう!四百!四百円!どう!え!
 四谷赤坂麹町チャラチャラ流れるお茶の水、
 粋な姐ちゃん立ちションベン!さあ!
 白く咲いたがユリの花、四角四面は豆腐屋の娘、
 色は白いが水くさいときた!



      



伊勢の海が映って遥か向こうは知多半島



      











となっている。



当然このラスト俯瞰は、
近場の伊勢、鳥羽、志摩だと思い、向こうにうっすら見えるのは
知多半島だと
考察して行ったが・・・・。

いくら探しても、この地形がない!
まったくどこだか皆目わからないのである。


  


もう何日探しても見つからない・・・・海の向こうに見えてるのも知多半島ではない!

ここはどこだ!?

本編中盤で出てくる和歌山の海なのか?

しかし、もう完全に無理かなと思っていたある日

世界屈指の水脈探し名人のコンシェルジュ
寅福さんの第六感で
伊勢とはまったく近くはない、はるか東の伊豆半島の付け根、
沼津市内浦三津(みと)からの眺めだとわかったのだ!!

このお手柄は数年に一度の大きなお手柄である。
その物語のラストシーンが全く数百キロも離れた別の場所で撮影されていたなんて
考えられないことだからだ。


沼津市内浦!!

そう、まさにあの第41作「心の旅路」のラストシーンとほぼ同じ場所の
丘の高台からの撮影だったのだ。



   第41作のラストも西伊豆の内浦漁港

   


これはだから、伊勢の海ではなく 西伊豆の海 駿河湾
そして向こうにうっすら見えるのは
知多半島でなく駿河の国(静岡市や焼津市)!!



  


昔、・・・
この第39作のおふでさんの住む別荘や二見ヶ浦は伊勢志摩が舞台とされていたが
実はおふでさんの別荘に限っては
三浦半島であることを
3年前に志摩で実地調査されたちびとらさんの問いかけを発端に私はつきとめた。


そしてよりによってまたもや同じ作品「寅次郎物語」でもう一度トリック撮影。
今度は寅福さんが発見されたのだ。


この伊勢二見ヶ浦のシーンの直後、ラストの俯瞰風景が遥か東の西伊豆の内浦だったわけである。
この駿河湾も当時は
真珠の養殖があった。
そういえば、第16作「葛飾立志編」も同じ西伊豆西浦足保でのロケだったが
寅の背中に真珠の養殖の作業小屋があった。
第24作「寅次郎春の夢」でも同じく西浦足保の海岸がラストカットだ。
伊勢志摩の真珠養殖と海の風景がそっくり似ているので伊勢の海だとすっかり信じて
だまされてしまったというわけだ。


   
西伊豆はなぜにこんなに多くの作品ラストで使われるのか。実に同じ地区で4作品!^^;

      第16作 西伊豆 沼津市西浦足保(あしぼ)
      


      第24作 西伊豆 沼津市西浦足保(あしぼ)第16作と全く同じ。
      


      第41作 西伊豆 沼津市内浦長浜
      


      
      そして今回現地調査をした第39作沼津市内浦三津(みと)
      



   しかし4作品ほぼ同じ西伊豆のラスト撮影とは凄いなあ・・・・



   







そして・・・山田組はこの第39作「寅次郎物語」で
2度もトリックを使ったのだった。↓



1回目はこれ↓

■第39作「寅次郎物語」三浦半島大浦海水浴場に
      ついに登頂!2014年1月24日
ロケ地探訪

■第39作「寅次郎物語」秀吉のお母さんの住む別荘地は
     なんと伊勢志摩ではなかった2014年1月8日
ロケ地探訪


そして2回目がこの沼津市内浦。



ということは

第39作「寅次郎物語」の後半ロケ地は
物語の進行順に

志摩

三浦半島

志摩

伊勢

西伊豆

と、なる。



なぜこんなにもトリック撮影が・・・・
いったいこの作品には何があったのだろうか?



 
第39作「寅次郎物語」 ラストカット 伊勢志摩ではなく西伊豆の内浦三津(沼津市)

 


  



  
現地に赴く前に、グーグルアースで再度チェック

  



   
100人中100人がこの風景は当然伊勢か志摩と思ってしまうのは間違いない。

   



  

なぜ二見ヶ浦の近くの海で撮影しなかったのだろうか。
たとえば鳥羽とかでラストの風景を撮影しなかったのだろうか。

あの当時から鳥羽は観光地でかなり開発されていたからかもしれない。
山田監督は美しい半島があったとしてもそれが観光化された風景ではあまり好きではなかったのかもしれない。
しかし、本当の理由は今となっては霧の中。



   「
わけをきこうじゃねえかよ」  って感じです^^;

   




おそらく私たちがまだ見つけられていない日本各地にいくつかある難攻不落の場所も、
こうした映画的なトリックが
複数使われているのかもしれない・・・。
謎は今も霧の中である。

蔦紅葉 果てはあるやら 冬の霧






     








そして今回ようやく現地調査 2017年12月6日 午後12時

メンバーは 寅福さん、ちびとらさん、私吉川





それでは快晴の西伊豆内浦三津の風景ジャストピンポイントをご覧ください。

 
世界初登頂!!

 




 本編と実際の風景を重ねて見てみると今も見事にほぼ同じ。

 




初登頂動画 https://youtu.be/O8H3SkPOxLg




静岡県沼津市内浦三津(ぬまづしうちうらみと)



   ピンポイント撮影場所

   

、  




   現場までは車では難しい。
  道はあるにはあるが地元の方が畑の農作業用に使っている軽トラが上がり下がりできる細く急な道のみ。

   




ということで、・・・・
いろいろあった「寅次郎物語」
トリックの罠をいくつも越えて、100年に一度の奇跡の発見でした。