第22作 はつらいよ 噂の寅次郎

静岡川根SL 塩郷 蓬莱橋 ロケ地全踏破レポート


第22作「噂の寅次郎」は全48作品の中で最も美しいと評判のマドンナ
水野早苗さんを演じる大原麗子さんがメランコリックで美しく、色っぽく、そして可憐なので、
そちらに重きを置いてこの作品を鑑賞する人が多いが、


    



実はこの作品の懐は、
前半の静岡島田から木曽にいたる諏訪ひょう一郎と寅の旅の中にある。



     


だから、この作品は実は大原麗子さんだけがメインではない。
もう一つの魅力的な人物博の父親を演じた志村喬さんの存在は、
大原麗子さんが吹っ飛んでしまうほど大きなものがある。


     


世界一長い木造橋である蓬莱橋での「女難の相」を告げられた寅は、
まず塩郷ダムで、失恋したピン子さんに遭遇して
人助け&おごりの憂き目に合う。
そしてスカンピンになった寅が、野宿を決意して乗ったバスの中に
なんと諏訪ひょう一郎が乗っていたのである。
その後、旅をともにしていくのだが、人生の『無常』をひょう一郎から語られ
寅は人生の奥深さと哀れさに気づかされる。

そしてラストでも再度寅は静岡塩郷に行き、
大井川鐵道の中でちょっとした幸せを垣間見る

特にラストシーンのあの川根の汽車の疾走を忘れることができない。


     



SL C11形 採用版 第22作噂の寅次郎 ラストシーンSLと茶畑再現 静岡大井川
https://youtu.be/qKWjVTRNLNo?list=UUcPzR-JQUvPtPul7mkExGig




SL C11形 準採用版 引きの構図 第22作噂の寅次郎 ラストシーンSLと再現 静岡大井川 

https://youtu.be/xeE_9urHdc0?list=UUcPzR-JQUvPtPul7mkExGig




調査は2016年7月11日(月)(晴れ)に行われた。



       
蓬莱橋を渡る先達二人(左ちびとらさん 右寅福さん)
      



      
疾走する大井川鐵道SLとラストシーン
      






 今回同行してくださったのはこの世界最高峰の達人 寅福さん ちびとらさん。


序盤は寅の父親の墓参りから始まり、
とらやの面々とはめずらしく喧嘩もなく
寅は機嫌上々だったが、
タコ社長との喧嘩がきっかけで翌日にそっと旅に出てしまう。


『…やっぱり帰ってくるんじゃなかった。
 社長によろしく言ってくれ。

 あばよ。

 とらや御一同様。

 寅次郎 』







     タコ社長と喧嘩して旅の姿が最初に映るのがこの風景。






     
静岡 蓬莱橋俯瞰


  遠州と駿河の境を大井川が流れている。 

  「
箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川


  

  
現在は上↑の撮影はカメラ位置が土木工事によって壊されてしまっているので
    真上からの撮影となった。繁みの隙間からのみ見ることが出来る。

     
   
この場所はもちろん本編とは構図が違うが
      それでも、ここにたどり着くのは至難の技だった。
      ぐるっと車で遠回りをして、いろいろ試行錯誤して・・・
      夜になる直前の夕暮れ時にここから撮影できた。


   


      アップにしてみた。

   


   
角度は違うがこの見え方も良い。上↑の超俯瞰のポイントから5分の場所

   


   
いよいよ夜のとばりが降りてきた。美しい・・・

   



   
これはドローンでの撮影(グーグル)

   



物語に戻って


古く長い板が崩れかけた静岡 蓬莱橋を、寅が静かに歩いている。




世界最長の木造橋 蓬莱橋   島田市南町地先


賃取橋 100円



長さ 897.4メートル(世界一)
2.4メートル
通行時間 終日(午前8時30分から午後5時までは橋番が対応)
通行料金 歩行者 1回当たり大人100円
1回当たり子供10円
自転車 100円
 50cc以下 通行禁止
50ccより上 


 897.4m 幅2.7m
 大井川を渡る観光歩道橋として利用されている。
 増水により何度も損壊。

 一応行政的には農道らしい。

 「厄なし(8974)の橋」や「長生き(長い木)の橋」として縁起が良いらしい^^

   ピンポイント https://goo.gl/maps/2Qk6DFJ135H2

  



   
歌川広重 東海道五十三次 嶋田

       


  歌川広重 東海道五十三次 金谷

   



 大井川は、南アルプスの険しい山岳地帯かつ降水量の多い多雨地域を流れる
 水量の豊富な河川。フォサマグナの崩落地帯が上流部にあり、
 土砂流失量も多く、広大な河原を形成してきた。

 江戸時代、大井川は東海道最大の難所として知られていたが、
 幕府がある江戸防衛の目的から架橋や渡船は許されておらず、
 川を渡るためには川越人足に頼るしかなかったその大井川に、
 旧幕臣が茶畑として開拓した牧之原台地と、東海道の島田宿を結ぶために、
 1879年(明治12年)に架けられたのが蓬莱橋である架設後の橋は
 大井川の氾濫で幾度も被害を受けたため、
 1965年(昭和40年)に橋脚部分だけはコンクリート製にする改造を受けている.

 のちに、川下側に鉄筋コンクリート製の新橋である島田大橋(静岡県道34号島田吉田線)が
 架けられてからは、それまで地元の人たちが利用してきた蓬莱橋は島田大橋を渡るようになり
 橋の交通量がほとんどなくなってしまったが、
 1997年(平成9年)12月30日に「世界最長の木造歩道橋」としてギネスブックに認定されてからは、
 主に観光客が訪れるようになった.





     



    川原には草が生い茂り、
   降りる道が草で隠れて滑りそうだったので、
   仕方なくやや低い土地を探して妥協した。ご理解ください。

    




    橋の下からの撮影は現在は蓬莱橋の近くからは数年前よりも整備がされていなくて
   安全には川に入れなくなっているため難しい・・・




   下に下りようとするには相当の服装と時間と工夫が必要だと思われ、
   これは時間の制限があるこの日では無理だった。
   橋横の茂みから撮影。






      グーグル  数年前はきれいに草が刈られ、整備されていたので普通に降りれたらしい。

      







 ところどころ欄干が崩れ落ちている。

 ちょっと危ない(^^;)


 尺八の音色


 
 
   こういう欄干が壊れたままなんてことは今はもうないのだ。
 




  

  


       こういう低い位置&逆光での撮影は
     簡単そうに見えるがこのように難しいのである。
     (片手支えで、かつ、まぶしさに耐えて撮影する寅福さん)


   



       写真ファイルを日よけにして片手撮影する寅福さん。

   





 反対側から深編笠によれよれ衣の雲水がやって来る。

 会釈して通りすぎようとする寅を、
 雲水は深編笠の陰からほんの一瞬チラリと見て…、


 いったん行き過ぎるが、


雲水
もし・・・

寅、立ち止まり振り返る。
         

  


    


      
蓬莱橋の二人
      




雲水旅のお方

寅、一礼して

何か?


     


   




雲水
まことに失礼とは存じますが、
   あなたお顔に女難の相が出ております。
   お気をつけなさるように…



そんないきなり…かなり失礼((^^;


    

     

    



寅、慌てず答える。


わかっております。
  物心ついてこの方、
  そのことで苦しみ抜いております




     


     


雲水、静かに頷く。

では

お互いに合掌し合って、反対の方向へ。

風の中二人は離れて去っていく。



     よく見ると欄干の外から撮影している。
     



     欄干の外に手を伸ばしての撮影は結構怖いです^^;


     


    欄干の外からの撮影は、このようになかなかきついのです^^;(背後霊アリ

      


ちなみに、その昔、フジテレビの『男はつらいよ』のドラマ(第16回)で、すでに
この『女難の相』を易者から言われるシーンがある。
この第22作ではそのテレビドラマバージョンを使っている。


 寅って、『物心ついたころ』から女難…。
 そんな若い頃から惚れっぽかったんだ…( ̄0 ̄;)
 しかし実は寅の場合実は知り合った女性からは
 なんの損害も受けていないし、
 離婚や浮気や裏切りにあったわけでもない。
 男性として相手にされなかったり、敵前逃亡するだけ。
 だから寅の岡惚れ恋愛癖は「女難」ではない。





   
静岡ロケ地位置 全図

   



  
『塩郷駅ホーム』で記念写真
  




 その後啖呵バイのシーン。


 大井川添いの町 島田市 伊太1787付近


 大井神社(伊太神社)
大井川の神様「大井神」中心


 このあたりは大井川の守り神ということで『大井神社』という名前の神社は9社もある。



 バイネタ 『電子リング』



    鳥居のそばに置いてある樽の賽銭箱

    




     






 
大井川の中ノ島のような場所にあり
 ちょっと不思議な存在感の森だった。     

 撮影当時は今よりももっと神社を囲むように川が流れており
 中ノ島の雰囲気をしっかり持っていた。




 映画では

 花火と祭囃子。

 いつも思うんだが、こんな小さな祭りごときでそんなに
 いつもいつもどこでも花火を打ち上げないよ(^^;)


 山に近い小さな町の鎮守様の縁日で、
 主婦や老婆を集めて例のいかがわしい『電子リング』を売っている。



     




    
     どの木もとても成長し、太く高くなった。

    





     この位置からでは寅の背後にある木は旗で隠れて見えにくくなっているが端が少し見える。

       










     1976年当事の航空写真を見てみると確かに川がある!!




   
                                                                      
    黄色が道路 青が                    1976年航空地図

   
     




    現在の航空写真 ピンポイント

    








     後ろの木は大きくなった

     




    大きくはなったが、木のくぼみの部分でこの木だとわかる。

    




       アップのシーンはこのあたりで撮影↓
     
       





    






    






    ピンポイント ストリートビュー https://goo.gl/maps/mzFZbDRMvBS2  

    










  塩郷堰堤(しおごうえんてい)。





  静岡県川根本町  一般的には、塩郷(しおごう)ダム 




   河川法上におけるダムの定義である15.0mに満たないため、堰として扱われる。
  地元の人にとってはこの堰体が大井川の左岸と右岸を結ぶたいせつな生活道にもなっている。



    




    






    







    寅は、事務所で弁当を食べて休憩していたようだ。




     




     






     





    







      悲しみに暮れる女性を見て・・・逡巡する寅


     

      


     








    脚本の中ではピン子さんは「瞳さん 本編では名前無し

     



      これ以降、便宜上脚本の「瞳さん」と書きます。


      瞳さんを再現してみた。

      







      これは下を覗くと・・・怖いの怖くないのって、怖い!!

      









           




      悲しみの瞳さんを再現^^; 

      


  
       


     


     




    





     ピンポイントストリートビュー  https://goo.gl/maps/aWmKvveiyrP2


     




     ストリートビューは中まで入れる。

     












 奥大井エリア



 川根大橋西詰め 警察署坂下




 おざわ食堂




 塩郷ダムからバスで北上し、
 川根大橋を渡ったところに警察署があるが、その坂下の「
おざわ食堂」で
 寅は瞳さんと休憩する。

 左折すると大井川鉄道千頭駅。


 
千頭駅は大井川鉄道の大井川本線と井川線の境界駅となっており、
 奥大井観光の要衝とも言える場所。旧本川根町役場も川根本町千頭に設置されていた。





       この暖簾のカットはセットではなく ロケ

      




      


     





   瞳さん、もう堰を切ったように
   ふられた男の悪口と自分の悔しさを延々と吐露し続ける。


    





寅「おねえちゃん、ちょっと休もうか

瞳、泣きながら頷く。

寅「
何か食べるか〜

瞳頷く。

寅「
おばちゃん、あのー、『茹で小豆』一つくれるかい


おばちゃん「はい」


寅「
それでいいな


瞳頷く。





鼻をかむ瞳。


瞳「お兄さん、優しいのね





        
おざわ食堂に飾ってあるロケ撮影風景

           




 小沢食堂の現在のご主人(息子さん)によると
 渥美さんは「おざわ屋さん」での撮影前の晩に
 お一人でフラッと前ぶれなくやって来て食事をしていったそうだ。

 小沢食堂の内部シーンは大船の撮影所セットだが
 それでも渥美さんは店の前をロケで使うこともあり、
 前日に店に行くことによって臨場感を持たせたかったのだろう。



   
撮影当時は先代のご主人。現在はその息子さん。

   



 寅はこの店で瞳さんに「茹で小豆」をおごってやるのだが
 実際のメニューには「
茹で小豆」はなかった。残念・・・・。


 注文を取りにきた女将さんに「茹で小豆はありますか?」と私は聞いてみた。
 ちょっと微笑みながら、映画のシーンですね、とおっしゃった。
 知っておられるんだなあ・・・と嬉しかった。


 そして二人はおざわ食堂を出て・・・


 おざわ食堂斜め前
 大井川鉄道『千頭駅前バス停留所』まで歩いている寅と瞳


 「求夢荘」の広告




      


     






     大井川鐵道バスをおざわ食堂近くのバス停で待つ。

     




     





 寅は優しいね。絶世の美女じゃなくても(^^;)同じように優しいところが
 この男のいいところ




 「下泉行き」バスが近づいて来る。


瞳「お兄さん、これからどこへ行くの?


寅.「そうさなあ、
  あの山越えて木曽路の方にでも行ってみるとするかァ


   
赤石山脈と木曽山脈の山を2つ越えないとだめ・・・


瞳「あー…カッコいい!





             





   おざわ食堂のご主人によると、この寅と瞳さんの向こうに見えている黒い家があったのは今の信号の手前、
   つまり今の左に折れる道の真ん中。
   ここは撮影当時は四つ角ではなくT字路に近いだったそうだ。左側は道ではなく家だったようだ。
   これでようやく合点がいった。



     
川根大橋は1962年架橋の古い鉄橋

     




    この黒い建物は旅館だった。カーブミラーがあるのでまったくのT字路ではなく、
   一応細い道が存在していることがわかる。
   道路が出来た時にひとつ手前に移動出来たので現在は角で営業している。



    




 瞳さんと一緒に川根大橋を渡って来た寅が
 再度川根大橋を戻って下泉まで元の南へ下っていく。┐(´-`)┌
 なんのために寅は千頭まで来たんだ??




バスが停り、、トアが開く。


あ、そうだ。お兄さん家どこ?.」


寅、バスのステップに足をかげながら、


オレの家か、オレの家はな


瞳手帳を取り出してメモし始める。


東京は葛飾柴又帝釈天の参道にある
  とらやという小さな団子屋よ


  東京に来たら寄ってみな、
 オレの身内がいてきっと親切にしてくれるよ




絶対行く


オレの名前はな、

  姓は車、

  名は寅次郎っていうんだ





 この時の渥美さんの「名は寅次郎って言うんだ」という
 セリフの部分の柔らかさは見事。よかった〜。



                     




カッコいい…、じゃ、寅さんね


うん、そう呼んでくれていいよ。じゃ、あばよ


どうもありがとう


寅、乗り込み、ドアが閉まる。

車掌さんプンプンに怒ってる┐(´-`)┌



おう


ごちそうさま!さよなら、さよなら




 
    バス停のすぐそばのガレージのような建物が数年前まで残っていてそれがストリートビューで映っている。
   私が行った時はちょうど取り壊していた。

    






     






     おざわ食堂のご主人の証言によると、まあだいたいバス停黒い建物などの位置関係はこんな感じ。
    小沢食堂真横の家が昨年までそのままの状態で存在した。↓
    今の道の中ほどまで黒い建物があったと推測できる。
    その横に上手のダムへ行くための細い道もあった。



     




     




     バス停横の目印になっていた家もガレージもちょうど建て壊して更地にしているところだった。

     







おざわ食堂インタビュー
https://youtu.be/KaUdbYedBqE

バスの中

https://youtu.be/UXNcXWHrvBo?list=UUcPzR-JQUvPtPul7mkExGig




おざわ食堂 茹で小豆
https://youtu.be/swgSb6DzW84









     実はこのバスの中に博の父親、諏訪ひょう一郎が乗っていたのだ!

     






     






     ピンポイント ストリートビュー  https://goo.gl/maps/Vj1R7CPu8RJ2

     
                  



 手を振る。

 そして、バスに乗った寅をいつまでも手を振る瞳さん。

 それに応えるように「うんうん」と、手を降る寅。


 
この映像は第13作「恋やつれ」で津和野でバスに乗った寅を手をふって
 いつまでも見送る歌子ちゃんのアングルと同じだ。
 実は、このパターンは「幸福の黄色いハンカチ」でも使われた。




      手を振る歌子ちゃん

     




     手を振る瞳さん。

     




      走る健さん!(島勇作)

     








      川根大橋を東に渡って行くバス。




     



   
     私たちも自動車で再現するために渡った。

     







 バスの中


 静岡県川根本町・川根大橋



座って


財布の中身を確認する寅、五百円札一枚しかない。
そんなもんでバス乗るなよ(TT)



寅「あーあ…これも女難のうちか…



寅「まいったなあ。
  今日これから商売するわけにもいかねえしなあ…。



寅振り向いて、



寅「
おじさんよ、このバスはどこ行くんだい



と、後ろに坐っていた白髪の老人に声をかける。



ひょう一郎「下泉


寅「
下泉か〜、ふーん。
 じゃ、まあ、今日はそこで降りて杜にでも泊まるか。
 今夜は冷えるだろうなあ…



ひょう一郎「君ね


寅「えー?


ひょう一郎「
今夜は私の宿で
    一緒に泊らんかね



寅、ギョッとする。


寅「…何んだい?いいのかね
  そんなこと言って、

  おじさんずい分親切だねえ。


  あんた、どういう人?



ひょう一郎にこにこ微笑みながら、
寅の肩を軽く叩き、




ひょう一郎「
君の親戚だよ


寅「え?



と身を乗り出してマジマジ顔を見る。



寅「
あー!!!

 博のお父っっあん



と、指を指す。







    大井川を渡りきった川根大橋の東詰め通過。ひょう一郎の後姿が見える。


     



      




        ピン子さんと午後2時〜3時ごろ別れた後、
     バスで知り合った寅とひょう一郎たちは木曽路の紅葉館に宿泊するのだが
     下記のように静岡の「下泉」から長野県木曽郡木曽町は
     自家用車でも4時間かかる↓ましてや下泉までバスで行くのだ。
     そこからタクシーだから合計4時間半はかかる。
     あのバスに乗ったのはもうかなり午後だったので
     木曽路に着くのは夜の8時以降かもしれない。

       
バスなんかに乗らないでさっさとタクシー拾ったほうがいいとは思う。



        




        実は静岡川根から木曽福島は大きな山脈を2つもあるので大回りになる。

        



        



   
静岡ロケ地位置 全図

   






   ひょう一郎と出会って大喜びの寅

    





 木曽路でひょう一郎に
 「今昔物語」を用いての人生の「無常」について語られたことがきっかけで
 寅は深く反省し、「改悛」し、柴又へ戻る。


   



今昔物語 本朝仏法部 巻第十九第10話

春宮の蔵人宗正出家の語
 とううぐうのくろうどむねまさしゅっけすること  より



    当該箇所↓(前略 後略)

   







  寅次郎の恋




    そして柴又へ戻った寅は

    麗しき早苗さんとの出会いと別れの長い物語があり



   




早苗「
寅さん…、私ね…


早苗「
分かってるのよ、あの人の気持ち」と、下を向く。


寅「
だったら本人にそう言ってやんなよ、
  どんなに喜ぶか


早苗「
そんなこと言ったって…


早苗さん「
私ね…

と寅を見つめる。




    



寅「
」と頷いて


寅「
明日聞くよ

寅「
早く行かねえと間に合わないぞ

と強い目で言う

寅「


                              
早苗「
じゃあ…、また明日ね

と寅に微笑む早苗さん。


駅のほうへ駆けて行く早苗さん。


早苗さんの、背中を見ている寅。



そしてその直後、みんなの止めるのをふりきって
失意の寅は柴又をその離れていく。

もう一度寅は静岡に旅に出る。










 本編ラスト付近




  正月の賑わいがある柴又 とらや。


  寅から早苗さんへの年賀状が届いている。





そして映像はもう一度静岡県 川根本町





 大井川鐵道




 静岡  大井川鐵道 塩郷(しおごう)駅



 今も蒸気機関車が走る鉄道として知られている。


 日本で初めて蒸気機関車の動態保存を始めた鉄道として名高く、
 現在でもほぼ毎日運転されている。



 寅の年賀状ナレーションが続く







  謹賀新年
  昨年中は誠に恥ずかしき事のかずかず、
  心より反省しております。
   
  今年が早苗様にとりまして幸せな年でありますよう、
  遠い旅の空の下で心より祈っております。

  一月元旦   車 寅次郎拝






 撮影当時は存在した大井川側のホームへ歩いて行く寅。



 
現在、ホームは道側の片方だけになってしまっている。



     もうこのホームへの改札も今はない。

     





     





     全体ではこんな感じ。

     






      撮影当時は大井川の方にもホームがあった。

       



       











       



       







      




     当時は線路向こうにホームがあったので線路越しに崖が撮影できていたが、
    現在は片方のホームしかないので近くからしか撮影できなくなった。


      





      上から見るとこうなる。↓(他の方のサイト)

       





       現在は道側にのみホームがある。(Wikipediaより)
      向こうに見えるのは有名な
『塩郷の吊橋』つり橋(全長:220m・高さ:11m)と塩郷ダムの堰体

       







     記念写真 塩郷駅で3人 左から ちびとら 寅福 吉川

    






     ピンポイント ストリートビュー  https://goo.gl/maps/bBVEPd6d1yB2

     





 またもや、ロケの都合で、最初と同じ地域を旅している寅だった。
 これは実に頻繁におこるお約束事で、
 この傾向はこの作品の後もずっと続いていく。


 煙をもうもうと出してやって来たC11形機関車

 C11227

 C11227は、
 この撮影の前年の1976年(昭和51年)に
 大井川鉄道で運行開始した
 日本での初めての動体保存!!
 復活蒸気機関車第1号機。




   



蓬莱橋での一期一会。

あの旅の雲水がなんと降りてきた。

ふたたび出会う寅。



寅「あ、こりゃどうも…
無声音



 お互い手を合わせお辞儀。





      







   
静岡ロケ地位置 全図

   









 一号車のドアを開け、車内に入ってくる寅。

 ドアには『車掌室』と書いてある。


こめんくださいよ」と、挨拶して

カバンを棚に

よいしょっと」と置き、


 椅子に座る寅。



 目の前の座席にはなんと、
 あの瞳が新しい彼氏と座っているではないか。







    泉ピン子さんと再会!静岡北部の赤石温泉へ。 なぜわざわざ新婚旅行でここへ・・・・┐(´-`)┌
    車窓風景に注目!ラストの茶畑SLの場所にやや近いことがこうやって比べればわかる!

        




    この場所は寅さん仲間の寅福さんと一緒に事前に探し、事前調査で彼がみつけた場所  世界初登頂

    





    ピンポイント ストリートビュー 静岡県榛原郡川根町下泉1445の少し手前


     





     









びっくりする寅。


呆然と寅を見ている瞳。





寅「
ヨォ!!



瞳「寅さん!!


                 

寅「うん!



瞳「びっくりした。わあ、どうしようと、照れまくる



川崎の工場で働いている瞳さんが
どうしてまたもやこの付近に出没してるんだ…?




寅「なんだい、また、そんな『おめかし』してよ





                         
      






瞳「だって…新婚旅行だもん早!((^^;)




おいおい早すぎるぞ、
あれから3ヶ月も経ってないぞたぶん。
第11作のリリーか^^;




寅「え?


新郎、寅にお辞儀。


瞳「私たちね、昔からの知り合いでね、
  兄妹みたいにしてたの。
  ま、手近で手打ったってわけ、ね、フフフ



と二人とも照れまくり。



瞳「あ、そうだ、私たちね
  これから赤石(あかし)温泉に行くの。
  寅さんもよかったら一緒に行かない?






寅「ん…


瞳「行こうよォ


寅「へへ、ま、お邪魔でしょう、へへへ




      




瞳「あー…、変なこと想像してんでしょう、
 いやらしいわね、エッチ!もう!フフフ





顔を新郎のマフラーで隠して恥ずかしがる
幸せいっぱいの瞳さん。



新郎、首をかしげて照れまくり。


寅、二人の様子を見て笑っている。 




ちょっと照れながらも
なんだかほのぼの嬉しくなる寅だった。








  そしていよいよラストへの道。



  まずは、汽車の外からの大井川方向の撮影。



     この汽車の上からのカメラも 寅福さんが塩郷ダムのそばだと発見され 世界初登頂



     



     





     向こうに見えるのは塩郷ダムの一部。黄色丸囲み

     





    ピンポイントストリートビュー 塩郷ダムの端が見える。 本編で見えていた電柱とケーブルも見える。

    https://goo.gl/maps/HZ8bkhSeVTB2


    







 ラストシーンが近づく。


 干し柿の家と蒸気機関車と大井川

 大和田駅を通過し、北上していくC11形蒸気機関車




  静岡県島田市川根町家山1549 大和田駅そば



   


     

  家が建ってやや見え方は変わったが、干し柿の小屋は補修はされているがなんとか存在していた。


    映画本編はこの構図が正しい。

   




    こちらはまさに映画と同じC11形!!蒸気機関車が通った瞬間!!
   
映画本編と同じC11形 227号機の可能性がある。 


     




 C11形227号機

 大井川の機関車と言えばまずこの昭和51年のSL復活運転から走り続ける
 大井川鐵道の顔であるC11形227号機。

 昭和17年9月に製造された、戦前仕様のスタンダードな機関車
 (翌年製造分からSLの設計は戦時設計に変更)。

 C10形の改良型として生まれたタンク式機関車。
 時速85キロでの高速で走行ができる強い機関車。
 227号機は昭和50年11月、北海道標津線より大井川鐵道に入線された。
 昭和51年7月9日に大井川鐵道でSLの復活運転を開始して以来、
 今もなお活躍し続ける大井川鐵道を代表する機関車として有名。

  • 全 長:12.650m
  • 全 幅:2.936m
  • 高 さ:3.940m
  • 重 量:66.85t(空重量51.69t)



      






 大井川鐵道は現在もうひとつC11形を持っている。

 C11形 190号機

 2003年に大井川鉄道で復活したSL。
 緑色のプレートが目印

 昭和15年、川崎車両で製造された車両。
 昭和49年に熊本で廃車となり、八代市の個人の方が所有(静態保存)していた。
 平成13年6月大井川鐵道に入線。
 2年近い大規模な改修を経て、平成15年7月19日営業運転を開始。

  • 全 長:12.650m
  • 全 幅:2.936m
  • 高 さ:3.900m
  • 重 量:66.05t(空重量51.69t)




       





 この2つのどちらかと私たちは遭遇したのだ。









干し柿とSL 再現動画
https://youtu.be/LBXKrGuX30g



     時々・・・トーマス君も走る (;^_^A   一応 C11形

     







走るトーマス C11形の改良版 動画

https://youtu.be/f2Vtj9SaZ04











     ピンポイントストリートビュー  島田市川根町家山1549    大和田駅すぐ北

   https://goo.gl/maps/Qm7MPGzcm712


     







        





        





 上の干し柿のSLを撮影したあと、すぐさま今度は北へそのSLを追いかけながら
 途中でSLを追い抜かし、下泉の南のポイントにたどり着いたわけである。
 その日は予定が夕方遅くまで詰まっており
 SL通過撮影はこの日たった1回しかできなかったゆえの錬金術だった。



 時間差はたった17分。南の干し柿で撮影して北の茶畑へ飛ぶように北上した。

    










  いよいよラストシーン



  


      






     

        



     





     空も入れたらこうなる。

     







    




   手前にやや引きの構図ではこうなる

    






    






   これは一脚を手で伸ばして2メートル高くして撮影したもの。線路のあり方など本編の構図にかなり近い。

    






       






SL C11形  採用版 第22作噂の寅次郎 ラストシーンSLと茶畑再現 静岡大井川
https://youtu.be/qKWjVTRNLNo?list=UUcPzR-JQUvPtPul7mkExGig




SL C11形 
準採用 引きの構図 第22作噂の寅次郎 ラストシーンSLと茶畑再現 静岡大井川

https://youtu.be/xeE_9urHdc0?list=UUcPzR-JQUvPtPul7mkExGig






第22作「噂の寅次郎」 トーマス号が行く ラストシーンの茶畑

https://youtu.be/_bpE-hb1M3w



 そして汽車は遠ざかって「終」マーク



         

         
 




      




       ほんの少しだけ広めだとこうなる。

       






      同じ場所逆方向で見ると↓



      汽車はまったく同じ場所同じ方向通過でもカメラ位置が間逆だとこうなる。
     カメラは塩郷方面を向いて撮影。↓
youtube
        
      
      




      





     






    ピンポイントストリートビュー https://goo.gl/maps/D57jCP8Edo92

 
    







      






       





      




SL C11形 採用版 第22作噂の寅次郎 ラストシーンSLと茶畑再現 静岡大井川
https://youtu.be/qKWjVTRNLNo?list=UUcPzR-JQUvPtPul7mkExGig




SL C11形 準採用 引きの構図 第22作噂の寅次郎 ラストシーンSLと茶畑再現 静岡大井川

https://youtu.be/xeE_9urHdc0?list=UUcPzR-JQUvPtPul7mkExGig



トーマス号 第22作噂の寅次郎  ラストシーン再現 静岡大井川
https://youtu.be/vT4AWomEqwU




    静岡県榛原郡川根本町下泉1426付近


    
      





 











 追伸



 ちなみに
 この男はつらいよシリーズでは
 合計10作品で蒸気機関車が撮影されている。


     第2作「続男はつらいよ」三重県柘植駅(伊賀地方は私の故郷) バック運転!
   




    
第3作「フーテンの寅」OP D51 中央本線落合川
    


    
第4作「新男はつらいよ」 由布岳がそびえる中D60形が疾走
    
    

    
第5作望郷編 小樽 築港機関区函館本線 
    
第5作ではたくさん映る。
    


    
第7作「奮闘編」越後広瀬駅で只見線に乗り遅れる寅
    


    
第8作「寅次恋歌」備中高梁武家屋敷前の伯備線D51
    
第8作は葬式の時もSLが映る。
    



    
第10作「夢枕」日出塩駅を通過する中央本線D51 D51の重連運転!!
    


    
第11作「忘れな草」さくらを乗せ、網走をめざして北海道を走るC58
    
第11作は網走駅でもSLが映る。
    



    
第13作「恋やつれ」益田での啖呵バイの向こうに走る山陰線蒸気機関車。
    



    第22作「噂の寅次郎」川根を疾走するC11形
    





終わり


以上全踏破レポートでした。








このあとは3月中旬に静岡西伊豆ラストシーンと
焼津ラストシーン全踏破アップです。



第47作「拝啓車寅次郎様」本編完全版前編も
バリ島に仕事で出かける直前の
3月下旬にアップする予定です。