敗者復活の油彩画 「越中八尾町流し」

今年も風の盆の時期がやって来た。

2017年の今年は特に雨が多い。さらに連続して降り続ける。

まあ、雨のせいでもあり、今年は昨年にもまして前夜祭からとても静かな風の盆だ。
今年もというか、ここ数年間ツアーバスが本当に少ない。
そして個人で来ている人も10数年ほど前の半分以下かもしれない。


私は上新町の自宅アトリエの前のほうで生業の絵画と染織工芸の展示をしているので、
お客さんが少ないのは実は死活問題でほとほと困るのだが
本来の踊りや演奏を見に来ている人々にとっては人があふれた昔と比べて
ちょうど混み合わないでいいころあい。

八尾の路地はどこもかもせまいので十数年前のように現在の倍以上来てしまうと
お客さんが道の両端にあふれるともうどうしょうもなくなるのだ。
これからはもうあの十数年前のようにバスが大量にお客さんを連れてくることも
なくなっていくだろうから、踊り手も見る側もゆったりと自分のスペースを確保できているようだった。



     今年の新作のひとつ。この絵は4年前に一度描いて止めておいた油彩画だ。




        油彩画 6号F 「越中八尾町流し」

        



昨年、「吹雪の帝釈天参道」の油彩画(4号F)の話をしたが、
今年も4年間八尾の自宅で寝かせて置いた油彩画が気になって
ほこりを払って、何度かわずかに数箇所加筆した。

勢いは消さないで、ほんの少々数時間。
依然として少々破綻はあるが、
4年前の気持ちを大事にしてあえてまとめることなく描いた。

ここ数年の作品の中では満足できる絵になったと思う。